第92回 種が秘めている命の生活史、その不思議

2024.10.1
映像の持つ力

田んぼ全体をうめつくす一本植の稲

手で植えてるの?!
お近くを通る農家の方から声がかかる。
(わぁ、気にかけてくださり嬉しい)

田んぼの立地は、機械でお米を作っている方々が隣接する田園地帯。
うちの田んぼは、手で植えた1本植えの稲が全体を埋め尽くしている。

分けつした稲の葉がワサワサ風に揺れるさまから、根がしっかり活着していることがわかります。

品種は、15年もの間、自家採取で繋いでいる品種を含め、
チベット黒米、朝日、初霜、緑米、紅染の5種を、田んぼで苗代をつくり植え付けました。

田んぼの縁は、L字に赤く色づいた神丹穂がゆらめきます。まるで門番のように。

そうでした、この神丹穂は、苗代はせずに、ばら撒きしたもの。
なんとたくましいことか、門番に相応しいわけだ。
元をたどれば、植えてないのに自然に生えてきたのです。

いずれにしても、この田んぼは、肥料はあげてない、耕してもいない、50年間もの耕作放棄の田んぼ。よく育ってくれています。

 

種の持つ秘めた力 復活と自力の芽生え

私たちの、小さな森のある畑では、果樹が目を見張る成長です。
そのいつもと違う成長の動きを見せられて、むむむ太陽フレアに感応したのでは?と考えてしまうほど。

果樹の各ポイントで木がつながり、木陰の間がいくつか出来てしまうほど。

今年は、5月に猛暑日がありましたが、雨も降ったおかげで、オクラが復活!!。
初めはゆっくり成長。そして9月になるとオクラの森ができるほど。

高温で雨が多いと、畑の草も容赦なくかさを増します。
繁茂の勢いは目を疑うほど。今まで一週間で感じた勢いの変化が、今年は一日で感じたほど。

うちの畑の地中に積み重なった、生きものたちの生活史。すごいなぁ。

(中川美帆)

映像の持つ力