第195回 あおばみらいのう(な~に谷っ戸ん田の話 その3)

2024.11.29
いしだのおじさんの田園都市生活

な~に谷っ戸ん田でコーディネーターを務めた、その人に、インタビュー!
語ってもらった。(特別企画です!???)

「俺、まずは、自分自身、好きな田んぼをやりたかった、んだよね」
(彼には、仕事で関わっていた田んぼを後輩に任せることになったという事情があった)
「食卓にのせる米を、自分で作って、日々ニンマリしたい、って思って」
(自給に憧れていたが、仕事の田んぼは、自分の米を作る田んぼではなかった)
「でも、1反(1000㎡)の田んぼを作れば、自分が食べる何倍もの米ができるわけで、さ」
(田んぼは、(市民菜園みたいに)30㎡とか、そういう単位ではできないわけで)

「ならば、仲間を誘って、いっしょに田んぼをやったら、って思ったんだよね」
(彼は、何ごともシェアすることで豊かになれる、と、考えるたちのようで)
「それに、田んぼの楽しさを実感すれば、田んぼ好き、農好きが増えるんじゃないか」
(そう簡単にいくとも思えないが、あくまで楽観的に考える人のようで)
「そこのところが、俺のライフワークで、ね。」
(仕事の意味に多様性があるようで)
「そうすれば、このまち青葉区の田園風景を次世代に渡せると、そんなことも考えたね」
(「未来へ引き継ぐ農のあるまち」2008という青葉区の取り組みに参加した経験もあった)
「まぁ、構想というより、妄想だよね。考えすぎなかったことで、できたのかもね」
(基本、ふだんはグズグズした男のようだが、ときに突破者になることもあるようで、、、)

「共同耕作の田んぼ、と言えば、栽培収穫体験ファーム、だろう、って考えた」
(ちゃんと、横浜市の制度に沿った活動を、と、仕事柄というか立場上考えた)
「田んぼを使わせてくれて、指導をしてくれる農家さん、???うん、Tさんに頼もう」
(田んぼにも農家さんにも縁がある仕事上の付き合いを最大限に利用?)
「Tさんに頼むつもりとは言ったけど、気軽な付き合いというより、ちょっと怖い人だよ」
(農家さんはみな、どこか一匹狼的だし、地縁血縁が強く、近づき難い部分もある)
「でもね、地域のお寺さんや市の担当者との付き合いもあったからね」
(仕事上の付き合いも使えるだけ使って、と、)

「Tさんにね、やるなら遊び半分で中途半端な人は困るよ、って釘を刺されたよ」
(素人には楽しみが必要なんだけど、田んぼは農家には仕事場だから、そこはね)
「真面目にやってくれるメンバーを集めます、って、約束したよ」
(本人があまり真面目な人物ではないのに、、、)
「田んぼは1反5畝となったんで、12人(組)を集めることとしたんだ」
(1区画125㎡は1人の年間消費量1俵60㎏を生産する面積)
「もともとの知り合いとその紹介のみで、なんとか12組を集めたよ」
(彼としても、不特定多数に声をかけるという勇気はなかった、とのこと)
「ちょっと苦労したけどね。でも、いいメンバーが集まったよ」
(地域のつながり、仕事のつながり、社会活動つながり(?)の仲間もいたとか)

「キックオフということで、4月の初めに、田起こしをしたんだ」
「まず、みんなが集まり、田んぼで身体を動かす、これが、とても良かった」
「現場に立つ、って、基本。初めて田んぼに踏み入れた人には、スイッチ、オン、だったね」
(活動の様子は、ホームページで見ることができる)
「また、その田んぼが、青葉区のある谷戸にあって、その囲まれ感が、なんともいいんだよ」
(谷戸の田んぼは、生産性は低い。が、居場所としては、とても良い)
「周囲に雑木林があって、ホタルのいる小川がある。木陰があるのもありがたい」
(彼は、この谷戸の保全活動にかかわる市民グループにも所属していて、馴染みがあった)

「作業スケジュールは、Tさんの他の田んぼに合わせてやって、必然的に手伝いにもなる」
「例えば、苗なら、自分たちのは30枚ほどだけど、200枚以上をまいてハウスに並べる」
(Tさんに、何かしらメリットが無いと、って、いう、思いは大きかったようで)
(どうやって、この人たちを上手く使うかと、、、おじさんは考えていた、とか、、、)
(でもね)
「お世話になっているから手伝うというより、もう作業自体が楽しくて楽しくて」
「自然と身体が動いて、笑顔になって、ホント、好循環だったよね」

「俺もさ、田んぼに関しては、多少の経験はあったんだけど、学ぶことが多くてね」
(プロ中のプロであるTさん、教えてくれないけど、盗む、みたいな)
「プロと素人を結ぶ中間管理職みたいなストレスもあったけどね、、、」
(職業ではないんだけど仕事、そんな意識だったようです)
「Tさんもね、間を取り持つヤツがいなけりゃ無理だよね、とは言ってくれたけどね」
(あまり褒めてもらえなかったけど、まぁ、と、ニヤニヤ)

「特にね、1年目は、毎回がとても楽しかったね」
(作っていくときは、楽しくて、守っていくときは、ちょっとツライ、が、世の常、だとか)
「俺は40代で、20代の若者グループもいたし、60過ぎの俺の中学の先生とか」
(いろんな年代の、いろんなキャラがいて、それが自然と仲良くなって、ですか?)
「うん、谷戸の田んぼは、特に人を結び付ける力が強いようだったね」
(ハンモックカフェ?キッチンカー?そんなことまでしていたんですか?)
「いやぁ、あれは、ホントよかったよ。今でこそキッチンカーは珍しくないけど」
(美味しそうな写真がいっぱいありますね。作業の記録写真も豊富)
「毎回、持ち回りで作業の記録をつけて、担当者がホームページに写真とアップしていたね」
(記録、って、大事ですよね。そこをしっかりやっているのは、スゴイなぁ)

(ところで、7年で幕を閉じたな~に谷っ戸ん田。再開は?)
「うん。田んぼは、今、また、特に、やりたいけど、、、あのコーディネートは、、、」
「もっと小さなグループだったら、な。1反を5人くらいで、本気な人のみ、とか、、、」
「でも、それをやるにしても、、、う~ん、でも、やりたいなぁ、市民が耕す田んぼ!」
(おじさん、は、悩んでいる、ようです)

(タイトルに悩んだ、、、おじさん:石田周一)

いしだのおじさんの田園都市生活