第74回 丸太に水やり?

2023.4.1
映像の持つ力

うちの花見は、畑の梅観会が始まりです。

百花繚乱。三月に入り春の芽吹きがとまりません。

蕗の薹、ヨモギ、オオイヌノフグリ、アンズ、スモモ、スミレ、タンポポ、グミ。
近くの土手は一面に自生した菜の花が摘み頃です。

三月の中頃になると、花が散ったあとの梅に小さな実が膨らみ始めます。
いよいよスギナの出番。
気づくと、あちこちに緑色の胞子を溜めたツクシが、にょきにょき頭を出している。

あぁ、よかった。春本番前にキノコの準備を終えておいて。
丸太に水やり・・? これは原木栽培中のヨモギタケ。
種駒を打った榾木(ほだぎ)に、水やりをしているところです。
仮伏せのあと、畑の樹下に移し本伏せに入ります。

一雨ごとに春が近づくと言われますが、
うちの畑は一雨ごとに草色が濃くなり、いつの間にか畑一面を草が覆いました。

 

グミの花の蕾

 

今、植わっているのは、玉ねぎ。
・・だけ?

玉ねぎだけなんです。

今年は、そら豆やサヤエンドウやひよこ豆を植えなかったから。
植えた野菜は玉ねぎだけ。

それでも、畑は、イチゴ、シマチシャ、ゴボウ、ニラ、島ラッキョウ
ヨモギ、ツクシ、スギナ、ヘビイチゴ、タンポポなど、野草や薬草がいっぱい育っています。

何が植わっている?と聞かれ、正確に答えると玉ねぎだけ。
そして話には続きがあります。
うちの小さな森のある畑の春は、植えてない・種まきしてないけれど、勝手に育っている植物で、いっぱいなのです。

 

今春は新しい自生種を発見。
イチゴの隣の畝で、ランのような花が覆っています。
調べてみるとムラサキサギゴケの花でした。

こぼれ種から植物自身が芽を出す。わたしたちが手を入れることは、植え替えをする程度。
もちろん肥料もいれていないのに、よく育ちます。

コガネグモの幼体は、果樹や丈のある植物に、小さな小さな糸を張っています。

数日雨が続いたあとに、数年前に伏せたほだき(榾木)から、椎茸が開きました。
地中では、ミョウガ、待っています。

 

生きものそれぞが生態にあわせてぞんぶんに活動する。
わたしたちの小さな森のある畑の理想です。

 

三月末になると、果樹は、グミの木や庭梅が満開、ポポーの花は枝じゅうで鈴なりです。
姫リンゴも花を咲かせました。
ブドウは次々と新芽が出ています。

(中川美帆)

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