第69回 綿の実がはじけました

2022.11.1
映像の持つ力

アオイ科のオクラ。うちの小さな森のある畑の栽培種で、三本指に入る優秀な野菜です。
耕やさないし肥料もいれないのに、例年、見事によく育ってくれます。

今年は、相棒クンが、畑とベランダに、オクラと同じアオイ科の綿を蒔きました。
10月に入ると、ひとつひとつ、綿の実がはじけ、ふわっふわの綿毛があらわれました。
ふわふわでいて繊維に弾力がありなんとも気持ち良いです。

あまりの気持ちよさに、集めたコットンボールを豆皿に入れて、頬にすりすりしています。
この心地よさ、なんとも言えません。あったかな気持ちになります。
すべて収穫したら、二人分の耳当てぐらいは作ることが出来るかしら。

でもね、綿の製品化の第一歩、綿から種を取り除く「ワタくり」が、けっこう大変。
調べてみると、和綿は、他の種と比べ、綿の繊維と種の結びつきが強いタイプということ。
はがすのも一苦労なわけです。

江戸中期になると、綿を国内だけで自給自足ができ、手織り技術を磨き、製品化し庶民の着物を流通させていたのですから、先人の暮らしを支えた、「手をかける」ことのすごさを実感します。

小さな森の畑は、食べることに加え、虫刺されの薬、化粧水、薬草になる材料も与えてくれます。
綿の種蒔きは、衣類をじぶんでまかなう小さな一歩となりました。

(中川美帆)

映像の持つ力