第80回 畑で土木作業
2015.4.30いしだのおじさんの田園都市生活
いつのまにか日焼けしてるね。ずいぶん。
・日照不足の4月だったけどね。
ちょっと晴れると、もう、、、
・野菜たちもしっかり光合成してほしいな。
野菜たちも、って、もって、石ちゃんも光合成?
・日を浴びて、セロトニンもよく出るよ。
ハイハイ。、、、年度が替わって、何か変化ある?
・畑の作業体制が少し、、、
少し?何?
・職員が増えて、実施日も増え、作業効率も上がったね。
じゃ、野菜がもっと良くたくさんできる?
・そうしなきゃね。職員のみなさん、技術的はまだまだだけど、工夫していくよ。
教育係?
・教育なんてオコガマシイ。ともいくだよ。
頑張って、前に進んでね。
・「前進」だね。OJTってやつ。若手職員に伸びてもらいたいね。
うん。
・「俺が死んでもちゃんと畑で野菜ができるように」って言っているんだ。
ヤメなさい。悪い冗談。
・施設長、「石田さん亡き後」って切り返していたよ。
ま、若い人に頑張ってもらって、、、
・先日は休日出勤してもらった。土曜日作業。
手当、ちゃんと出している?
・いや、それはここでは答えられないよ。
ダメじゃん。いつも言っていることと矛盾してるじゃん。
・そうだね。この業界の条件の悪さはナントカセネバナラン。
そちらの業界だけじゃないけどね。ブラックは、、、
・いや、うちは畑をやっているからブラックではなくグリーンだけど、、、
なに、言ってるの。
・今はまだ土ばかりが見えているからブラウンか。
イミフメイ!
・このあいだの土曜はまさに、農作業というより土木工事のようだった。
どういうこと?
・機械で畝作りをしたんだけど、それは、ガーデニングというよりガテンニング。
余計に意味不明なんですけど・・・
・そういえば、最近「ガテン」って、あんまり聞かないね。
?
・土に触れているより、機械に触れている感じで、畝もビニールだし、、、
そうなんだ?
・畑も一定以上の規模になると、機械は必須。
それはわかる、気がする。手作業じゃでききれないし、効率も求められる。
・むしろ、いかに上手に機械を使うかに頭を使うんだよ。
そうなんだ。
・俺は、自分が使うだけじゃなくて、利用者さんにいかに使ってもらうか、考えている。
ふうん。
・主役は彼らだからね。それに機械を使うことで意欲がわく人もいる。けっこう。
楽しいだろうね。
・そうだよ。クルマの免許は難しい人たちばかりだけど、畑の機械なら運転できる。
うん。
・何度か話しているけど、最近の機械はいい意味で単純化されていて使いやすい。
でも、危険もあるでしょ。
・うん。でも、危険も単純化しているから、対処しやすい。
そうなんだ。
・利用者さんが使いやすい機械をそろえた。
そういうところを考えて実行できるところがエライね。
・でしょ、でしょ。もっとホメて、ホメて!
ハイハイ、ホメることを探しますよ。
・とにかく、このところの畑は土木作業の様相だよ。
『はたらくじどうしゃ』ってことだね。
・そういうこと!
!
・とにかく、3月から5月の前半で畑の8割に植え付けをするんだよ。
忙しい?
・うん。でも、楽しいよね。失敗するかもの不安もあるけどね。
ゴクロウサマ。
・はい。
でも、バタバタと面積をこなしていると一つ一つがオロソカにならない?
・いや、いい質問だね。ははは。
笑いごとじゃないでしょ。
・うん。実は野菜をしっかり見る、という意味では、我々は家庭菜園以下。
一つ一つをじっくり見れない?数が多くて?
・そうだよ。だから、ときにプロよりシロウトの家庭菜園の方がいい野菜を作る。
そうなんだ。
・林くんも言っていたよ、直売のお客さんに野菜作りを教えられることがあるんだって。
ええーっ、そうなんだ。
・だって、苗一本、実一つにかける時間は家庭菜園の方がはるかに多くある。
考えてみれば、そうだね。
・そこを誤解して「俺は農業ができる」って、家庭菜園から就農して失敗する人もいる。
ふうん。
・だって、家庭菜園の野菜を人件費も入れて計算したら、どうなる?トマト1個500円?
売れるわけない。
・1個作るのと、1,000個作るのと、100,000個作るのでは・・・
やることが全然チガウだろうね。
・わかるでしょ。
経営は数字をしっかり見ないと・・・
・思いだけじゃ、できない。祈りだけじゃできない、と言った人もいる。
石ちゃんは?数字?ちゃんと見ている?
・あらら、痛いところを突いてくるね。
でしょ。
・福祉施設の農業は家庭菜園じゃないけどでも採算優先でもないんだ、よ。
ゴマカシてない?
・ご、ご、ゴマカシじゃないよ。
ま、いいや。その辺は、今回は。
・(ホッ)
で、どんな機械を使ったの?
・乗用耕耘機で耕して、いや、その前に歩行式草刈り機で冬野菜の残りをブッ飛ばして。
なんか?漢字の機械ですね。
・アグリカとかカルマックスとか、メーカーのつけた名前はあるけどね。
メーカーに従っては呼びたくない?
・いや、そんなことないよ。現場ではそのカタカナ名で呼んでいる。
そ。
・でも、それじゃ、説明にならないでしょ。
ま、ね。
・昔はね、ジェニーって名付けた機械もあった。
ナニ?それぇ?ジャニーズ?
・いや、すぐにご機嫌ナナメになる機械。
くだらなすぎる。
・俺、田園コロシアムのコンサート、行ったよ。
いつの話?
・たぶん、1979年ころ。高校生だったような、、、
も、止めよう。脱線し過ぎ。笑ってくれる人いないよ。もう。
・でも、再結成したみたいだよ。ユーチューブもフェイスブックもある。
(ここでユーチューブにアクセス。パヒュームなどのバージョンを流す)
だから、畑の機械の話に戻して。
・そうだね。このあいだの土曜日にはKさんとTさんと我が社の若手とで、ね。
土木工事?
・そう、機械は畝立てマルチはり管理機。べジマスター。1日で12本の畝をつくった。
それって、多いの?
・Kさんは、「機械に慣れたころに1日が終わった」とコメント。
タイヘンだったんだ?
・先日は俺と利用者さんとで2時間強で6本だったよ。
じゃ、Kさんや若手も使い方はもうバッチリ?
・そうならないところが、また、ね。俺がいないときに任せることはできない、まだ。
エラそうな言い方。
・いや、そう聞こえた?ゴメン。でもね、まぁ機械そのものに慣れていないから、ね。
そう。
・俺もさんざん失敗して修得した。それに一人で練習もした。
一人で練習って、いいけど、効率悪くない?
・そうだよ。でも、教えてくれる人がいなかったから、ね。そのころの俺には。
じゃ、石ちゃんはちゃんと若手をコーチして修得までを短縮しなきゃ、ね。
・そう。それに楽しく学んでもらいたい。
楽しくなきゃね。休日に働かせて。
・参加してくれるKさんやTさんは「働いている」という意識は無いと思うよ。
そんな、勝手な解釈、あり?
・コミュニティガーデン、って言うんだよ。
そこでカタカナが出てくる?
・コミュニティガテン。
こらぁ!
・Kさんはね、「普段の仕事ではデータを眺めたり、マネージメントで、結果も見えにくくてメゲルけど、ここに来れば、お天道さんの下で体を動かして結果も見えて、リフレッシュになるんだ」って若い職員に話してくれて、ワカイモンも妙に感じ入って、、、
ふうん。そういうところがまさにコミュニティなんだ。
・そーなのよ。
そして、結果として、作業が進めば平日の仕事も楽になる。
・そうだけど、別に楽をしたいとは思っていない、よ。
なんで?
・楽しいんだよ、作業自体が。ほんとは自分たちでやりたいのを分けてあげている。
そこまで言う?
・いや、言い過ぎ。やっぱ、手伝ってもらえるってウレシイよね。
スナオにそう言いなさい。最初から。
・手伝ってもらえて、助かるし、ウレシイ。でも、手伝う方も楽しいんだよ。
また、一言ヨケイ。
・でも、お互いに「アリガトウ」って言える、コミュニティガーデンは、いいなぁ。
「いい薬です」とか、言っていないでしょうねぇ。
・どーも、スミマセンッ!
(石田周一)