神奈川・緑の劇場 vol.3
2021.10.25神奈川・緑の劇場
コロナ世に 息つめて待つ 流れ星
「有機農業生産者を応援する街宣言」は、どの街から始まるのでしょう?
金沢区富岡は、1957年に父が移住した町
横浜市南端の金沢区は、源頼朝が創建した富岡八幡宮や金沢文庫、称名寺に代表される鎌倉文化の地。能見堂や金沢八景など、江戸時代から人気の景勝地でもあり、明治には別荘地にもなりました。海水浴場は、65歳以上の人なら潮干狩りの思い出を持つ人も少なくないほど賑わい、海苔を干す季節になれば、潮の香りで町中が満たされたものです。
今でも、かつての名残に触れることもできる居心地の良い、やすらげる町だと思います。
“おかまちプロジェクト”って!?
能見台・富岡地区で「みんなで創る街づくりプロジェクト“おかまちプロジェクト”」がスタートして4年目。官民・大手・個人を問わずに参加を呼びかけ、未来に向けて住み続けたい街をみんなで一緒につくろう!というものです。横浜市と京浜急行電鉄が事務局となり、大学生の皆さんなど若者たちも大勢参加して話し合いを重ねてきました。コロナ禍で集まりを持つことが困難な中、幾つかのテーマに分かれてグループを作り、具体的な行動を始めようという段階に入りました。
私は、2021年4月下旬から体調を壊し、野菜市を半年近く休みました。くるま、くるまの生活から、歩く生活に切り替えての病院通い。調剤薬局で、このプロジェクトを知らせるチラシに出会ったのです。「へーっ?!こんなことをやっているんだぁ!」と、さっそく、ミーティングに参加させてもらいました。
若者たちと一緒に、未来に向かって!
転勤族の父のもと、続けて富岡に暮らせない出入りの多い歳月でした。NORA「はまどま」が、南区宮宿花1・2丁目町内会に加入したことで、ようやく私は、地域の皆さんと出会い、楽しい活動に参加させていただけたのです。一方で、富岡の皆さんには、もやもやとした心苦しい思いが募っていました。
だからと言って、私に何ができるわけでもありません。神奈川県内生産者限定の野菜市の定例開催は、火曜日のNORA野菜市のみを再開しました。サポーターの皆さんに支えられながら、今後は、月1回とか不定期、あるいはイベントへの参加が、体力的に精いっぱいと思います。多くのサポーターの皆さんに知恵、アイデア、体力や時間も、出してもらっています。そして、11月には、地場農産物の移動販売を江戸時代から続く伝統の“振り売り”という移動販売で行っている若い女性を京都に尋ねて、お話を伺う予定です。“振り売り”をする人が京都には100人もいるというから驚きです。
これからの野菜市は、情報発信、情報交換につとめ、次世代への継承を第一に考えたいと思います。県内にとどまらず、全国の、特に若い有機・自然農法生産者との交流、彼らの紹介をこころがけ、40年来の夢の実現「誰もが当たり前に、新鮮・安全・美味しい作物を利用できる町づくり」を目指したいと思います。そのためには、JAや大手量販店とも交流を図らなければならないと思っています。
みんなで育てる有機・自然農法のある暮らし
時代は激変しています。「食」の分野では、困難なこと、危機的なことも襲いかかっている中で「有機農産物」が、特別なものではなくなろうとしています。50年以上に及ぶ、有機農業を実践してきた生産者、支援してきた消費者、研究者、流通関係者、教育関係者などの皆さんの願いが実現しようとしています。
横浜市での農地面積は市域の1割にも満たないのに、多くの皆さんの努力で、地産地消に取り組んできました。大小多くの直売所に加え、大手量販店には早くから「地場野菜コーナー」を設けてきたという歴史と経験が横浜にはあります。今度は、「地産地消と有機農産物コーナー」を作り、みんなで利用して有機・自然農法を育てることを提案します。
これは、生産者のためだけではありません。むしろ、都会に暮らす人々のため、そして、未来の子どもたちのためになることを多くの皆さんに知っていただきたいと思います。有機・自然農法が可能な、自然との向き合い方、考え方、担い手の経験、暮らし方と、継承されてきた生活文化は、一方で、急速にすすむデジタル化、AI・ロボット活用時代になって、私たちが、かなり意識しないと未来に残せなくなると思われます。
NORAがとなえてきた「里山の知恵を暮らしに活かす」ことが、都市にあっても「ほんものの豊かな暮らし」につながると考えています。
さて「有機農業生産者を応援する街宣言」は、どの街から始まるのでしょう?
■40年以上、農薬・化学肥料を使っていないキウイフルーツ
(愛甲郡愛川町・諏訪部衛人さん)
■『たけのま縁側まるしぇ』に並んだ野菜たち(2021年10月23日)
(2021年10月24日 記 三好 豊)
●●お知らせです●●
「家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン」(FFPJ)からのお知らせです。
東アジア地域の環境保全に貢献した団体・個人を表彰する「日韓国際環境賞」が10月22日に発表され、第27回の受賞団体として「NPO法人自伐型林業推進協会」が選ばれました。同協会はFFPJの団体会員で、事務局長の上垣喜寛さんがFFPJの副代表を務めています。
日韓国際環境賞は1995年、日本の毎日新聞社と韓国の朝鮮日報社によって共同で創設され、環境保護、公害解決、循環型社会構築などで優れた貢献をした個人または団体を東アジア地域全体(日本、韓国、北朝鮮、中国、極東ロシア、モンゴル、フィリピンなど)から選出し、顕彰するものです。
毎日新聞(10月22日付)の報道によると、審査委員会の中で自伐型林業推進協会の取り組みについて、「国内で土石流、海外で森林火災が多発し、山の管理が重要になっている」「費用が安く各地に広がっている」「欧米型手法を変える機会」などの声を集め、受賞につながりました。
詳しくは、以下の自伐型林業推進協会のホームページの関連・参照用リンクにアクセスしてください。
◉自伐型林業推進協会が第27回「日韓国際環境賞」を受賞(2021.10.22)
https://zibatsu.jp/info/news/211022-jokr
◉「災害と林業」特設ページ
https://zibatsu.jp/report/
◉クローズアップ現代で特集(2021.9.15)
https://zibatsu.jp/info/news/210915-nhk
◉林野庁の「森林・林業白書」に自伐型林業が特集掲載(2021.9.25)
https://zibatsu.jp/info/news/r2-hakisho
以上、お知らせでした。 FFPJ事務局・岡崎
日本消費者連盟(日消連)と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン主催のシンポジウム「もうひとつの市民食料サミット;農水省が提唱する『みどりの食料システム戦略』は『みどり』ではない」の講座の録画です。当日は会場とオンラインで全国から200人を超える方々が参加しました。農業や食への関心の高まりを感じるものになりました。
■「もうひとつの市民食料サミット」の録画→●●
■たけのまラジオ→■■
●●定期購読をおすすめします。
創刊51年・心と体・社会の健康を願う家庭栄養研究会が編集してきた
月刊情報誌『たべもの通信』の定期購読をおすすめします。
mail:tabemono@trust.ocn.ne.jpホームページ:http://tabemonotuushin.co.jp
●●三重県美杉町「美杉里山音楽舎」Chojiくんの便りから
横浜での忘年会は今年は僕の誕生日に合わせ、12/12の開催です。ぜひともお集まりください。
●12/12(日)横浜『Welcome to Choji’s House! vol.51』
会場:横浜サムズアップ
時間:OPEN 12:00/START 12:30
出演:Choij メンバー:原さとし(バンジョー)、倉井夏樹(ハーモニカ)、関根真理(パーカッション)
料金:前売¥2500/当日¥3000
予約受付中>ツキオンフォーム
http://form1.fc2.com/form/?id=918489
ライブスケジュール
http://choji.jp/schedule/
美杉里山通信「ノアガリヒマチ」秋号(第2号)を秋分の日に発行いたしました。出演ライブや、CDなどの発送に合せてにお渡しする他、ご縁のある各所に置いていますので、ぜひ手にして読んでみてください。
「ノアガリヒマチ」秋号は、NORA野菜市にてお渡しできます。お声かけ下さい。
▼Choji Official Website
http://choji.jp
三好 豊(みよしゆたか)
1954年に生まれ父親の転勤により各地で育ちました。 1975年10月、杉並区阿佐ヶ谷南の劇団展望に入団。1982年退団して横浜に戻り演劇活動に参加してきました。1987年5月、(有)神奈川農畜産物供給センターに入職し、県内各地、各部門の生産者に指導を受けることができました。2004年に退職し「神奈川・緑の劇場」と称して県内生産者限定の野菜の移動販売を始めました。NPO法人よこはま里山研究所・NORAの支援はたいへんに大きく、これからも都市の暮らしに里山を活かす活動の一環として生産者との関わりを大切にしたいと考えています。また(株)ファボリとその仲間たちとの繋がりには、心躍るものが生まれています。