第52回 谷戸のイベント
2012.12.30いしだのおじさんの田園都市生活
・イベントではみんな楽しんでくれた?
うん、とても楽しかったという感想をたくさんもらったよ。
ステキな写真が見れるよ。
な~に谷っ戸ん田HP
ハンモックカフェHP
・盛りだくさんでしたね。
うん。収穫体験に、ハンモックカフェ、ピザ作り。そして焚火。
・スゴイよね。
ハンモックがまた雑木林に似合うんだ。
・絵になっている。ステキ!
谷戸歩きツアーでの収穫体験ってのもグッドシチュエーション。
・何をとったの?
里芋、長ネギ、カブなど、どれも立派。Tさんの野菜。
・新鮮!
その芋で汁を作り、カブはピザに使って、おいしく食べた。
・クレームはなかった?お客さんから。
うん、クレームも次の企画のためには財産だよね。
・なかった?
気になる?
・どーしても・・・
まぁ、ご招待だからね。
・そうかぁ、無料サービスにクレームは出せないかもね。
まぁ、モンクなく楽しかったんだと思うよ。
・ヒデも楽しんだ?
そりゃあ、もう。
・お友達とハンモックですごい楽しそう。
そうだね。ピザもブロッコリーとカブの味噌味ピザを作っていたよ。
・美味しそう!そういうワークショップができちゃうの、スゴイよね。
いやぁ、ハンモック隊はスゴイよ。ハミダシツーリズムさんもよかったし。
・キッチンカーもかわいいし。
豆吉っていうんだよ。
・ネーミングも美味しそう。
???
・次回は参加したいなぁ。
ヒデが意外とよく食べたのは汁だったよ。
・そうなんだ。
コウちゃんと競っておかわりしていて、最後はストップかけたよ。
・えーっ、どんな汁?
野菜がたっぷり入った芋煮。牛肉で山形風。味は塩でシンプル。
・そして、あの場所だからね。
やっぱ、谷っ戸ん田はあの場の力が大きいね。
・そこにハンモックが登場して・・・
うん、「公園じゃないから」とみなさんにクギはさしたんだけどね。
・どういうこと?
もちろん、公園にもモラルが必要で、その範囲内では自由だけど、
・うん。
あそこは農家さんの仕事場であって、公共の場ではないし、遊び場でもない。本来は。
・うん、うん。
それに、ご先祖からの代々の仕事があったからこそ、あの場がある。
・そう言われても、あまりイメージつかめないけど・・・
まぁ、一般的には体験がないもんね。
・仕方ない、かも。
農家さんが里山を維持してきた仕事は地道なもので、イベントとは対極にあるかも。
・そうかぁ。
稼げる仕事でもない。
・そう?
そうだよ。生活の維持という「仕事」であって、「稼ぎ」ではない。
・よく、そういうよね。「仕事と稼ぎ」って。
内山節という哲学者が発見したことばだよ。
・そう?哲学なんだ。
いや、そう難しい話でもない。暮らしの哲学。
・ふうん。
里山にかかわる人たちはよく引用する。
・どうして?
それは、簡単には説明できないけど・・・
・簡単に聞きたいな。
だはっ。
・谷っ戸ん田の場合は?
つまり、あの場が維持されているのは「仕事」の結果なんだよ。
・いしちゃんたちの仕事?
いやいや、さっきも言ったけど、ご先祖様たちのおかげだよ。
・ご先祖様?
あの場を使って活かして生活してきた人たちの歴史があの場をつくっている。
・わかるような、わからないような?
詳しくは、また勉強しよう。ヒデといっしょに。
・それはいいけど・・・
いいでしょ。ヒデにもわかってほしいから、折に触れて話すよ。
・でも、ヒデは今、遊んでいるだけ、って感じ?
まぁ、そうだね。遊ばせてももらえるところが、里山の奥深さじゃないかな。
・イベントの参加者にもなにかしら伝えられた?
いやぁ、どうかな?
・イベントを開催した人の力だけであの日があったわけではない。
そうだね。あの場があったからこそのイベントだったんだよね。
・そういうことでしょ。それを、伝える必要はあったでしょ。
うん。いいこと言うね。
・でしょ。
でも、まず、我々がそのことをしっかり理解する必要がある。
・理解していないの?
そういうわけじゃないけど・・・
・理解する、って難しいもんね。
そうだね。そこに暮らしているわけではないから・・・
・ふぅ。
実感を伴ってわかっているかというと、ちょっとね。
・でも、そんなこと言っていたら、なにもわからない。
そうだね。あの場が大好きで、そこにかかわっていることを、まずは大事にしたい。
・そして?
えっ、そして?って?
・「まずは」があるなら、「そして」があるでしょ。
そうだね。もっともだ。
・だから?
我々の「そして」もあるけど、今回の参加者の「そして」も気になるんだ。
・?
イベントで農作業に興味を持って、普段の活動に参加してもらえたら・・・
・そんな感じの人、いた?
うーん。興味を持ってくれた人はいたけれど・・・
・どう?
アンケートでは田植えや稲刈りをしてみたいと、それはあったけれど、ね。
・それは、「まずは」になる?
でも、田植えや稲刈りは、いわばハイライトで地道な作業ではない。
・でも、いきなり地道な作業じゃあ無理じゃない?
ははは。田の草取りをイベントにするか?
・ドン引きかも。
それでも来るという人たちと楽しむ。
・ハンモックがあれば中和されるかも。
「中和」ねぇ・・・。確かに一汗かいてハンモックで風に揺られたら最高だよ。
・それが最高って思えるのは、普段からかかわっている人じゃない?
いや、谷っ戸ん田ならただの草取りも楽しいよ。
・イベントになる?
でも、自分たちの米という感覚ではないかもね。
・そんなこと言っていたらキリがない。
そうだね。やれることをやるしかない、って、今回も言っていたんだよ。
・ま、ガンバってね。
あと、もうひとつ今回話したのは、このイベントを稼げるものにできるかも、ってこと。
・うーん?
そうなんだよ。うーん、なんだよ。「稼ぎ」じゃあないところがいいところ。
・でしょお。
でも、ボランティアだけでは持続しない。
・それもあるけど・・・
例えば、企業の福利厚生のようなこと掛け合わせて・・・
・参加者は直接お金を出すわけではない。
そう。そんなやりかたならいいかも、って思ったんだよ。
・ありかもね。
今回は結局持ち出しでご接待した形なんだけど、それをプラスにして・・・
・「稼ぎの仕事」にするわけ?
それが、結局は里山を次世代につなげていく「仕事」になる。
・どうだろう?
ま、またみんなんと考えるよ。
・ところで?
うん?
・今年は谷っ戸ん田の餅つきがなかったね。
仕方ない。イベントで疲れた。ってのはウソだけど。人手と日程の都合だよ。
・Iさんのところもなかったから、我が家で食べるお餅がないんだけどォ。
俺も餅つきをしない暮れは何年ぶりだか・・・さみしいね。
・ホント。
谷っ戸ん田は3月ごろにイベントでやる予定だよ。お節句餅。
・なんだぁ、やっぱりお楽しみ企画なのね。
まぁ、そーいうことになるね。
・それは、それで、楽しめばいいよね。
「まずは」だね。
いしだのおじさん