寄り道76 誰も傷つけない環境運動

2025.12.1
雨の日も里山三昧

ここ3年ほどの間、「環境運動のパブリックヒストリー」と題した講座を企画し、環境運動の当事者から運動史を語っていただく機会をつくってきた。
この講座の目的には、当事者の高齢化が進むなかで、当事者が生きているうちに、語りを記録に残しておくことがある。
さらに、そうした運動史を、いまの運動やこれからの運動に、どう生かせるのかを考える素材としたいとも考えている。

私の場合、大学の授業のなかで、こうした当事者の語りを学生たちに聞いてもらうことがある。
すると、思わぬ反応に出会うことがある。

たとえば、たまごの会がおこなったラディカルな有機農業運動、生協運動の証言にふれた学生は、こんなことを言う。
「国や企業を完全な敵と見なして闘っているが、彼らにも言い分があるし、全否定することには違和感がある。」

{続く}

(松村正治)

雨の日も里山三昧