石田のおじさんの田園都市生活

第77回 振り返り2014 その2

2015.1.31
いしだのおじさんの田園都市生活

前回の続きで、2014年の振り返り、しますか?
・ううん、なんかぁ、寒いねぇ。
さっき、雪、降っていた。けど、天気は関係ないでしょ。
・今年も残すところ11ヵ月だし、、、

・去年のことは、もういいんじゃないかぁ。
途中で投げ出すな、って、子どもにはよく言うくせに!
・そうだった。でも、寒い中で暑いころのこと思い出すのも、ねぇ。
グダグダ言ってないでっ!
・(自分の言い始めたことを通さないと気がすまないんだよな、結局、アアア)

・7月は和歌山に行って、8月には長瀞に行った。
自分だけ遊んでいる、、、
・(何言ってもモンク言われて、ヤダヤダ)カヤックは4年か5年ぶり。
コケなかった?
・コケたけど、ちゃんとロールもできた。
ふうん。よくわからないけど、、、
・コケてカヤックから脱出がチンダツ(沈没脱出)、そのまま起き上がるのがロール。
へえぇ。やっぱり、よくワカラナイ。
・久々だったんで、みんな拍手してくれたよ。
ふうん。
・長瀞で泊まった宿がオモシロかった。名物女将の自家製野菜、解説付き。
ええー。高級なお宿?
・いや、古びたエアコンが壊れていたよ。

・夏の畑作業は大変だった、と、思うんだけど、寒い今はそんなこと忘れている。
なんでも都合よく忘れますね。
・(モンクの後はヒニクかよ)夏の大変さは、ね、暑さだけじゃないんだよ。我々の場合。

・朝が早く、日の長い夏は仕事の時間もタップリある、はずなんだけど、、、

・でも、我々は農家じゃなくていわばサラリーマン農業だから、働き方がチガウ。

・いや、働き方じゃなくて暮らし方がチガウんだよね。早朝や夕方は野良を留守にする。
それはそうですね。
・昼寝もできない。
すればいいんじゃない。
・いや、15分くらいはするけどね。でも、そーすると、時間が押せ押せになる。
うんうん。
・でも、これは福祉施設の農業だけの条件でもない。市民グループでもそうでしょ。
そうかぁ、、、
・やっぱ、雪を見ながら夏の話はさえないね。
想像力が貧しいんではないですか?
・(さえない気分になってきたな)

・で、真夏の畑で、俺が好きなのが大豆。なんか元気がもらえる。
ツキナミな言い方、ですね。
・(カチン)はぁ?どこがツキナミ?俺はよく繁った大豆が風にそよぐ姿を見ると、、、
うれしくなっちゃう?変わっている。
・(イラッ)ツキナミでカワッテイルなのかい!
「元気がもらえる」という表現はツキナミだけど、その中身はカワッテイル、です。
・いずれにしろ。大豆は大事なんだよ。
その聞き飽きたダジャレも、もうツッコむ気もおきない。
・小学生も勉強する、コメの自給は100%近くで、大豆はヒトケタ。
そうなんだぁ。実感わかないなぁ。
・教科書に書いてあってもね、実感は難しいよね。でも、最近、国産大豆も増えている。
そう?
・味噌を手作りする人も増えている、これは、実感がある。
そういう人たちと付き合っているからじゃない?
・そうかもしれないけど、ね。(あんたは、そういう人じゃないけど、ね)
はい。

・8月といえば、横浜の家では無花果を収穫したよ。
いただきました。なかなか立派で美味しかった。
・ゴーヤーもけっこう採った、ね。でも、無花果は結果1ヶ500円だった。
はぁ?
・1500円くらいで苗を買ってきたけど、3ヶしか採れなかった。
ええっ、今年は?枯れちゃったの?
・今、枯れているところ。カミキリムシにやられた。
あ~あ。悲しいね。
・悲しいよ。毎日近くで世話できていないからね。仕方ない。
なんか方法考えてよ。
・横浜に引っ越す。(俺は帰るぞ)
ぶー。

・9月、憧れの東京チェンソーズに行ったね。檜原村。
誰が憧れているの?
・俺だけど、、、ヒデに伝染することを願っている。
何やったんだっけ?
・今回はツリークライミングと薪割り。
そうそう、ヒデ、楽しかったって、参加賞を部屋に貼っているね。
・そうだよ。また行きたいねぇ。
なんか、そのあと手ぬぐい送ってきたね。
・あれは、チェンソーズの通販。ああいうセンスが若者の林業らしくてオモシロい。。
楽しそう。
・でも、危険と隣り合わせの仕事だよ。
ヒデはオッチョコチョイだから、向かないんじゃない。
・(そういう決めつけは良くない、と、思いつつとりあえず反論はしない)

・9月には京都にも行ってきた。
里山、見てきたの?京都方面で?
・ん?なんで?
里山の話題が少ないから、気になっているんですけど、、、
・そ、そうかぁ。(いちおう気にしているんだなぁ)今回は時間が無かった。
でも、お酒を呑む時間はあったんでしょ。
・(ヤバい。でも、開き直ろう)でも、里山で知り合った娘さんの披露宴だったんだよ。
うん。写真は見たけど、、、
・それこそ、彼女はお茶の仕事をしていてね、「横浜で石田さん達と田んぼをやったり味噌作りをしたりしたことが、今活きている」って言ってくれてね。
それで、お酒もしっかり呑んだ。
・京都の赤垣屋は満杯で、今回もNGだった、けどね。名古屋の大甚には行けた。
それはそれは、、、

・10月は、稲刈りが二つあった。
新治とはやし農園でしょ。
・よく、覚えているね。この話は何度もしたから止そうか。
そうですね。
・でも、これは、それこそ、今年どういうスタンスで臨むかだよ。
それは、楽しみ、かも。
・またいずれゆっくり話そうかね。
ガンバレ!

・11月、日野のせせらぎ農園に行ってきた。平日の活動を見てきた。
生ごみ活かし隊だったっけ? そのネーミング、どうなんですか?
・う~ん。ごみ、って響きが良くないかもね。「菌ちゃん野菜」とも言っているよ。
どういうこと?仮装でもするの?。
・だはっ。これも、いつか、ちゃんと調べて、少しアカデミックに語るつもりだけど、、、
簡単でもいいんですけど。
・生ごみを畑に投入しっかり発酵させる、ないしは堆肥化することで土が豊かになる、と、
そうなんだ。
・そしてミネラル豊富ないい野菜ができる。
へぇ。
・発酵の主である微生物のことを「菌ちゃん」と呼んで、子どもたちと楽しんでいる。
へぇ、子どもたちも喜ぶのかなぁ。
・そう簡単ではないけど、いろんな工夫があるみたいだよ、、、
最初から、生ごみが好きな人はいないもんね、きっと。
・野菜ができるまでの過程でいい経験を積むことで菌ちゃんが好きになる。
じゃ、その日野のやり方をこれからマネするの?
・マネ、じゃないけど、いろいろと参考にしたい。我々なりに活かせると思う。
ガンバレ!
・珍しく応援してくれるんだね。
何言ってんのー、いつも応援しているじゃない。
・(ヤバ、また余計なこと言って怒られたぁ)

そして12月、、、
・11月末ぐらいから大豆の収穫が始まった。
それってテマヒマかかる?
・いや、機械があればあっという間なんだけど、、、
でも、ないんでしょ。
・そう、俺が手作りした脱穀用の木枠で、、、貧乏な感じでやっている。
カワイソウ。
・でもね、近所の農家さんにオモシロい工夫だね、って褒め、、、いや、笑われた。
必要は発明の何とやら?
・いや、とても「発明」だなんて言えるシロモノじゃないけどね。
なんかいろいろ工夫しながら、頑張っているっていうか、楽しんでいるみたい。
・(えー、全然そんなことないよ、って思いつつも)うん、うん。
いいですねぇ。
・ヒラキナオッテやっているんだよ。(あなたに対してもヒラキナオッテいる)
味噌、作るんですか?
・今、若い職員に計画を立ててもらっている。
楽しみですね。
・若い連中のペースに合わせて、主体性を引き出しつつ、進めていきたい。
カッコイイこと言いますね。
・(これが、ホメられているんだか??、ヒニクられているんだか??)まあね。
育てていかないとね、野菜だけでなく、ヒトも。
・いや、「育てる」じゃなくて、「育つのを見守る」。そういう環境を創るよ。
春よ来い、ですね。
・ま、ね。

結局、一年を総括すると、どんな感じ?
・う~ん、まだ停滞している、感じかなぁ、、、
新治の畑で法人参入して、参加してくれる仲間もいて、少しは野菜もできて、売れて、、、若い職員も育ち始めて、それでも停滞ですか?
・う~ん、それなりのチャレンジもして、少々結果も出始めているけど、う~ん。
唸っちゃうわけですね。
・もっともっと田園都市生活、したいんだよなぁ。
その感覚がよくわかんない。
・(そうだ、このわかってもらえない感だ)だから、停滞なんだよ。
どうする?
・う~ん。ボチボチ、やっていく、かなぁ。偶然の飛躍に期待して、、、
そんなんで、いいのぉ。ガンガン頑張らなきゃ。
・いや、農作物が育つのも、人や組織が育つのも、自然体。風まかせが田園都市生活。
でも、評価が低いのは、欲があるからでしょ?
・欲はあるけど、そこで俺が俺がってやらない、自然体。
なんか、草食系、みたい。
・ま、なんとでも言ってくれ。

(石田周一)