水の流れは絶えずして

第二十三話 赤とんぼは今

2015.7.31
水の流れは絶えずして

夕焼け小焼けの赤とんぼ~♪は、子どもの頃からの記憶に残る歌でしょうか。 7月19日から20日にかけて、童謡「赤とんぼ」の作詞者である詩人・三木露風の生まれ故郷 兵庫県たつの市で開催された全国トンボ市民サミットに参加しましたので、夏休み特集として報告します。

写真1三木露風の碑

 「赤とんぼ」の作詞者 三木露風の碑

 播磨の小京都とも呼ばれるたつの市は、脇坂藩5万3千石の城下町として、文化、歴史的にも見所が多くありますが、国民宿舎「赤とんぼ荘」に見られるように、街のシンボル赤とんぼをデザインしたお土産が多く見られます。

????????????????????????????????????

 トンボの絵柄のマンホール

しかし、かつて赤とんぼが乱舞していたたつのの街では、赤とんぼの人工飼育をしなければならないほど数が激減し、赤とんぼの復活が今回のトンボサミットのひとつのテーマでもありました。 近年、赤トンボが全く見られないという地域が全国に広がっています。国際トンボ学会会長の井上清氏によれば、赤とんぼが全く見られない地域とそうでない地域がまだらに分布している。激減している地域は、近畿地方では大阪の大部分、兵庫の中国自動車道以南、奈良の一部、新潟県、一方、長野県の北安曇野郡ではあまり減ってないと述べています。この原因について「赤とんぼの謎」(新井裕氏著)では、生息地の減少、乾田化、温暖化の他、箱施薬(苗床で稲に事前に農薬を含ませる)の普及、乾田化の時期をあげており。この箱施薬について、宮城大学の神宮字寛氏他は、論文「耕作水田におけるフィプロニルを成分とする育苗箱施用殺虫剤がアカネ属に及ぼす影響」(農業農村工学会論文集,2010)で「フィプロニルを散布した区では,無処理区に比べてアキアカネの羽化個体数が大きく減少することが明らかとなった」と述べています。また、フィプロニル以外にネオニコチノイド系成分を含む農薬も、問題視されています。この農薬の問題はもう少し勉強してから改めて掲載したいと思います。 このような状況の中、NPO法人たつの・赤とんぼを増やそう会では、地域の子どもたちとともに、赤とんぼの調査や、繁殖、ヤゴの飼育を2008年から開始し、現在では街をあげての活動となっています。

????????????????????????????????????

赤とんぼの飼育場入口にかけられたトンボ池の看板

          ????????????????????????????????????

赤とんぼの飼育小屋

   ????????????????????????????????????

飼育小屋近くの復活した水田と放棄水田

たつの市は、播磨の小京都とも呼ばれるだけあり、歴史を感じる街並みや建物、文化が多く保全されていました。 ????????????????????????????????????たつのの街並み

街を少し外れると三木露風が描いた農村風景が広がり、ここにはトンボが飛び交う風景に会えるはずでした。しかし、水田の周りを歩いてもトンボがあまり見られず......

???????????????????????????????????? トンボが乱舞しそうな水田

 

今後、たつの市の活動をモデルに、全国的にも赤とんぼが復活することを期待します。