第54回 ベランダ里山も生物相が変わってきた?

2021.8.1
映像の持つ力

ヒョウタン(食用)

 

早起きは三文の徳

夕立でも降ってくれたらな。
わたしたちが週末すごす名付けて“小さな森のある畑”は粘土質。
気温35度以上にも上がる夏日に夕立がない日が続くと、畑の表土は地割れを起こします。

畑で育つ野菜のほとんどが自家採種の種や自然生え。
粘土質の土壌のうえに、耕さない、肥料は入れない、天水だけ。

粘土質・耕さない・肥料は入れない・天水だけ。なんて、
現代行われている主流の農業から見るとひどい条件でしょうが、自家採種を繰り返すことで、根を張り栄養を吸収できる種が次世代に継がれ今年も育っています。

地這いキュウリ

 

何より強いのは自然生えのブラジルミニ。
自家採種を繰り返しもう何代目かしら?
もとは、(公財)自然農法国際研究開発センター(※1)で購入した自然農法で品種生育された種。

自然生えのブラジルミニ

 

それにしても、あんな小さな一粒の種からよく育つものだなぁ、と感心しきりです。
とは言え、夏場に植えつけた株は、日中の熱波のあとに夕立が降らないと、弱ってきます。
まだ、今年の猛暑に耐えられるまでに根が張れていないからです。

7-8月の猛暑でいちばんの心配は、紫唐辛子とピーマン

 

いっせいに大地全体にゆきわたる雨水

夕立でも降ってくれたらなぁ。
ひと雨の力、わずかな時間で、いっせいに大地を覆う雨水は、どれだけの命を潤すことでしょうか。

 

人間の水やりはどうしたって範囲が限定されます、自然の降雨とは比べ物になりませんよね。
あ、何より雨が降るという自然現象には、人が水やりにかける時間や道具が必要ない。

ティピ棚にもキュウリが実りました。どこ?

7月下旬になると夕立どころか早朝から集中的な豪雨の日もあります。
いつも変わらない健全な季節の運行を願う、雨乞いの大事さが身に沁みます。

 

ピーマン。スギナのしたたらす雨露がまだ小さいピーマンを潤す。

 

イネ科の葉っぱの朝露。
草は大事な保水役。野菜や生き物を潤します。

 

オクラの花は早朝につぼみをほどき始めます

オクラの花は一日花(いちにちばな)。
早朝に花が咲き、午後には花がしぼみます。

オクラの畝は2列。横並びで同時に開花。
2つの畝は東から西の方向に並んでいますが、朝日の通り道なのかしら?

 

西の空に満月。
この日は朝の4時台に家を出て野良しごとに取りかかりました。

オクラの花が少しずつ開き始めています。なんてきれいに折りたたまれているのでしょう!
オクラの花は、命が動き始める早朝に花びらをほどいてゆきました。

 

オクラの花びらは五枚。
花びらの重なり方には、五角形が完成する動きが計算されているのですね。

 

オクラの開花。花びらの基部になる根もとも五角形でした。

オクラの花は食べられます。
収穫しようかと思いましたが、花びらを開きはじめる、少しずつほどいてゆく姿を思い出すと、とても採る気になれなくて。
花はこのまま、そっとしておきました。

 

 

朝めし前の野良しごと

小さな森のある畑。今年の新しい試みは、ティピを連結した棚。
キュウリ、ヒョウタン、紫唐辛子、ピーマンが育っています。

 

キュウリは自由。
地這いのキュウリは、目印に立てた支柱に巻き付き、菊芋の茎にも巻き付き空に向かっています。

 

巻き髭でしっかり支柱に固定し実を結びました。

 

菊芋にも巻き付き結実。

 

キュウリは日ごと大きくるから、採り忘れがないよう、慎重に収穫。
夏野菜は、キュウリ(白キュウリ、地這いキュウリ、バテシラズ)を先頭に、ヒョウタン、オクラ、ミニトマトが採れ初めています。

 

自然生えのブラジルミニ。美味しすぎる。

 

早朝の野良しごとは、文字通り朝飯前のしごと。
夏の時期のお決まりは、ひと休みに、採りたてのキュウリやミニトマトにかぶりつく。
一本ずつ味の確認をしますが、何といっても汗だくの作業の合間にいただくキュウリは美味しいー。生きかえるー!。

 

 

ベランダ里山、今年の夏は水場がにぎやか

これ1本植えのバケツ稲。(品種はあきさかり)
分蘖(ぶんけつ)がずいぶん進んていますが、始めの1本は指で刺している、この1本から。
お米は一粒万倍。ひと粒から幾つのお米を実らせるでしょうか。

 

「ヤゴがいたよ!」ベランダ里山を朝に夜にと管理している相棒クンからの報告。
見えますか? 真ん中にヤゴの抜け殻が。(きゃ)
水中はミジンコがいっぱい。

 

うちのベランダにヤゴがいたなんて・・!
ヤゴは肉食。何を食べたのかしら? 羽化するまでどれぐらい土中にいたの?
抜け殻しかないから疑問ばかり。
詳しい人が見たら抜け殻からトンボの種類か分かるかしら?

 

そうだ!ヤゴの前はオケラでした。
4月頃、バケツ稲に水を入れると、オケラがわぁと出てきました。
子供がたくさん。
小さいけどほぼ大人と同じ形。
そしてよく動く。(かわいい)

バケツ稲の土は田んぼから持ってきたもの。
ドジョウはいるし地鴨も訪れる生き物がたくさんいる土壌です。
本家の田んぼでは、順調に稲が育っています。

 

 

稲の分蘖(ぶんけつ)

本家の田んぼ。
お陰様で分蘖(ぶんけつ)は、すすんでいます。

草刈りもほぼ無し!!

五品種の田。手前から、あきさかり(発芽はベランダのバケツ)、紅染め、初霜、チベット黒米、朝日

 

あきさかり

 

2つ目の田んぼ、緑米田。

手植えですが、株間や畳間(列)の位置がそろっていますね。

 

緑米の分蘖(ぶんけつ)

 

里山レシピ

ベジケーキ寿司でお祝い

急きょ作ることにしたベジケーキ寿司。
家にある材料を大集合。キュウリ、キャベツ、ニンジン、青シソ。
小さな森のある畑で採れたサワーチェリーで飾りました。
(正確には、ほぼベジ寿司。飾りに錦糸卵とアミエビを使いました。)

 

採れたてキュウリのサンドイッチ

白キュウリ

一段目:白キュウリ、二段目:キュウリ

地這いキュウリ

 

<ポイント>
・さっき収穫したキュウリ、たっぷり。
・自家製の豆乳マヨネーズ
・マスタード※もたっぷり
※代わりにレモングラスの効いたサテトムでも美味しいです

 

 

生態系の一部

「じぶんは、ただのハンターではない。生態系の一部なんだ」
NHKスペシャル 世界里山紀行「フィンランド 森・妖精との対話」で、クマ猟をする方が言っていた。

人間は自然の一部。
国を問わず世界中で、時代や場所をこえて連綿と今に続いています。

食べることは存在すること。
三千万人を完全な循環型社会で養った江戸時代。
食べ物だけではなく存在に必要なものの殆どを身近な動植物から作り出し、リサイクルして土に還す。

 

その江戸幕府を開いた徳川家康は、植物学者で健康マニア。秘策は長寿。
(※2「徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか」(稲垣栄洋著)による)

さて、日本は何万石の国でしょうか。
「加賀百万石」のように江戸時代では大名の力がお米の石高で示されました。
明治以降、何万石の国に変わったのか?
何人しか食べられない国になってしまったと言う方が正しいかしら。

今のお米は、縄文時代からコツコツと品種改良され、1粒を万倍にも増やす能力をもつに至りました。
そんなお米、みなさんもバケツで育ててみては。

 

(中川美帆)

 

〈リンク紹介〉

※1、(公財)自然農法国際研究開発センター
自然農法国際研究開発センターのサイト

※2、「徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか」(稲垣栄洋著) (東洋経済新報社出版)
出版社のWEB書籍購入サイト

 

映像の持つ力