第117回 釜飯仲間・おこげのお話 

2018.9.30
釜飯仲間・おこげのお話

『釜飯仲間』=おこげのお話=
~神奈川の農業のこと、食べ物のこと。生産者に寄り添って31年~

「災害列島」に、私たちの祖先は暮らし、命を繫いできたのだと今更ながら思います。9月だけを見ても台風21号で大きな被害を受けてすぐ、北海道での大地震、大停電、そして台風24号は、21号を超える勢力と予想されながら9月30日現在西日本に襲来しています。すでに多くの人々の命が奪われ、再起が危ぶまれる農業関係への被害が全国各地に発生していてもなお、という思いです。

「里山の恵み・伝統文化に出会う上映会」として、「民族文化映像研究所」制作の記録映画を定期上映しています。映像に記録される、祖先から受け継いできた手仕事の技とともに、一年の無事を願い、作物の豊作に感謝し、自然災害を畏れ神々に祈りを捧げてきた様子も映し出されています。自然から多くの恵みを得ることができる日本列島は、幾多の自然災害にも翻弄されてきたことを、今年は痛感しました。里山に学び、現代の暮らし方を見直そうとする私たちには、貴重なヒントに溢れている作品群だと思います。

そのような、日本列島に暮らす私たちなのに、日本の農林水産業を大切にしながら自然豊かな日本列島を次の世代に手渡していこうとしないのは悲しいことです。自然の営みとともにある農林水産業は、工業製品とは全く違うモノサシで考えなければなりません。少なくない人々が何度も指摘していることです。

今、全国各地の「新米」が話題になる季節です。

ふるさとから、ご親戚からお米を贈っていただける皆さんは幸いです。自分で「自家用米」を栽培されている方も、NORAの仲間には少なくないでしょう。

9月に入ってからの雨つづきで稲刈り作業が進まずに困っている方も多いと思います。神奈川では、神奈川のオリジナル品種「はるみ」の新米が直売所などで販売開始になりました。二年連続してお米の食味評価で最高評価「特A」を獲得したお米です。18年度は一気に作付面積が広がったようです。

全国各地で、その地域にあった品種、栽培方法が研究され、おいしいお米が生まれています。 ところが、お米の需要は近年急激に低下して、年間700万トン余り。40年前の半分です。それなのに、TPPによって、オーストラリアからのお米が輸入されることになるとか。「TPP反対!ウソつかない」と公約して政権に復帰した安倍首相は、トランプ大統領を大喜びさせるアメリカとの2国間貿易協定の交渉を受け入れました。カロリーベース食糧自給率38%の日本です。「国民の命を守る」のは、武器でも基地でもないと私は思います。

(2018年9月30日   おもろ童子)

釜飯仲間・おこげのお話