第59回 自然と自然あらしめているもの

2022.1.1
映像の持つ力

自然のとらえかた、自然と大自然の違いは何かしら?

「大自然の大は絶対という意味で人間の目には見えない自然の意思をいい、
自然とは目に見える現象としての自然です。」

「カボチャの種は半年後の変化までその中に秘めています。
この不思議まで見ることのできる人が自然を見ますと、
単に自然を見ているだけではなく自然あらしめているものも同時に見ているのだ。
この自然と自然あらしめているものを合わせて大自然といい、
大は大きいでなく絶対という意味の形容詞なのです」

これらは、順番に、岡田茂吉(自然農法の創始者)と、岡潔(数学者、哲学者)が述べた自然観についての抜粋です。
自然の摂理と、自然の摂理に従いふりそそぐ太陽光のように、わたしたちの命を育てるエネルギーや、雨水、風、土壌、鉱物、木々といった形で現れる自然の構成要素との本質的な違い、関係性が示されています。(※1)

 

大根、ニンジン、里芋、ブロッコリー、ビーツ、玉ねぎ、生姜、昆布、椎茸、味噌。
今朝の野菜スープの材料です。
これらは太陽エネルギーが変換されたもの。
わたしたちは植物から太陽エネルギーを頂いていますネ。ありがたいなぁ。

植物は光合成で太陽の光エネルギーを吸収することで自分の体をつくりだしています。
さらに光合成の工程で生成された酸素は、植物には必要ないため排出されます。
なんと、光合成で排出された酸素、今では大気中の21%を占めているのだそうです。
30億年前の地球には無かった(と考えられている)酸素が。なんと!!(※2)

 

<引用>

※1 「自然から学ぶ生き方暮らし方」(天野紀宜 著者・農山漁村文化協会 2007年発行
1章 「自然のとらえかた 」内のコラム「自然と大自然-かぼちゃのタネが秘めているもの」より。

※2 光合成の仕組み、参照サイト
NHK高校講座 生物基礎 第5回 光合成

 

(中川美帆)

 

 

<リンク紹介>

※1:「自然から学ぶ生き方暮らし方」(天野紀宜 著者・農山漁村文化協会 発行
自然農法センターサイト 刊行物のページ
著者である天野紀宜さんは、自然農法センターの前理事長。
以下は、自然農法センターの刊行物紹介文。
「自然農法の創始者岡田茂吉の論文との出会いから、自然農法の根幹となる自然観に、現代社会が抱える多くの諸問題を解決し、新しい社会を構築していくヒントが込められているのではないか、という思いが執筆の原動力になっています。」

 

※2:NHK高校講座 生物基礎 第5回 光合成
NHK高校講座のサイト

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