第92回 釜飯仲間・おこげのお話
2016.7.28神奈川・緑の劇場
世界に70数億人の人々が暮らしているとか。ひとりひとり、違う人生を歩んでいる。
ひとりとして同じ考え方の人はいない。同じ価値観の人はいない。そう思っていても、どこかで、「同じ」を求め、違うことを認めず、避けていたのではないか。
そんなことに気がついてしまうと、自分が見てきたもの、聞いてきたものさえも、見直したり、聞き直してみたくなる。そうして、自分の「間違い」に気がつくのは、辛い。
さらに、自分がしゃべったことは、やってしまったことは、もうもどらない。
が、「点検」をせずに、この先を歩むことも怖い。
NORAの仲間、「はまどま」に集う人々、野菜市で出会った皆さん。生産者と、その家族ひとりひとり。
みんなの暮らしの役にたつことがあれば。壁にぶつかっている人に、自ら乗り越える力が湧き出せば、と思ってささやかな企画を続けてきたけれど。
どうやら、自分に戻ってきたらしい。
人生、いろいろタイミングがあるけれど、きっと、そういうタイミングなのだ。それも、ありがたいことだと思う。
子どもたちの貧困が、日を追うごとに頻繁に、大きく報じられるようになった。生きづらさを抱えている人に、性差も年代も枠は無い。
「農」に生きたいと思う人々は増えている。
「自然」と向き合った生き方を求める若者にも出会う。
「里山でシゴトする」NORAが設立時から掲げていた命題は、十数年の歳月を経て、多くの人々に必要で、より大切なことになっていると思う。
そんな折、2016年7月26日(火曜日)未明、相模原市緑区(旧相模湖町)神奈川県立の障害者施設「やまゆり園」での殺傷事件が起こった。
ひとり、ひとり、違う人生。大切な命。
自分も大切にされたい。(大勢の皆さんから、ものすごく大切にされています。)
ひとも、大切にしたい。大切にできる人になりたい。
(2016年7月27日記 おもろ童子)