神奈川・緑の劇場 vol.4

2021.11.29
神奈川・緑の劇場

 「はまどま」の前でハロウィンの10月31日

 コロナ世に 祈りも深き 栗名月

=子らを抱きしめて優しく物語を、わらべ歌を=

5年目の企画。ハロウィーンパーティーに140名を超える子どもたちの笑顔

はまどまの前の通りは、近くの宿町郵便局に向かう人はいるものの、わずかな人通りです。もう10年以上も前の夜にはアライグマに遭遇したことがあります。私と目があったアライグマが逃げていった角の向こうは蒔田中学校のグラウンドです。放課後には、指導熱心な顧問教諭率いる吹奏楽も聞こえていたのに、コロナ禍になって活動自粛とか。子どもたち、どうしているのかな?

新しいマンションもできて、子育て世代や若い単身者も移り住んでいる横浜市南区宮宿花1・2丁目町内会(980世帯)では、子ども会主催のハロウィンパーティーに13軒の事業所や個人が協力して、地図を持って町内を廻る子どもたちにお菓子を配りました。10月31日(日)天気に恵まれて140人を超える子どもたちの参加がありました。

はまどまでは、お隣りの有機野菜・無添加食品の宅配と店舗販売を続けて43年以上になる「こだま舎」と共催しました。また町内の南年金事務所前のビル3階に、コロナ禍第5波まっただ中の7月にオープンしたというカレーカフェ「カフェサエスタ」さんをお誘いしてハロウィンに参加してもらうことができました。蒔田を大切に思っている印象のお店で、うかがえばコミュニティーづくりには感心があるとのことでした。

コロナ禍で事業者同志の励まし合い、ちょっとした声かけが自然にできるようになった気がします。もっと本格的な事業連携ができるようになれば良いのでしょうが。

ミカン狩り企画に400名を超える参加は金沢区冨岡第三地区町内会

南区の宮宿花1・2丁目「はまどま」が活動拠点ならば、金沢区冨岡は居住地です。前回のコラムにも書きましたが寝に帰るだけだった金沢区での活動を少しずつ始めています。回覧板の「みかん狩り」のお誘いに参加してみることにしました。

会場は金沢区の芝シーサイドファーム・恵みの里です。11月28日(日)この日も天候に恵まれました。朝9時に富岡八幡宮公園に集合して、長浜公園の緑地沿いを歩いて現地に向かいます。NORAの仲間が手入れをしているエリアを横目に、やがてなだらかに坂を登ります。同ファームのことは改めてご紹介したいと思いますが、東京湾を望む南向きの広々とした高台の農地は農業専用地区です。管理棟では週末に採れたて野菜の直売も催されています。まだ樹齢の若いみかん畑では、今年は実の数も多く甘みも充分なみかんがたわわに実っていました。これだけの環境を残し守り続けてくれている関係者の皆さんに深く感謝です。

特に金沢区民にとってみれば、自分の家から歩いていける!なんとも恵まれた子どもたち、若い世代の保護者の皆さん!自分の子ども時代を振り返ってみると、なにげない、ささやかな親子のイベントのことは、かなり幼いころのことでもかすかでも楽しい記憶として残っています。いまにして当時の大人たちの思いも偲ばれます。

「子どもたちにとって、楽しい思い出がいっぱいの町にしたいんだ。故郷の町を大切に思う大人になって帰って来てくれるように!」そう思って活動してくれている大人たち。

芝シーサイドファームでのみかん狩り11月28日

かわさき民話を愛する会の企画。フィールドワークに参加

これからは、民話についても様々にお伝えできればと思っています。

川崎市の史実にある伝説の「おばけ灯籠」見学

野菜市のこれからと民話の語り

10月から11月。毎週火曜日のNORA野菜市のみ再開したものの、水曜日から土曜日にかけては、毎週の野菜市の再開は困難になってしまいました。イベント的な野菜市で初めて会う人々への、農業のある暮らしへのアッピールをしていきたいと思っています。そのために火曜に加えて月1回程度の野菜市と、学生への食料支援とともに、学生たちと一緒に開催する野菜市を計画したいとも思っています。

野菜市の再開を待ち望んでくださっている皆様、たいへんに申し訳ありません。

やりたいことへの意欲には衰えは無いものの、体力が続かなくなりました。休み休み、続けていきたいと思います。半年の休養期間に野菜市をサポートして下さる皆さんのご意見もいただきながら、次にできること、やりたいことを整理してみました。

第一になによりも「後継者」づくりです。若い皆さんとの繋がりです。

そのための情報収集と発信です。神奈川県内の生産者を第一に大切にすることはもちろんですが、今後は全国の、特に有機農業・自然農法に挑む若い世代を、一人でも多くの皆様に知っていただき応援していただきたいと考えています。

「NORA野菜市」は特に、農業のある暮らしへの入り口です。ふだんの食生活に生産者の思いを感じられる作物を取り入れていただき、飲食店経営の皆さんには、お客様に物語のできる、生産者との繋がりを語れる作物を素材にした料理を提供していただける拠点にしていきたいと思います。

そして、野菜市と同じ根っこだからこそ「神奈川・緑の劇場」として「民話の語り」を続けます。

生活様式が変わってしまっても、20世紀初頭から日本中に伝わってきた民話を失ってはならないと先人たちの手で採話されてきました。今では、民話の語り部たちが全国で活動しています。一方で、絵本の読み聴かせ、朗読、紙芝居、ストーリーテーリングなど多様な語りの表現があり、講談、落語なども根強い人気があります。

暮らしの中で目を見合わせながら、親子ならば抱きしめてあげながら、民話・昔ばなし・伝説を語ってあげて欲しい、私の活動が、そのきっかけになればと思います。

旭区若葉台茶堂にて

十三夜にお茶と民話を楽しむ。10月18日→★★★

全国のお茶の美味しさに癒されて

農地を大切に、民話を大切に、同様に、日本の暮らしにいつも寄り添ってきた全国各地のお茶。

日本のお茶を急須で煎れて安らぐ暮らしのリズムを提案していきたいと思います。

今年も、余すところわずかになりました。皆様、くれぐれもご自愛ください。

(2021年11月29日 記  三好 豊)