第70回 トンボが去った後はモズの来訪です。

2022.12.1
映像の持つ力

小さな森のある畑に到着すると、畑の地面にスズメの群れがいる。11月初めの週末です。
きゃぁ、とうとう、小さな小さな田んぼエリアで育つ緑米がスズメに見つかったのかしら?と、ドキドキです。
相棒クンが、よーく観察すると、スズメさんたちはエゴマの花の中の種をついばんでいたのです。
(この時期は、スズメが食べるものが少ないもんね)

その翌週には、スズメのファミリーのモズ(百舌鳥)が畑に来ています。
ほどなくして、例年通り、背の低い方の梅の木の枝先に、モズのはやにえの跡(カマキリ)を発見しました。
オスのモズは、春になりメスとペアになるため、美声を出すことが出来る体が必要。
モズの「はやにえ」は、メスに選ばれるための体力づくりに向けた、食糧確保です。

産卵のために次々と飛び立つ連結トンボを見送ったのは10月の中旬です。
10月の終わりに発見した2株のシマチシャ。11月に入ると、あちらこちらにシマチシャの芽が見えはじめました。
モズは繁殖期の準備に入っています。

あと2か月で、春告げ花の梅が咲きます。
寒さでからだがギュッと縮むとき、梅の木は花芽を膨らませ、その時をまっています。

小さな森のある畑は、今年も変わらず、土の中から空まで生き物で賑やかです。

生態系の生きものは、時間を追い生きていますネ。

 

 

そうそう、エゴマの種がスズメの餌になっても平気。
うちの畑のエゴマは雑草さながら成長が旺盛です。蒔ききれないぐらの種が実ります。

スズメがついばむときに、エゴマの種がいくつか地面に落ちますよね。こうしてスズメが食べる行動は、同時に私たちが行うエゴマの種のばら蒔きにも協力してくれています。

 

 

小豆は11月中に入り、サヤがようやく乾いてきました。
我が家では、9月終わりから、毎日のご飯に、酵素玄米を炊き始めました。
小豆はどれだけあっても困りません。

あり難いことに、今年の小豆はプリプリに実りました。
新小豆でつくる酵素玄米を楽しみに、せっせと小豆を収穫しています。

気をつけているのは天気。
日照が短いこの時期に、曇りや雨が続きサヤが濡れた状態が続くと、中の豆まで傷んでしまうから。

 

カボスは11月に入ると、さらにグレープフルーツのような甘さに熟成しています。
年を重ね木がしっかりしてきたのでしょうね。
美味しーい♡♡♡

カボスの味は、皮が青い頃は涼を誘う酸味がしますね。
そのあと樹上で完熟するこの時期は、涼を誘う酸味から柔らかい甘みに交代します。
お陰で、寒い時期でも体が冷えることなく、柔らかい酸味のある果汁に、消化や油の分解を助けてもらっています。

果汁を絞った後の皮は、甘み、酸味に苦みがほのかに香り美味しい。
皮ごとグラスに入れてお湯を注ぎ、ホットカボスにして、頂いています。

 

今年度、最後の稲刈りは11月27日。
二週間、稲架かけで天日干し、晴れの日に、脱穀・唐箕がけをして稲の収穫は完了です。

今年は栽培種の間をぬい、自生稲が多く育ちました。
こうなると、稲刈りは手間がかかります。
種類ごとに束ねるため、種類に分ける必要があるからです。

食べることだけ考えると、自生種は全て混ぜても問題はないのです。
分類する理由は、種類により稲の丈が大きく違うため、分別しないままでは、束ねたり稲架かけをする際に、丈の違う稲が抜け落ちてしまうから。
さて、こうして手間をかけた自生種の混合米。どんな味がするかしら♡

 

*菊芋掘り跡地にコンポスト戻し
そーいえば、うちの畑はアメリカ先住民の作物、アピオス・ヤーコン・菊芋が揃っているなぁ。

*さつま芋は、数個だけネズミにかじられていました。

*落花生は一株を残し、すべてネズミの食事になりました。
あー、収穫するのが1週間遅れたらこんなことに。がっくり。
とほほ。まぁ、来年に蒔く種が、自家採種できる分は残っているから、よしとしましょう。

 

 

先日、小さな森のある畑の地域は、藍玉をつくるお宅が多く、紺屋(藍染)さんもあったことを教えていただきました。
いつか藍甕のあとを見せてもらえると良いなぁ。

江戸時代は3000万人が完全有機社会で暮らしていました。藍染はその代表的な産業。

人も自然の一部。
人の健康と生態系の健全さはつながっています。そのことを先人たちは知っていました。
江戸時代~里山に続く、先人の知恵の記憶をのこす地域に、ご縁があったことに感謝です。

(中川美帆)

 

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