石田のおじさんの田園都市生活

第20回 定点観察を振り返る

2010.4.28
いしだのおじさんの田園都市生活

昨年度、「ひねもす里山」に「定点観察」というタイトルで、
10回ほどの投稿をした。

実際は、この里山で「ひねもす」ということはなく、
「通勤途中の里山」である。

車で家を出て5分と少し、
職場まであと数分という場所だ。
8時少し前に通り過ぎることが多い。

なるべく天気のいい日に、
急いでいる気持ちをおさめ、道路脇に車を停めて、
カメラを構え、何回かシャッターを切る。

カメラを構えている時間は3分もない。
しかし、車から降りて風景を切り取り、
それを皆さんに届けて共有する。
そのことによって、
里山にもみなさんにも近づけたように思う。

振り返ってみよう。

6/2 田植えから数日

7/16 稲の生長、その力

9/3 苗が生長し、稲穂に

10/1 色づく稲穂、そして稲刈り

12/1 色づく雑木林

1/3 落葉の雑木林

2/3 白く染まった

2/18 真っ白く染まった

3/31 芽吹く雑木林

4/15 新緑が眩しい

定点に立ち、
季節の移り変わりを見ると、
里山の豊かさがわかる。
田んぼの稲の生長を中心に映したが、
いずれ、雑木林の輪廻転生も見ることができた。

本音を言えば、
PCの画面で共有するより、
実際に里山を歩いたり、
できれば、田んぼや雑木林にかかわりたい。
そんな場所ではある。

ここを航空写真で見れば、
住宅街にぽっかりと緑があり、まるで孤島のようだ。
それを「都会に残る(貴重な)緑(里山、自然)」と表現するか、
あるいは、「街が緑(農村)に攻め込み食い荒らした残り」と見るか。
はたまた、何も感じないか・・・

そもそも、周辺の街に住むみなさんの多くは、
かつての私もそうだったが、
都会への往き帰りの生活をしており、ここを意識していないのではないか。

この田畑を耕作している方たちの何人かを存じ上げているが、
耕作を継承してくれる後継者を知らない。
雑木林はうっそうと繁るばかりで、実は荒れている。
不動産会社が持っている部分もある。
不動産会社に限らず「開発」を待っている人もいるだろう。

私はここの近くにある県立高校の評議員を仰せつかっていて、
高校生と田畑や雑木林にかかわれないかと夢想している。
実際は、あちこちに手を出しすぎてテイッパイだし、
高校のほうではどう考えているのか???
しかし、夢想は大事にしながら通勤している。

22年度は別の定点から里山を見ていこうかと考えている。

(いしだのおじさん)
20歳のころからオジサンと呼ばれています。
まだ、40代ですし、青年のつもりでいます。