第26回 枝豆
2010.11.2いしだのおじさんの田園都市生活
10月9日、枝豆が収穫できたので、友人に届けた。
「今ごろ、枝豆がとれるんだぁ」と驚いていた。
彼女が「今ごろ」と言ったのは、「初夏ではなくて」という意味だろう。
「今の枝豆が本当の枝豆なんだよ」と私。
「えっ???」
枝豆に本当もウソもあるのか?
実は今年、本来はお彼岸のころにとれるはずの枝豆が遅れた。
お彼岸のころに大豆の鞘がふくらんでこないので、大いに心配した。
大豆はときに草丈は大きくなり葉も繁るが実が入らないことがある。
「木ぼけ」という。
肥しや天候などの加減だろう。
今年の遅れは猛暑と乾燥の影響だろうか。
だが、この半月遅れを「今ごろ」という人間はそうはいないだろう。
みなさん、枝豆の旬は初夏だと思っているのだろう。
だが、『歳時記』でも、「枝豆」は秋の季語だ。
中秋の名月を「豆名月」と言い、
枝豆を「月見豆」と言うこともあるそうだ。
枝豆は大豆を未成熟なうちに食べるものだ。
本来は。
世界中に大豆はあるが、この食べ方は日本独自のものらしい。
英語ではグリーンソイビーンズといい、最近人気があるらしい。
大事な日本文化というところか?
初夏の味だと思われている枝豆。
初夏の枝豆をそのまま成熟させたら大豆になるかというと・・・
(やったことがないからわからない、が・・・)
初夏に食べる枝豆はそうやって食べるための専用品種であり、
もう大豆とは別の野菜と言えるかもしれない。
実際、枝豆と大豆の関係を知らない人も多い。
「枝豆は湯を沸かしてから畑に行け」というそうだ。
新鮮であればあるだけ美味しい。
甘い!
と、枝豆を味わってもう半月以上。
気温が下がり、大豆は色づき始めている。
(いしだのおじさん)