石田のおじさんの田園都市生活

第63回 落ち葉、あおば

2013.12.1
いしだのおじさんの田園都市生活

・今日、深大寺を通ったら落ち葉がいっぱいだった。
寒くなってきたからね。やだなぁ。
・11月の初め、「涼しくなってきたね」って、やっと猛暑が終わったなんて。
そのあと急に寒くなって、「秋が無かった」って。
・文化の日のころにセミが鳴いていたんだよ。と、思ったら初霜は早かった。
やだやだ、寒いのは苦手。
・落ち葉を見るとね、拾い集めたくなるんだ。
やっぱり、ヘンな人。
・でも、青葉区あたりじゃ実際に集めている人をよく見かけるよ。
家の前の掃除でしょ。
・そういう人ももちろんいるけど、明らかに堆肥の材料集めの人もいる。
そうなんだ、、、
・見ていてわかるよ、自分もやっていたからね。
やっぱり、ヘン。
・落ち葉の身になって考えてみなよ。
は?
・ゴミ扱いで焼却炉送りになるのと堆肥にされるのとどっちを望んでいるか。
どっちも特に望んではいないと思うけど・・・
・そしてね、この季節、焚火がしたくなるんだよ。
付き合いきれません。いぶ臭いのはやめて。
・昔は焚火の自由があったのになぁ
はい、はい。
・前回の対談、ちょっと好評だったよ。
対談?
・いや、この会話のことだよ。
なにカッコつけているわけ?
・ゴメン。
でも、へえ?そんなことあるの?
・ま、身内の評価だけどね。
どこが良いんだって?
・それを聞くのを忘れていたんだよ。
ホント、ドジだよねぇ。
・「いいね!」なんて、予想外に言ってもらって、焦っちゃってね。
そもそも、どんな話をしたんだったっけ?
・里山には民主主義が無いって、、、
あんなことがあった後だったから、ね。
・いや、その、「あんなこと」に関してはまだ言っていない何も。
そうだね。言う気にならないよね。
・いや、大事なことだからいずれちゃんと総括するよ。
それは、ゴクロウサマ。
・というか、民主主義とは少数派や異質なものを排除しないで共にあるとか、、、
排除は世の常かも。
・善意で、思い込みで、勝手に方向性を決めないとか、、、
誰かが決めないと世の中動かない。
・逆らうね。
反対意見も必要でしょ。
・そりゃまぁそーだけど。どうも強引で民主的じゃない。
ですね。
・「あれは架空のヤリトリですか?」とも聞かれたよ。
あはは。ここで答えようが無いね。
・ははは。そもそもホントはそんなに会話が無いもんね。
、、、今回は、何を話題にしよう?
・うーん。何か秋らしい話、ないかねぇ?
この間のマルシェ、良かったよね。「あおばを食べる収穫祭」
・ゆっくりできなかったけれどね。
行事が重なってね。ほんとに短時間の滞在で残念だった。
・我々がゆっくりできなかったのはともかく、初回にしては、、、
大成功だったということ?
・そうだね。青葉区のいろんな団体が集っていて、盛況だったようだよ。
はやしさんに、グリーンに、、、、
・野菜や野菜料理を中心に、スイーツなども充実していた。
どのお店も美味しそうでユニークだった。
・「マルシェのプレイヤー」なんて呼んでいたよ。
横文字多い。
・こんな企画をさらりとやってのけるのが、30代中心の女性たちなんだよ。
へぇ、スゴイ。
・アタマやっている子は最近コモンズから本を出した。
聞いたことある出版社。
・実はエネルギーシフトについての本。
ん? 硬そう。
・それが、専門性がありながら「お母さん版エネルギー基本計画」という感性。
しなやか、なんだね。
・プレイヤーだよ。マルシェの。
そのマネージャー?
・もっとゆっくりプレイを見てきたかったね。
ステキな人たちなんだろうね。
・彼らがそれぞれに個性を発揮していたことが、青葉区らしい、というか、、、
その「らしい」は、よくわからないんだけど、、、
・ま、そこは、俺の地元愛が過剰なのかもしれないけど。
そうでしょ。
・いや、でもね。作り手の個性を知ると、美味しさ、楽しさが倍増だよ。
そうかもね。林さんも家族で楽しそうだった。
・そうだね。家族で協力している姿、我が家とは大分チガウね。
そういうこと、言うんだ。
・いやいや。
ウチも家族で何か作って売りますか?
・悪くない話しかも、、、
いつか、どこかで、、、
・誰かと、、、
こらっ!
・俺、昔、グリーンでバザーに出ると、よく「生活がかかっている」と連発していた。
悪い冗談。
・いや、けど、林くんにとっては、まさにそうなんじゃないか。
でも、楽しさが前面に出ていた。
・そう見えたね。プレイヤーだね。
うん。どのお店も。作り手のステージのように見えた。
・(我が家の高校生の)Rちゃんが何か学んでくれたらいいなと、思うんだ。
「ちょー美味しい」を連発していたね。
・ははは。まずはそれでよかったけど、、、
けど?
・将来、彼らのような作り手の側になってくれたらウレシイ。
食べることは大好きだよね。
・みんなそれが一つの出発点になっているんじゃないか?
そう?
・Rちゃんだって、作ることも好きだよね。
うん。このあいだも勉強もしないでクッキー焼いていた。
・クッキー焼くのもまぁ勉強じゃないか?
いやいや、勉強から逃げてクッキーに走っていっている。
・ははは。ま、学校の勉強も大事だけど、、、ものづくりに向いているのかもよ。
それでも、今は勉強が大事でしょ。
・でも、農業だってけっこう好きだよね。
ニワトリ、だっこできるもんね。
・それって、けっこうスゴイことかもよ。俺、できない。
うん。
・ともかく、個性的な作り手の時代になってきている。
Rちゃん、それがわかったかなぁ?
・すぐにわからなくても、何か感じてくれたら、いいと思うな。
そうね。
・彼らの働き方、いいと思うよ。
どういうこと?
・自主独立というか、雇われて仕事を与えられているんじゃない。
でも、それって大変なことも多いでしょうね、きっと。
・そりゃね。でも、宮仕えだって大変だぞ。
そうね。でも、石ちゃん、最近、仕事力抜いてるでしょ。
・ええーっ!なんて失礼なこと!
そう見えるけど、、、
・現場で見ているわけじゃないだろ。いい感じで肩の力が抜けているんだよ。
楽しんでいる?
・楽しいことの種はまいているよ。
そうなんだ。
・いや、種まく前の準備くらいかな?
これから冬だもんね。
・春を楽しみに待っているんだよ。青葉のころを。
ならば、いいけどね。

(いしだのおじさん)

 

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