第51回 参勤交代
2012.11.30いしだのおじさんの田園都市生活
・山梨まで何しに行っていたの?
うん。田んぼを見てきたよ。
・えー、また、田んぼ?
うう、うん。そうだねぇ。(ヤバいか?)
・どうして、山梨?
どうして、って言われても・・・(ヤバすぎか?)
・理由無く行かないでしょ?
そうだねぇ。(答え方、気をつけなきゃ・・・)
・歯切れ悪いわね。あーあ。
なんだよ、その言い方?(マズイ、冷静に)
・事実じゃない。
そ、だけど・・・(もう、思考回路がアアア)
・・・
今ね、理由を考えているんだよ。(自分でも意味不明の発言)
・なんで、行った後から考えるの?
理由を探しに行って来たんだよ。(いやぁ、もうヤケクソ)
・わからない。
まぁ、ご縁があって、田んぼを見て、ね。「やりましょう」と声をかけられて、ね。
・山梨まで行かなくても・・・
そう、横浜にも田んぼはたくさんある。
・じゃ、なんで?
たくさんかもしれないけど、市民全員が食べる米ができるわけじゃぁない。
・ますます、わかんない。なんで、そんなこと考えるの?
今、日本は自分たちが食べるものをちゃんと自分たちで作っていない。
・ええ、日本がどうのこうのまで話しが広がるの?
うーん
・いつもは「日本のナニナニ」って、話は好きじゃない、って言っているじゃない。
ま、そうだけど・・・
・でしょ。
だけどぉ・・・
・・・(不満顔)
谷っ戸ん田で自分たちの食べる米の一部は作っているけど、もっと、ね。
・考えているわけ?谷っ戸ん田だって、ふぅふぅ言いながらやっているのに・・・
やる、やらない、は、ともかく。理屈を考えているんだよ。
・理屈がないと動けない?
まぁ、最近はソントクも考えるようになっているけど・・・
・アタリマエでしょ、そんなの。やって損することをやるのは、おかしいから。
いや、ソンかトクかは、すぐには判らないだろ。
・すぐにトクじゃなかったらソンでしょ。
うーん、そういう考え方もあるね。
・で、山梨の田んぼはどうなの?
1反50万円だって。どう?
・ええっ?それって、安いの?
横浜ではその30倍はするよ。
・でも、買って持ってくるわけにはいかないよね。
そうだね。でも、人間が引っ越すことはできるよね。
・できるといえば、できるかもしれないけど・・・
1反の田んぼでできるコメは10万円分くらいなんだよ。
・じゃ、5年で元が取れる?
うーん、どういう計算すればいいかワカラナイけどね。
・農業をするなら横浜よりはいい?
うーん、それもどういう比較をするのかワカラナイね。
・で、どうするの?
そうだな、参勤交代かな?
・また、ワカラナイこというのね?
いや、どっちがどっちかわからないけど、居場所働き場所がチェンジできる、と考える。
・別荘?
そうともいうかな?
・50万だったらすぐに売れちゃうんじゃない?
ところがどっこい。
・そうか!
そうだよ。えっ?なに?
・買っても田んぼをつくれなきゃ意味が無いんだね。
そういうことだ。
・売る人はつくれなくなるから売る?
まさに、そういうことだ。これが国レベルだったらたいへんだよ。
・どこかの国みたい。
そういうことだ。
・・・
今回訪ねたところの人も言っていたよ、「自給率40%は国とは言えない」って。
・そう?
尖閣だなんだって南のほうでツマラン争いをしている場合じゃない、と。
・どういうこと?
南の領土も大事だけど、田んぼがどんどん荒れてるのは、どーすんの、ってことだよね。
・しかし、いしちゃん、毎回同じようなこと言っているね。
ごめんね。状況が同じだからね。
・山梨に話を戻して、つまり、どーするわけ?
うーん。
・やりましょう、って、言ってもらってるんだから。
うん。
・行って、やれば?
はっ?
・行けばいいじゃん。
俺を追い出そうとしている?
・そうじゃなくて、チャレンジ。
うう、ことば巧みに追い出そうとしている?
・ははは。
たぶん、来年度はトッカカリという感じだと思うよ。
・どういうこと?
ちょっとお手伝いをさせてもらうというか・・・
・田植えだけ、とか?
そうだねぇ・・・。初めての仲間たちを連れて行くことになるだろうから。
・谷っ戸ん田はどうするの?
山梨はね、平日に仕事として行くと思うから。
・じゃ、谷っ戸ん田は谷っ戸ん田?
まぁ、来年のことはワカラナイよ。谷っ戸ん田の仲間も山梨に誘えるといいと思うんだ。
・田んぼばっかになる?
いや、どうかな?
・若い人は?
山梨にはいくつか若者が頑張っている農業団体もあるんだよ。
・新しい出会いがあるといいね。
そうだね。
・頑張ってね。
気負わずにやるよ。(ヤルと決めたわけじゃない、けど、そうは言わないで・・・)
いしだのおじさん