第203回 美味しい、と、それだけで

2025.7.30
いしだのおじさんの田園都市生活

我が畑のキュウリが美味しいという感想がウレシイ。

「たくさんあるとウレシイ。いろんな料理に使える」
と、まずは我が家の食卓を最優先。
毎日微妙に味が違う糠漬け、たまらん!
それに!冷や汁!朝にヤル気!

「採りたてって、中が緑なんだね」
って、ご近所さん。
ときどき野菜を届けて、ビールなどもらっちゃう。
狙い通りの?わらしべ長者パターン!

「(採り遅れて)大きくなったのも、また違った美味しさだね」
と、同僚が言ってくれた。
まだ小さいうちに採ったものも美味しい。
そう、お店では買えないサイズにも、それぞれ個性!

「子どもたちのおやつにキュウリが好評なんです」
毎週何かしら野菜を届けるようにしている、ある子ども支援の場。
カボチャのスープを喜んでくれた子たちの反応が楽しかった。
「俺、このスープ、2トンくらい欲しい」ってTちゃん。
「いらない」が最初の反応だったけど、一口食べたら「おかわりっ!」のAちゃん。

他にも、
ご近所のゴールデンレトリバー仲間、
後輩がやっている野菜とワインのお店、
などなど、
もらってくれる人にも多様性。

我が野菜を「美味しい」と言ってもらえると、それだけでシアワセ。
そう、それだけで、だ。
もちろん、自分で食べて、「美味しい」と感じて、も、シアワセ。
いや、畑で実りを手にしたとき、
いやいや、畑にいるだけで、
シアワセ。
でも、「美味しい」の声をきくことがイチバン。

若き友人がこのまえ言っていた。
「近ごろシアワセのハードルが低くなったんですよ」
ウレシソウに言っていた。
仕事で成功して、昇進して、名声を得て、収入がアップして、人よりも前に出て、、、
よりも、
家族と、笑顔で、食卓に自給野菜やご近所からのお福分け、
自給している水が、米が、卵が、美味しい、
そんなことがシアワセ。
というようなことだった。

シアワセに到達するレベルが低くなった、
と、言うが、
これはこれで、レベルの高いことのようにも思う。

我が畑、キュウリは苗を3本だけ植えた。
そのときは、家族以外の誰かに食べてもらうことはあまり考えておらず、
控えめな本数でスタートした。
そして、始めのうちの生育は思わしくなかった。
プロの農家さんが収穫を始める5月後半に、まだヒョロヒョロで、
ちゃんと実が着くのだろうかと、かなり心配した。

理由は、わかっていた。
それが、正しい分析かどうかは怪しいのだが、
去年までとチガウ栽培方法をとったことが大きいと思っている。
去年までは、
肥料をたっぷりやって、トラクターをかけて、ビニールマルチの畝を作る。
植え付けたら、トンネルをかけて、と、手をかけたのだが、
今年は、そうはしなかった。

今年度から、まず、トラクターを使わなくなった。
耕耘機も使っていない。
耕していないのだ。
「うなっていない」
その理由とか葛藤とか、は、ここでは省略。
過去に書いている。第199回、と、第188回

4月までネギを収穫した跡地に耕さずに苗を植えた。
植えて2週間くらい経っても、本当にヒョロヒョロと頼りなく、
苗屋さんに残っている苗の方が立派で、
思わず、選手交代させようかと思ったほどだった。

だが、
今は、どういうタイミングだったかは忘れたが、
ヒョロヒョロのたくっていた苗も
農家さんの収穫開始に遅れること半月くらいで勢いが出てきた。
6月後半にやっと実が着き始め、
7月になると毎日朝夕に収穫、
ここで記録など着けないのが石田なんだが、
1日に20本近く採れた日もあったかも、、、
根を張って、木を作るまでに時間がかかったということだろうか。

と、まずは、キュウリでシアワセを感じられたが、
そのとなりのナス、トマト、ピーマンなどは、
ドウモイカン。
さみしい収穫しかなく、なにより木に元気が無くて、悲しい。
やはり、初期成育への対応が悪かったように思っている。
やはり、耕すことも必要なのかも、と、心が揺れる。

しかし、土の様子を見ると、
あきらかにミミズが増えている。
ここで耕してしまったらミミズは死んでしまう。
うん、耕さずになんとかしよう。

しかし、ビニールマルチは使いたいな、、、
耕さない畑のビニールマルチはどうするか?
耕さない畑では草マルチが通常だが、
ビニールと草のハイブリッド、なんてできるかな?
オモシロいチャレンジかも。

そんなことを考えていたころ、
知り合いの農家さんから「悪いけど、ワラをもらってくれないかな」と、
いやいや、悪い話じゃないよ。
いくらでも欲しいんだから。
で、9月のお彼岸過ぎに取りに行くことになった。
2反分くらいあるそうだ。
ここ3年ほどもらっているSちゃんのところと合わせると3反以上のワラ!
を、5畝ほどの畑に投入できる!
わーい!

耕さない畑では、
外部からの投入をなるべく避けての循環を創る、
と、いうようだが、
生ごみや落ち葉などは畑で循環させて有効な資源としたい。
生ごみも落ち葉も刈り草も、、、
これらのワラも有効活用しなければジャマモノになってしまうから、、、

つづく、、、

(石田周一)