神奈川・緑の劇場 vol.41
2024.11.30神奈川・緑の劇場
=野菜市は、これからの時代にこそ役にたてただろうか?=
2024年が暮れていきます。人工透析の生活になって2月で1年になります。
はまどまの近くを歩いていると、野菜市にいつも来てくださった方にお会いします。
お名前は存じあげません。いつも一緒のワンちゃんの名前で声をかけるのです。
『あら!野菜市はもうやらないの?』と言っていただくのですが、歩くのもやっとに
急激に衰えてしまい、もう県内を100キロ以上生産者を回って集荷するなどできません。
『おじさんが来てくれないと野菜難民よ!』
何人もの方々から、『野菜市はやらないの?』と言っていただきます。
=体が元気でも、野菜市はできただろうか?=
2024年、ついに神奈川も豪雨が襲い県西部では農地に大きな被害が出ました。
県内の生産者限定にこだわって、ワゴン車で、自力で集荷した野菜市では、
生産者の生産力も、集荷力も限界だったのではないかと、厳しさをます猛暑の夏に
思ったのです。
食べものをめぐる情勢は、隠しようもなく深刻です。日本だけではなく地球規模で。
隠しようもなく、と言うのは、深刻な事態に陥っていることをひたすら隠そうと
しているようにしか思えないからです。なぜ本当のことをメディアは伝えないのか?
食べものの問題、飢餓からは、国の政策を決めている支配層、富裕層、利権で私腹を
肥やす人々は無縁です。
『国民に寄り添い』とか『国民の安全・安心を第一に』とか、きれいな言葉を並べる
けれど、一食何十万円もかけることが出来る人たちです。ならば、なぜ今日のキャベツは
1個500円を越えているのか?
NHKの番組でついに本当のことの一端が漏れ出ました。
『もう安い時代には戻らないと思ったほうがいい。』
そうです。1個500円以上のキャベツを買える人たちが買えばいい時代になるということです。
生産者からすれば、500円で1個のキャベツがあればどれだけ食べられる?が本音です。
家庭菜園ならば?自分の労力を考えたなら?500円では作れないでしょう。
高齢化、人口減少、さらに農林水産業予算削減。
20年前、野菜市を始めたころに、後継者として農業を始めたけれど、将来を不安視する青年に
言いました。
『日本の未来は農業が大事だよ。今は輸出などわずかだが先々は日本の農産物を
世界の富裕層が買う時代になる。そして日本人は海外からの輸入品しか買えなくなる。』
どうやら、輸入品も買えなくなりそうです。
(2024年11月30日記 三好豊)