第59回 田の草、畦の草
2013.8.1いしだのおじさんの田園都市生活
・右手の中指が痛いんだよ。
突き指?
・いや、ちょっとチガウ感じ?
なんでまた、そんなところ?
・それが、きょう理由がわかったんだよ。
ならば最初から言えばぁ、モッタイぶらずに。
・いや、ははは、富士登山が関係あると思う?
クイズにしなくていいから、、、
・まぁ、怒るなよ。田んぼの草取りだよ。
へぇ。
・田んぼに生えているコナギを取るときにね、ググッと泥の中から根っこを掘り出すんだよ。
それはそれは、、、
・名誉の負傷だろ。
誰もそこまで頼んでいないけどね。
・そーゆー言い方もないでしょ。
で?田んぼはきれいになったの?
・むむむ、それは、、、
このコラムの読者もいいかげん田んぼの草の話は飽きてきていると思うけど。
・そーかもしれない。ヤバいかも
まぁ、期待は薄いね。
・そこまで言わなくても、、、
もうちょっとオモシロイ話にしてよ。
・田んぼでコナギと戦って中指を名誉の負傷!
オツカレサマ。
・って、俺も初めてだし、知らない人にはオモシロいかもよ。
そうかなぁ?いっしょにやっている皆さんはどうなの?
・名誉の負傷は俺だけみたいだよ。
みんな丈夫なんだ。
・いや、テキトーに手を抜いているんじゃないか?
ダメでしょ、そんなこと言ったら。
・いや、口には出していないよ。
コラムに載ったら喋る以上でしょ。
・以前はね、「みなさん、除草剤のアリガタサがわかるでしょ」なんて、皮肉言っていた。
イヤな奴だね。
・今じゃぁ、とにかく仲良く大勢でやろうよ、って感じなんだよね。
仲良くやってください。
・ま、オモシロい話は、富士登山や山梨のプロジェクトにゆずるよ。
(フェイスブックもたまにしか更新していないけど・・・)
コラムでもしゃべったら?
・そうなんだけど、どこまで喋るかな、考えちゃうよ。
何か規制があるの?
・そういうわけじゃないけど。フェイスブックで小出しにするかなぁ。
また、モッタイブルわけ?
・富士登山は個人的なことだけどね。
田んぼだって、別に公的なことでもないでしょ。
・いやいや、田んぼこそ世界遺産だよ。
よく、わかんないけど、、、
・富士山に行く5日ほど前に山梨北杜市のパノラマの湯から富士山を見ていたんだよ。
露天風呂?
・そうだね。で、「登るんですよ」なんて話をしてね。
そう。
・TさんとKさんがいっしょでね。山梨プロジェクトが進んでいる、いい気分の湯だった。
それは、けっこう。
・他の人には、ほとんど予告はしなかった。
どうして?
・いいことは口に出すと逃げて行き、悪いことは口に出すと現実になる。
って、思っているわけ?
・ヘミングウェイだよ。確か。中学の時に読んで、刷り込まれた。
だから、富士山に登るってあまり言わなかった。
・不安があったんだよ。腰、膝、足首など
ちゃんと登れてよかったね。
・ちゃんと登れたというより、ちゃんと下れた、だよ。下りが不安だった。
ヒデ、頑張ったね。
・ヒデは下りの不安はなかったでしょ、若いんだから。
とにかく、よかったね。
・そして、来週また山梨に行くよ。
ええぇ、またぁ。
・言われると思った。
何なの?山梨プロジェクトって?
・山梨の田んぼだよ。
谷っ戸ん田だって、草で苦労して、満足にできていないのに?
・このあいだ行ったときは山梨の田んぼの畦草刈りをしてきたよ。
そうですか?
・「中山間地」っていうんだけどね、棚田のようになっていて田んぼの法面が、、、
どういうこと?
・田んぼは当然平らなんだけど、田んぼと田んぼの間が斜面で、草刈りがタイヘンなんだ。
(FBに写真があります)
その草刈りしてきた?
・たまにお邪魔するぶんには草刈りも楽しいんだよ。
へぇ?
・空気は澄んでいるし、空は青いし、アルプスも富士山も見えるし、、、
汗かいて、温泉入って、お酒が飲めるし、、、
・そうそう。
ちょうしいいというか、、、勝手というか、、、
・この楽しさを自分たちだけで味わっていてもモウシワケナイ。
な~んだか?
・いや、そうやって多くの人にかかわってもらえるようにしないと、、、
しないと、どーなるの?
・口に出すと現実になるんじゃないかと思って、怖いんだ。
でも、それじゃ、わかんないでしょ。
・山梨はとてもいいところだよ。山も田んぼも美しい。
そう。
・だけど、米作りの後継者は少ない。耕作放棄地とその予備軍がたくさんある。
うん。
・なんとかしたい。
気持ちは分かるけど、それって石ちゃんの仕事?石ちゃんにできるの?
・そう簡単ではない。
ところで、山梨ではどこか痛くなったりしなかった?
・う~ん。それが、、、
白状しなさい。
・斜面の草刈りで張り切り過ぎたか、ひじのあたりがちょっとね。痛くなった。
なんだかなぁ、、、
(本名:石田周一)