第110回 青麦

2017.10.31
いしだのおじさんの田園都市生活

本文の前に告知です。

 

青葉区で「かわもりあおば」という新団体が立ち上がっています。

12月2日(土)に我が社の畑で収穫体験のイベントがあります。

キャベツ、ブロッコリー、白菜、ネギ、サトイモなどが収穫できます。

どうぞ、ふるってご参加ください。

また、別途、いつでも収穫体験、ご相談ください。

よろしくお願いいたします。

 

ついで、というわけでも、ありますが、

11月17日(金)には、ららぽーとで農福連携マルシェ!

11月26日(日)には、新治で里山秋祭り!

出店します。

どうぞ、いらしてください。

 

 

 

以下、本文です。

 

・今日はね、小麦の種まきをしたんだ。

へぇ。このあいだのパン、美味しかったね。

・でしょう!

今度、いつ持って来るの?

・ははは。小麦がとれるのは来年の初夏だよ。

ええーっ!それまで、食べられない?

・冗談だよ。まだまだ今年の小麦300㎏以上あるはずだよ。

じゃあ、すぐに焼いてくれるね。

・ううん。そこがそれほど簡単ではない。

どうして?

・まだ、試作段階で売り出されていないし、、、

ええぇ。

・ま、組織で動いているから、俺の勝手にはできない。ただ、小麦粉を買えるかも、、、

どういうこと?

・我が家でパンにでもピザにでも、、、

まぁね。でも、高いよ。

・はい。買わせてもらいます。

なら、焼こうか。

・ナンも美味かったよ。

でも、人に作ってもらった方がウレシイけどねぇ、、、

・手に入ったら持って来るよ。うん。手に入るよう画策するよ。

よろしく、ね。

・、、、

、、、

・小麦の種まきの話は?

えっ?

・種まきの話は、興味ない?ですか?

ははは、ま、聞いてもいいけど、、、

・今日はね、一日で一気に種まきを終わらせたんだよ。しかも、畑を作りながら、、、

ふうん。どういうこと?

・今年は450㎏の小麦を収穫した。

へぇ。想像がつかないけど、、、

・来年は、2年目だから、同じ畑だけど500㎏、いや、それ以上にとりたいなぁ。

ま、願望としてはいいでしょう。夢があって。

・500㎏収穫する分の種を1日でまいてしまうなんて、スゴクない?

よく、わからないけど、、、

・ま、分からないだろうけど、俺としては、けっこう達成あったなぁ。

良かったね。

・今日はね、K学園の実習も来ていたんで、開墾というか、畑を広げることもできた。

それはそれは。

・俺は貧乏性だから、

知っている。よく、知っている。

・少しでも畑を広く使いたい。

それはそうだね。

・でも、その作業が雨続きと多忙と、あと、ま、いろいろあって、できていなかった。

いろいろ、ねぇ。

・ま、組織だから。

組織はいろいろだよね。

・それを、実習の人たちに動いてもらって、今日、一気にやっちまったんだぜーい。

???畑、広がった?

・そうだね。50坪は広くなったんじゃないか。

ひゃあ、家より広いね。

・ま、畑だから、、、で、実習の子たちにトラクターで耕してもらって、盛り上がった!

喜んだ?

・うん。女の子で積極的な子がいてね。「ええー、やってみたい」とか言いながら、、、

大丈夫?

・いや、なかなかセンス良くて、運転も。俺も教えていて楽しかったよ。

へぇ~。へぇ~。

・で、あとは、役割分担で、利用者さん、職員、実習生、引率教員、それぞれが活躍。

どんな活躍?

・作業として、肥料まき、耕耘、筋付け、種まき、覆土(土かけ)があるんだけど。

はいはい。

・広い畑で全員がなにかしらをやっていて、それで作業が進んでいく感じなんだ。

なるほど?

・分かる?

や、よくわからない。

・なるほど、、、

そもそも、どれくらいの広さの畑?

・約3反、3,000㎡、900坪か?

へぇ~、広いね。それは。

・でも、一部木が植わっていたり、道もあるし、不成型地もあるから、実際は???だ。

測ってみればいいじゃん。

・そーだね。うん。そのうちにね。小麦をまいた距離というか長さは測れそうだな。

ざっくりでもね。その距離が分かると、なるほど、そういう仕事だったのかと、、、

・うん。是非、測ってみよう。これから麦踏みもあるからな。

いったい何回足踏みするのかと、、、

・そうだね。一人でやったら気が遠くなる。

でも、北海道とか、石ちゃん達の数十倍とかでしょ。

・いや、数百倍じゃないか?

そんな畑で麦踏みなんか、、、

・いや、それは機械があるだろ、さすがに、、、

機械に乗っちゃったら、ダイエットにならないね。

・ははは、どういう発想か、、、冷暖房オーディオ完備のトラクターも困るんだってよ。

ええぇ。なんで?

・睡魔に襲われるんだって。

なんだ。

・いや、足で麦踏みもタイヘンだけど、広い畑で単調な機械作業も、ね。

それぞれ、タイヘンですね。

・でも、そのうち、GPSで自動運転になるよ、きっと。

いいねぇ!

・そうかぁ?いや、人手不足解消にはいいかも、だけど、、、

だけど、、、???

・機械が自動的に作ったものを食べても、、、ありがたくないし、美味くないよ、きっと。

また、そんな情緒的な、、、文学的な、、、

・、、、

自動がいいなぁー。ラクチンが好きだなぁー。

・はいはい。でも、俺は、今日、みんなでいっしょに汗を流して楽しかった。

ご苦労様。

・肥しをまいて、耕して、種をまいて、土をかけて、、、身体全体を使って、、、

ご苦労様。

・そのひとつひとつが、なんだか、かけがえのないものに思えるよ。

良かったね。

・ま、そういう時間が過ごせていることには感謝だね。

でも、石ちゃんが良くても、それが仕事じゃないでしょ。

・そうだね。利用者さんたちが主役で中心でなきゃね。

でしょう。

・利用者さんたちが良いことを職員のヨロコビになるのが本来だけど、、、

だけど?

・ま、今日みたいに、とにかくみんなで頑張って成し遂げれば、楽しいし、、、

し?し、ですか?

・利用者さんが辛くても頑張れることを提供するのも職員の仕事なんだよ。

なんだか、都合のいいこと。

・「修行をしてもらう」んだよ。

・?

わかりません。

・ま、いいや。

いいか?

・これで、小麦が順調に発芽して育ってくれればね。

パンが食べられればね。

・でもね、、、

まだ、でもねがあるんですか?

・この小麦生産、とりあえず赤字なんだよ。

あらら、、、

・黒にするのは、、、なかなか難しいんだよ。

あらら、、、赤でも続けるっていうのも、利用者さんたちには申し訳ないじゃん。

・うん。

どーするの?今日、達成感があるとか言っているバーイじゃやないじゃん。

・、、、考えるよ。とりあえず小麦のある冬の日々を楽しみながら、、、

・寒い冬の日に麦が青々していてその向こうに富士山が見えるんだよ。

いいね!

・ちょっとした慰めだよね。

冬はイヤだなぁ、、、

・(相変わらず、嚙み合わない、なぁ、、、)

いしだのおじさんの田園都市生活