
神奈川・緑の劇場 vol.46
2025.4.30神奈川・緑の劇場
=食糧自給率向上は、すでに手遅れ。時代遅れ!自給率よりも耕作率100%を目指すべき!=
その一
10年以上前から周囲に言ってきたことです。日本農業の崩壊への無関心、食糧不足への危機感の無さに苛立っていました。
『生産者が日本からどんどんいなくなっていって、町の人たちはこれから先、何を食べるんかねえ?』
生産者のことばが聞かれるようになって20年以上になります。
今、ようやく多くの人が心配になってきたのでしょうか?
米は高騰し、生鮮野菜も高値が続き、加工食品も軒並み値上げで、やっと心配しはじめた人が増えてきたのでしょうか?
4月29日現在、米の店頭価格の高騰は続いています。それでも、まだ買えています。買えているうちは、多くの人々は行動しません。所得の高い人ほど食糧危機は人ごとです。
トランプ大統領に脅されて自動車を中心にアメリカへの輸出品に高関税をかけられては〝農業よりも大切な〟国内産業が困ることになると、アメリカが要求す
る、米・トウモロコシ・大豆・肉・・さっそく輸入拡大を検討しはじめたとの報道です。
一方で、安くてそこそこおいしくて、安定して手に入るならば輸入でいい、国産にこだわることはない、と皆さん思い始めている?
ところが、高額所得者ほど、国内産のブランド品を買い『日本農業に貢献している』し、低所得者ほど産地にこだわってなどいられません。
世界の富裕層が日本産を買う時代が来ると言ってから、やはり20年以上が経ちました。
子ども食堂が日本全体で10500箇所、中学校の数を越えたといいます。
所得に余裕のある人からは『そんなに食べられない子どもがいるなんて信じられない。』との声が聞かれます。給食の無い春夏冬の休みになると食べるものに困る子どもたちがいることなど想像もつかないでしょう。
今、時代は激変期に入ったようです。一年どころか、一ヶ月後、1週間後、一日先もどんな大変なことが起こるのか、濃い霧がかかった
ように見通せません。
そんな時でも、自然のありようは、気候変動の影響を受けながらも一日一日緑は茂り花は咲き集い、生き物たちの営みも盛んです。
自然と共に暮らす生産者は夏野菜の手入れと、神奈川では田植えの準備に忙しい季節です。
表記のタイトルで、コツコツと書いていきたいと思います。
(2025年4月29日記三好豊)
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=5月3日は、1947年に日本国憲法が施行された日です。=
私たちの日々の暮らしは日本国憲法に守られ、支えられてきたと思います。
私にとって大切な友人たち。その中の、若い夫婦に、この春、二人目の子どもが誕生しました。男の子です。上には、8月に3歳になる、お姉ちゃんがいます。
私に孫はいませんが、すでに孫と言うにはさらに若い子どもたちの誕生に、彼らの未来が少しでも生きやすい平和な世の中であって欲しいと心から願います。
そのために、生きている限りを尽くして、少しでも出来ることをと 思うのです。
=日本国憲法は、子どもたちの未来を支えてくれています。=
私の父や母が生まれて100年前後がたちました。100年なんて途方もなく長い年月、と思っていましたが、自分が70歳を越え て見れば、わずかな年月、瞬く間の月日だったと思います。
それでも、この100年の世の中の激変、特に父母の前半生と後半生の激動はすさまじく、今、どんなに絶望的に感じられることも、希望を失わなければ変えられると思うのです。
それも、語り尽くせない戦争による多大な犠牲と、平和を求め、自由と人権を求めた先人たちの闘いの上に生まれた、大切な日本国憲法があればこそです。
=戦後80年の節目の年に日本国憲法を学び直してみたいと思います。=
日本国民は未来に向かって、〝恒久の平和を祈願し、~平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。〟(前文)〝日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。〟〝~陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。〟(第九条)〝思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。〟(第一九条)〝集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。〟(第二一条)〝学問の自由は、これを保障する。〟(第二三条)〝すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。~〟(第二五条)
日本国憲法を誠実に守り、国民の健康と福祉に貢献する政府を、子どもたちの未来につくるのは、今を生きる大人たちの仕事です。
(2025年4月29日記三好豊)
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機能強化緊急募金
目標の3倍以上・=三千万円に到達=
農民運動全国連合会(農民連)食品分析センターは、生産者と消費者の、安全・安心な食料・環境を求める願いから、日本で唯一の、募金で生まれた食品分析施設です。
設立して35年余りが経過し、経年劣化して検査能力が低下した分析装置、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)更新のため、昨年11月から「機能強化のための緊急募金」を呼びかけてきました。
所長の八田純人氏は、目標を大幅に超える募金と共に添えられたたくさんのメッセージに、ジンと胸を打たれたと言います。施設への信頼と期待にスタッフ一同元気をいただいたとのことです。
農薬・遺伝子組み換え・有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)などの調査では、以前を上回る検査能力が可能になる見込みです。
農民連食品分析センターの活用をお願いし、PFAS汚染の実態を明らかにする検査運動を呼びかけています。受け入れ可能な試料は水、土、汚泥肥料、農産物です。試料の採取方法や料金など、詳しくは農民連食品分析センター℡03(5926)5131までご相談下さい。
農民運動全国連合会(農民連)発行の週刊機関紙『農民』=食と農を守る共同を=の購読をおすすめします。
毎週月曜日発行・定価月550円(送料別)
全国の生産者と消費者の共同の様子を知りながら、運動へのご支援をお願いします。
℡03(5966)2224
fax03(5966)2226
サイトはこちらから→★
・京都で振り売り(伝統的な農産物の移動販売)をする角谷香織さん→★★
・日本の農産物流通に3つの提案 神奈川野菜を届けて36年 三好 豊→■■三好 豊(みよしゆたか)
“50年未来づくりプロジェクト”を提唱します。
“もりびと”が木を植えて育てるように、子どもたちが社会の真ん中で活躍する時代のために、今日できることを一つずつ。老いも若きも一緒になって50年のちの日本の景色を想い描きたい。
1954年に生まれ父親の転勤により各地で育ちました。 1975年10月、杉並区阿佐ヶ谷南の劇団展望に入団。1982年退団して横浜に戻り演劇活動に参加してきました。1987年5月、(有)神奈川農畜産物供給センターに入職し、県内各地、各部門の生産者に指導を受けることができました。2004年に退職し「神奈川・緑の劇場」と称して県内生産者限定の野菜の移動販売を始めました(現在終了)。NPO法人よこはま里山研究所・NORAの支援はたいへんに大きく、これからも都市の暮らしに里山を活かす活動の一環として生産者との関わりを大切にしたいと考えています。また(株)ファボリとその仲間たちとの繋がりには、心躍るものが生まれています。