第75回 私たちにとって一等地、いのちの不思議であふれている場所
2023.5.1映像の持つ力
- ここは静かで畑をやり暮らすにはいい場所だよ
小さな森のある畑がある地域は、私たちにとって一等地。
畑では、あらゆる生きものが、たえまなく変化し、成長・繁殖を繰り返し、生まれ続けます。
ここ数年は、生物相をも加速度的にかわり、“ いのちの不思議 ” であふれています。
どこから来たの? 先日、植えていない、ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)の花が、イチゴの脇で群生しているのを発見しました。
生物時計はよくできていますね。
誰に教えられたわけでもないのに、生きもの種ごとに設計された生命サイクルに合わせて、季節を追い、備えられたシステムで栄養を確保し、からだを成長させます。
環境が整うと、生殖成長に入り、種やクローンで次世代へいのちを繋いでゆきます。
他の生き物の食べ物になることも含めて、全てがその生を全うします。
落葉の果樹は、秋のおわりに葉を落とすとただの枯れ木にみえますが、枝に冬芽をつけます。春になると寒い時期につけた、その芽が、花や葉や枝を芽吹かせます。
「良い枝っぷりになったね」
ご近所の方が声をかけてくださいました。
小さな森のある畑で始めに植えた、スモモの木です。
この一年でめざましく成長し、わたしたち二人が並び、涼しい風を感じながら、畑をながめられるほどの、木陰をつくってくれます。
いつも、畑や田んぼで過ごす時間は、
タネひとつに込められた、いのちの不思議さに感心がつきません。
捕食の関係で成り立つ生態系のバランスをつくりだしている自然の法則に圧倒されます。
豊作のしるし
良い枝っぷりになスモモ。今年はふくろみ病が少ないよう。
スモモ、ポポー、サクランボ、梅。
ブドウは全ての新梢に房が付いています。
アンズは去年より少な目です。
擬態する生きもの
スモモの木にカエル、カボスの木にカニグモ。
庭梅の木には、コガネグモが成長中。
だんだん黒味を帯び、コガネグモらしくなってきました。
しっかりお腹に三本の黒帯があります。
幼体のときから、網にX字の隠れ帯をつけるのね。
春の夜に鳴き声が・・、クビキリギリス、それとも?!
3月、うちの小さな森のある畑で、成虫で越冬したバッタを発見。
3月のコラムでは、触覚が短いからクビキリギリスではなく、ショウリョウバッタかと推察しました。
(3月のコラム)
4月の末、17時と18時のあいだ頃に、何匹もの虫の声が聞こえてきます。
春の夜に鳴くバッタは、キリギリス科のクビキリギリスかシブイロカヤキリ。
カヤキリは夏の夜に鳴くから違う。
そうすると、3月にわたしが冬眠から起こしてしまったのは、クビキリギリスだったのかしら?
どうやら、鳴いていたのは、シブイロカヤキリのようです。
理由は、顎が赤くないから。
この日は、数匹の虫が鳴いているから、クビキリギリスもいるのかしら?。
手作りの幸せ
◎ 漬けものマラソン
黄金かぼすの、塩(黄)麹づけ
うちの畑で採れたカボスを使った自家製塩麹に、大根や蕪を漬け込みました。
大根・カブの、塩(黒)麹づけ
の黒麹で塩麹を仕込み、大根や蕪を漬け込みました。
あやめ雪カブ(ムラサキカブ)の甘酢づけ
紫色を生かしたいから、甘酢漬けに。
蕪の白さも生かしたいところでしたが、お酢は八百津の内堀醸造の黒酢を使いました。
塩納豆&塩豆腐のディップ
塩で漬けた納豆と豆腐のディップ、スプレッド。
あやめ雪カブ(ムラサキカブ)と黄蕪の浅漬け
4月でも初夏の暑さ。漬物を室内で仕込むには暑すぎますネ。
はじめは、久松の甕で漬け、塩がまわり水があがったら冷蔵庫で熟成を待ちます。
漬物マラソンはどんどん続きます。
◎ うちのヨモギ入り玄そば茶。
隣町でつくられてい蕎麦のお茶。ストレートそば茶も美味しい。
さらに、うちのヨモギを加えると、適度な渋さがありながら、ソバのぬめり成分のお陰でのど越しなめらかに頂けます。
奇跡の落花生
一株だけ収穫できた落花生。お蔭さまで、今年も落花生の種が蒔けます。
昨年、収穫が一週間、遅れたら、作付けした落花生の1株以外、すべてネズミ(食べ方から予想)に食べられてしまいました。ネズミとっては満腹の5日間を過ごしたことでしょう。
まいっか、今年も種が蒔けるのだから。
さて、ゴールデンウイークに向け、稲に野菜に、種下ろしの準備が整いました。
(中川美帆)