第104回 自然と一体化?

2017.4.30
いしだのおじさんの田園都市生活

世間は大型連休ですね。どうでしたか?4月は?

・俺、2日続けて休んだこと、ほとんどないよね。この1年、、、正月以外、、、

ゴクロウサマ、です。

4月はいろんなことをした1ヶ月だったね。忙しかった。忙しい、今も。

それは、ゴクロウサマでした。

・でも、これからもっと忙しくなる。

それは、それは、ゴクロウサマです。商売繁盛ですね。

・いや、そんなぁ、、、貧乏ヒマ無しだよ。

あらら、、、

・今日は、山で薪を降ろす仕事をしていたんだよ。

へぇ、おじいさんは山に柴刈りに、、、

・新緑の森が気持ちよかったよ。

へぇ。でも、けっこう肉体労働でしょ。

・うん。俺がもともと憧れていた斜面での運び仕事。

なんで、そんなもんに憧れる?

こころみ学園、ここファームって施設が足利にあってね。そこでの経験は俺の原点。

拙著『耕して育つ』(コモンズ)25節を読んでいただけるとありがたい)

斜面があるんだ?そのこころみ学園は?

・いや、まるごとほとんどが斜面なんだよ。そこをエッチラオッチラ原木を運ぶ。

へぇ、、、

・人間は斜面を歩くべきだ!貧乏が大事!不自由が必要!

なになに???

・って、園長、故人だけど、が言っていた。

???石ちゃんもそう思っているの?

・いやぁ、、、

思っていないでしょ。

・いやぁ、、、

思えないでしょ。

・い、いやぁ、、、大正生まれで戦争にも行った園長と、高度成長に育った俺じゃあ、、、

でしょ。

・でも、なんとか斜面の仕事にたどり着いた。まだまだチョビットだけど、、、

たどり着いた、だ、なんて、、、

たどり着いたらいつも雨降り

???

・ははは。

で、利用者さんたちの反応は?

・うん。すんなりと、というか、自然体で運んでくれたんだよ。よかった。

そうなんだ。

・でも、森の中に入っていくと、「ええー、山登るのぉ」ってドン引きした子もいたよ。

分かるなぁ、その気持ち。

・その子には特に重そうな薪を運んでもらったよ。

えげつな。

・ははは、愛情だよ。

イジメじゃん。

・奴もそう言っていたよ。

かわいそー。

・でもね、何回か運んでいるうちにね、顔つきが引き締まってくるんだよ。

へぇ、そうなんだぁ、、、

・自然に鍛えられるんだよ。自然と一体化するんだよ。

そういうもんかなぁ。

・そうだよ。毎日ジャンジャンこの仕事があればいいんだけどなぁ、、、

それじゃあ、強制労働じゃん。

・「強制労働」、大事だよ。

ええー、何を言い出すのぉ?キタ〇〇〇セン?

・「強制労働」にもいろいろあってね、権力者が民に強いる強制労働は問題だけど。

・自分が生きるために、自然の中で生きるために、自然に強制されるなら、、、

・それは、自然との共生の労働だよ。

ダジャレですか?

・ゴメン。、、、話題、変えますか?

、、、

・えっと、ねぇ、、、今、収穫できるのはレタスだけ。です。

、、、

・畑の周りのノビルとか、フキとか収穫している。

うん。食べた食べた。

林くんはいろいろ工夫して10種類以上出している。

スゴイね。

・絹サヤとかね、春の味だよねぇ。三つ葉とか。

食べたい食べたい。

・絹サヤはねぇ、収穫がメンドーくさいんだよ。

来年は作ったら?

・まぁ、我々は我々のやり方。

というか、能力がチガウんでしょ。林さんとは。

・そうだよ。束になってもかなわない。比べてもしょうがない。

そうだね。

・林くんは、今、夏野菜の苗づくりと植え付けに忙しいけど、我々はもっと単純。

トマトやナスは作付けないんだもんね。

・そう。4月に植え付けたのは、ジャガイモ、サトイモ、ネギ、カボチャ。

、、、

・あと、5月のサツマイモと6月の大豆で植え付けは完了。

それしかないの?

・豆芋ファームだからねぇ。

つまんないなぁ。

・でも、昨シーズンはサトイモは1㌧もできたんだよ。

芋だけはたくさんあったね。

・ネギだって、絶やさずにあったでしょ。

ダイコンはイマイチだったけど、、、

・そういうこともある。豆芋以外も少しずつは、あることはあるよ。

なに?

・ダイコンがもうすぐ収穫。エダマメ、インゲン、オクラ、モロヘイヤなども始まった。

でも、トマトやナスはやらない。

・ピーマンもね、ピーマン、シシトウくらいはやってもいいんだけどね。

やってよ。トウガラシくらい。

・そうだね。考えるよ。

よろしく。

・豆芋ファームを発展させるのが今年の課題だよ。

ふぅん。

・それと、シェア田んぼ。

はいはい。

・興味なさそうですね。

できた野菜には興味あるけどね。

・まぁ、そういう人はそれでいいけど、、、でも、作るところから係わる人を増やしたい。

谷っ戸ん田でやっていたように、ということ?

・うん。暮らしの中で、「耕して食べる」を実践する人を増やしたい。

石ちゃんが増やすの?

・まぁ、たいしたことはできないけど、でも、もがいてみるよ。

自然の中での強制労働?

・労働なんて、たいていは強制だろ。それを共生にできればいいじゃん。

なんか、屁理屈のようにも聞こえるけど。

・でも、食べることが好きで、作物や料理を作ることが好きな人は?

うん。

・自ら動くでしょ、働くでしょ。

まぁ、ね。

・働くって言っても、賃労働をしている感覚とはチガウ。

うん。

・農作業の魅力は、そこに没入して我を忘れることだという説もある。

へぇ。まぁ、自然と一体になる、ってことかなぁ。

・うん。その場合の自然とは何か、を、考えてみたい。

何?

・日本にはもともと「自然」という言葉が無かった。

なんか、聞いたことがある。

・「自然」というものを人間から切り離して考える欧米的な考え方。

ふうん。よく分かんないけど、、、

・俺もしゃべっていて、実感はないんだけどね。

ダメじゃん。

・でも、俺自身は自然と自分を切り離してはいない。一体化していると思っている。

そっちの実感はあるんだ。

・特に畑や田んぼにいて作業に没入しているときはね。

もう、野生に戻っているという感じ?

・うん。人間じゃなくなっている。カエルとか芋になっているかのような、、、

ええーっ。

・自然に対する考え方もいろいろだよね。

・例えば、都会でマンションに鉢植えを置いていても、それは自然。

そうかなぁ?

・人の手が全く加わらない原始林とかこそが自然と考える人もある。

うん。そういう人は多いよね。「大自然」

・山で切った木を運んだといったけど、木を切ったら自然破壊と考える人もいる。

それは、いるかもね。

・でも、人間が手を入れることで自然が守られているのが里山。

そっかぁ。田んぼや畑も自然と考えるかどうか?

・そうそう、そういうこと。

でも、そこの話をしたかったの?

・いや、そういうわけでもなかったような、、、

・今度、また、「ようこそ青葉の自然へ」ってお題でしゃべるんで。

そうだったか、、、

・でも、考え始めると、かえって混乱する。

ははは。

・今回も、話がまとまらなかったね。

ま、そんなもんでしょ。

宇根豊さんが主張している「農本主義」の話をしたいと思っているんだけど、、、

へぇ。難しそう。

・難しいそうな話をヤサシク話してみたいんだけどね。

また、今度にしましょう。

・「なぜ耕すか」の続きもね、考えているんだけどね。

また、いつか、ですね。

・そろそろ暑くなってくる。

うん。

・日々汗だくになって働いていると、頭が物を考えなくなってくる。

ははは。

・それが自然と一体化ということか???強制労働か???

頑張ってください

 

(石田周一)