神奈川・緑の劇場 vol.25

2023.7.30
神奈川・緑の劇場

間もなく牛乳不足の9月がやってくるけれど・・・・。

食糧自給率は?最新の2022年の数字が発表になる。おそらく、自給率は向上する。政府の農業食糧政策の成果だろうか?とんでもない。輸入が減っただけだ。様々な物価高になっても、政治を担う人々、経済界をリードする人々には、いたくも痒くもない。あの第二次世界大戦のさなかにあってすら、軍部中枢も含めて困ることのない暮らしをおくっていた。所得の少ない者、社会の底辺で暮らす者ほど、正しい情報に耳を澄まし、目を凝らし、誤魔化され、扇動させられることに注意しなければならないのだ。同時に、思いを同じくする者の繋がりを強めて、大きな権力に対峙していかなければならない。

では、どこから正しい情報をとればいいのだろうか?

今は、SNSから、情報をキャッチする人が増えているようだが、情報の信ぴょう性にも注意が必要で、懐疑的な内容も少なくないようだ。

まずは、“おだやかな”情報源として日本農業新聞をおすすめしたい。

日本農業新聞はJAの日刊機関紙だが、近年の記事は、農業関係者だけが購読するのではもったいない記事が多い。日本の農業・食糧に関心を寄せる皆さんには、ぜひ購読していただきたいと思う。

7月25日付を見てみると、人気の一面コラムは、清少納言の枕草子から書き起こし、“にくきもの”蚊の話に転じる。年間72万5000人の命が蚊によって奪われているという。人間が人間の命を奪うより1.5倍多い、とか。それも、どうかと思うが。

季節を詠む「名歌と名句」も農業者ならではの味わいがある作品が楽しみだ。神奈川や近郊の生産者の様子を知らせる話題、特に最近は、若い新規就農者の紹介記事に励まされる。足柄茶の品評会と今年の作柄の記事にも目がいった。親子の農業体験や農産物を加工した新商品情報もある。農産物の市況が高めか、安めに推移しているか、の情報は物価高の昨今、おおいに参考にしたい。

そして、「食糧危機のメカニズム」=米国が起こした人災=として、論客、鈴木宜弘東京大学大学院教授の農業政策批判が掲載されている。思わず切り取って飾っておきたくなるような、素晴らしいカラー写真(自然たっぷりの中で豊かな人々の表情や、案山子やわら細工、農の生け花も見事だ。)も、農業新聞ならではだと思う。

身近な新聞販売店でも配達してくれるし(月2623円)、電子版でも購読できる。(2408円))ぜひ、お試しください。「日本農業新聞(検索)」

(2023年7月25日記 三好 豊)

・京都で振り売り(伝統的な農産物の移動販売)をする角谷香織さん→★★
・日本の農産物流通に3つの提案 神奈川野菜を届けて36年 三好 豊→■■

三好 豊(みよしゆたか)

“50年未来づくりプロジェクト”を提唱します。
“もりびと”が木を植えて育てるように、子どもたちが社会の真ん中で活躍する時代のために、今日できることを一つずつ。老いも若きも一緒になって50年のちの日本の景色を想い描きたい。
1954年に生まれ父親の転勤により各地で育ちました。 1975年10月、杉並区阿佐ヶ谷南の劇団展望に入団。1982年退団して横浜に戻り演劇活動に参加してきました。1987年5月、(有)神奈川農畜産物供給センターに入職し、県内各地、各部門の生産者に指導を受けることができました。2004年に退職し「神奈川・緑の劇場」と称して県内生産者限定の野菜の移動販売を始めました。NPO法人よこはま里山研究所・NORAの支援はたいへんに大きく、これからも都市の暮らしに里山を活かす活動の一環として生産者との関わりを大切にしたいと考えています。また(株)ファボリとその仲間たちとの繋がりには、心躍るものが生まれています。