第162回 ゴジカラハタケ

2022.2.27
いしだのおじさんの田園都市生活

5時過ぎに仕事を終えたら、歩いて5分。
みんなの畑(仮称)。
自分の畑に行くなら、車で10分。
春先から秋口まで、夕方に畑に立てる時間が増える予定。
朝や休日に畑に立てる時間も増えるだろう。
定年退職して新しい仕事に就いての楽しみ。
(もちろん、新しい仕事自体も楽しみです)
昨年書いた「ご隠居さん畑夢想」が実現する。
(もちろん、仕事は現役としていたします)

先日、自分の畑(認定市民菜園)と地続きの別区画の次の耕作者と打ち合わせ。
地元イタリアンレストランのオーナー。
石田が、いやみんなが決まって頼むバーニャカウダは季節の野菜がカラフル。
地産地消が広く言われるより前から地元農家の野菜を美味しく提供している。
そんな彼と、野菜のこと畑のこと以上に若者支援の話で盛り上がった。
「ゲーム漬けになっている子に土に触れてほしい」
「(支援の一環で)お店で働いて承認されて自己肯定できる子、今後も増やしたい」
「賄いヤバいっすね、って子にどんどん食べさせるの、楽しい」
などなど、、、
「石田、○○高校に農業部を作りたいと思っていた」
「種から胃袋までを子どもたちと共にしたい」
「いろんな人がかかわれる畑にしましょう」
良い縁につながり、また、ワクワクだ。

自分の畑の作付け計画も進めている。
maaruと併せて4区画約250㎡を管理する予定。
maaruのメニューと我が食卓を豊かにするように、、、
約250㎡を8区画に分けて、イモ類、カボチャ、大豆、ネギ、、、
そして、夏野菜にもチャレンジの予定。
実は、石田、キュウリやナスやトマトをきちんとやったことが無い。
障害のある仲間との畑では手のかかる野菜を避けてきたという経緯がある。
自分の畑でも昨年は勢いでトマトやナスも植えたがしっかりとは管理ができなかった。
なかなか時間が取れなかったというイイワケ。
今後はもう少し時間もかけられる予定なので、、、楽しんで食卓を豊かにしたい。

さて、みんなの畑(仮称)には、誰が参加してくれるだろうか?
これは、今のところ、そこに特別に区画があるわけではない。
場所は3月末までは私が「我が社」と呼ぶ幸陽園農耕班が耕作する畑。
そこで5時過ぎから(できるときは、もちろん5時前から)耕作。
共同耕作?
スキマ耕作?
フォロー耕作?

先日、石田、トラクターをかけ、畝を作り、共同保育の子どもたち母たちと人参をまいた。
石田にとっては、有給消化の日のボランティア活動。
人参は幸陽園農耕班にとって主要栽培品目ではない。
でも、昨年久し振りに作付けた2月まきの人参は豊作で大好評だった。
「ふだん、家では人参は食べたがらないんですよ」
というのは、抜いたばかりの人参を丸かじりしていたAちゃんの母の談。
そんな思い出があるから今年も作付けたいと思っていた。
だが、(有給消化している人もいて人手不足もあり)正規軍には余裕が無かった。
主要品目のための作業も遅れ気味。
3月中にジャガイモ、ネギ、カボチャ、サトイモの植え付けがあり、
35aの畑のうちの20aに作付けをする予定なのに、畑の準備が進んでいない。
そこで、石田と子どもたち母たちの出番となった。
人参のペレット種子は2歳の子には難しかったようだが、5歳の子はいい感じ。
500粒ほどを30分弱でまくことができた。
楽しいいい時間だった。
翌日、石田は出勤し、正規軍に合流して、種まきの残りとネット掛けをした。
そのまた翌日に雨が降り(これが人参には大切)、今、発芽が楽しみだ。
これは?
共同耕作?
スキマ耕作?
フォロー耕作?

幸陽園農耕班の作物をいっしょになって作る共同耕作であり、
主要作物以外の野菜を畑と時間のスキマに作ろうとするスキマ耕作であり、
幸陽園農耕班の仕事の一部をこなしたフォロー耕作でもあり、
何と呼ぶかはまたいろいろ考えながら楽しもう。

もともと、幸陽園農耕班の職員が石田だけだった初期のころ、
通常の作業時間だけでは間に合わない仕事を休日に友人たちに手伝ってもらっていた。
そのときの青葉区の自然保護団体のメンバーたちは、今はそれぞれ自分の畑を耕している。
かなり本格的に農に手広くやっていたり、新しい仲間ができたり頼もしい。
そうやって、手伝いから始めて自分の場を持つという流れ、いいね!
耕す人、農に関わる人を増やしていくことは石田のライフワークの一つ。

また、ここ数年は子どもたち母たちが戦力になっている。
ふだんの収穫と購入はもちろん、田植えや稲刈りはみんなでやってこそ、だ。
みんなで種まきしたインゲンや枝豆、Rくんが種まきしたズッキーニ、などなど。
みんなで成長を見守り、持ち帰って食べる。
そんな流れができている。
小学生になったTくんが自分でまいて、自分で収穫して料理までした大根!もあった。

先日も石田がトラクターをかけていると夢中で見ている2歳のTくん。
少し前に「こんど乗せてあげるよ」と言ったのを覚えていた様子。
「乗ってみる?」と誘ったが動いている状態で乗るのには抵抗があった様子。
エンジンが止まってから運転席に乗ってみてご満悦だった。
傍らでは、女の子たちがホトケノザで花束を作り、蜜を吸っている子もいた。
靴を脱ぎすてて裸足で走り回っている子も、、、

みんなの畑では、耕作だけではない農の畑の豊かさを感じてもらいたい。
なにもしないで、ボーっとしてもいい。
昼寝もいい。
以前、夕方にプシュッグビグビの会をしたこともある。(しっかりと許可制でね)
昨年は野草を摘んでテンプラというイベントもあった。
思春期のモヤモヤを土に触れてアースしようという障害児の訓練もある。
とにかく畑に来て、と、思っている。

畑も田んぼもみんなのもの。コモンズだ。

(石田周一)