寄り道74 人に出会いたいから書く

2025.10.1
雨の日も里山三昧

このコラムで取りあげる本や映像の基準は、
そのとき、それについて、何かを書き残しておきたいと思うものである。
本を読んだり映像を見たりしながら、
その書き手や作り手が表現しようと思った動機、
逆に言えば、彼/彼女らを表現に向かわせた源泉を探りたいと思う。
彼/彼女らの表現の起点が、自分の心をも大きく揺り動かすものであるとき、
その書き手や作り手の核心に迫れたような気持ちがする。
ひとりの人間として、出会うべく人と出会えたような気がするのだ。

もちろん、この時点では、心が通えたと思う気持ちは一方通行で片思いである。
しかし、その歓びを失わないように、丁寧に言葉に乗せていくと、
おのずと文章は熱を帯びたものになるようだ。
心を込めて書いたときは、あとで自分に戻ってくることが多い。

{執筆中}

(松村正治)

雨の日も里山三昧