石田のおじさんの田園都市生活

第84回 ようこそ田園都市の自然へ、、、?

2015.8.30
いしだのおじさんの田園都市生活

講演、するんだって?
・うん。久しぶり。青葉区で。
大丈夫?ですか?
・頼まれたら断らない。自信は無いけど。青葉区だし。
どういうテーマ?福祉?農業?それとも???
・ま、分野でいえば、自然かな?
タイトルは?
・なんだったっけな? 川ガール森ガール。

・?
ガールに惹かれたでしょ。
・ははは。
・青葉区の「身近な自然に親しもう」という全5回の第1回
へぇ。
・「ようこそ青葉の自然へ」って。
石ちゃん、しゃべれるの?そんなテーマで。
・どうかなぁ?俺なりにしゃべるしかないよね。
専門家ならほかにいくらでもいるでしょ。
・そうだよ、青葉区は人材の宝庫だから。
それに、今は石ちゃん。青葉区の住民ではない。
・そりゃ、そうだ。でも、チラシに「66年以来青葉台で暮らす」って。
あーあ、いけないんだ。カンバンにイツワリ。
・住民票が無くても家はあるからね。ウソではないし、ま、ま、ま。
イツワリ。専門家じゃない人。
・子ども時代を青葉台で過ごし、幼稚園から高校も地元だし、仕事も。
ま、それは、ね。
・そして、自然とかかわって来た。
うん。
・動植物や川や森のいわゆる専門家じゃないけど。そこがまたミソ、って、ことで。
誰が石ちゃんを選んだんだろうね?
・うん。不思議だよね。
本人が不思議がってどうする?
・吉武の代役、かもしれない。二人でトークしようか、って提案もしたけど。
とりあえず、そうはならなかった?
・彼女はその日はすでに先約がある。
それで、、、
・NORAの理事という肩書で出ることにした。
働かない理事なのに?
・いいだろ。サボる、というハタラキをしている。
で、どんなこと、しゃべるの?
・考え中だけど、、、このあいだ、打ち合わせはしてきた。
うん。
・俺の個人的な青葉区の自然とのかかわりから、話し始める。
コジンテキ?
・子どもの頃、青葉台の駅でカブトムシを拾った。

・60年代後半の青葉台の姿。写真も見てもらう。
石ちゃんの写真?
・実家で探しちゃったよ。ま、俺がドロンコでザリガニ取りしている写真もいいよね。
えー、キモイかも。
・青葉台の駅の周りが空き地、っていう写真がある。
なるほど。昔の様子がわかる。
・緑被率の変遷の資料を使うと少しセンモンカっぽいかも。
ぽくても、ホンモノではない。
・サイトで国土地理院の航空写真で1975年、ってのもあるよ。

・俺は自然が身近にたくさんあったころの子ども。
うん。
・『子どもと自然』(河合雅雄:岩波新書:1990)という本がある。
少し古い。
・古くても物事の本質は変わっていない。
そうか。
・そこに「内なる自然」という言葉が出てくる。
うん。
・自然、って、普通は人間の外にあるように思える。
うん。たいてい、そう思うよね。
・でも、人間はヒトという生き物であり、自然の一部であり、内側にも自然を持っている。
うーん、なるほど、そうだね。
・けれど、あまりに都会的な生き方をしていると内側の自然が破壊される。
都会では、そうなるか。
・俺は、昔の青葉区でドロンコで遊んでいたから、内なる自然を持つことができた。
ふうん。それで、いまだに、土から離れられない。
・そう。
今の時代は土から離れることも大事なんじゃないの。
・えっ?
都会で生き抜いていかないといけないんだし。
・うんん
土から離れられなかったら、生きていけない、でしょう。
・そういう考え方もあるか?逆説的正論かも。そういう発想は無かったよな、俺には。(意気消沈)
ビジネスマンは土から離れていく。
・打ち合わせでは、遠くの自然より近くの自然。歩いていけるところの自然、って。
今回の企画はそういうコンセプトなんでしょ。ビジネスの話は脱線だったね
・でも、高度経済成長から脱成長へのシフトをどうとらえるか、という問題もある。
地方創生とか、、、
・話が広がっちゃったけど、俺個人に話しを戻すかな。
うん。
・特に「子どもの内なる自然を大事にしよう」というメッセージは強調する。
ガールでしょ。参加者は。
・ママ、とか、将来のママもいるでしょ。
孫のいる人も?
・ま、年齢制限はないからね。
ともかく。
・俺の個人史としては、青葉区ではテキメンに経済成長に従って遊び場と仲間が減った。
仲間?
・そう、カブトムシやマッカチン。
マッカチン?
・ザリガニだよ。子どものころのスーパーヒーローっていうか、アイドルっていうか。
その話、ガールはドン引きかもよ。
・ショボイのはアオチン、って言った。
そんなこと、聞いていない。
・あの赤黒いハサミや、ガーって怒る姿、
、、、
・穴に手を突っ込んで捕まえたり、タコ糸で釣ったり、
、、、
・尾っぽを振ってビンビンって、まだ手に感触が残っているよ。
、、、
・それに、ベランダで死んじゃうとくっちゃ~い、
、、、
・五感を刺激されて、コーフンしたというか、
、、、
・内なる自然が、外なる自然と、溶け合ったというか、
https://nora-yokohama.org/reading/archives/2009/0401000054/
、、、
・あのころ、ザリガニもワイルドでね、餌をつかんだら振り回しても離れない。
えっ、今は?
・糸を手繰り寄せて水面のあたりに来ると、サッと離して逃げちゃう。
ええーっ、頭良くなったの?
・どうも、そうらしい。
ホントかなぁ?
・ま、俺の個人的経験だけどね。今度、専門家に聞いてみるよ。
で、その先の話は?
・45年ほど前のガキは身近な自然で遊んだけど、今は?
大昔と較べてもねぇ、、、
・でも、子どもの本質、人間の本質は変わっていないはず。
それはそうかもしれないけど、どうも素直に話に入れない、かもよ。ガールたちは、、、
・なるほど。おじさんの昔話だけじゃマズイか?
そうだよ。
・子ども時代の喪失感の話もしようと思ったんだけど、、、
何?子どもが何を無くした?
・だから、マッカチンやカブトムシが場所ごと消えたんだよ。自然が無くなった。
それが?
・子ども心に「あいつらどうしたんだろう?」みたいな、さみしさがあってね。
へんな子ども。
・そうかなぁ。ま、マッカチンやカブトを仲間と思っていたんだろうね。
今の子どもはそんなこと思わないでしょ。
・そもそもの体験が無い。
その体験を創ってあげることの話をしなきゃね。
・そうなんだよ。そこ。どうしようか?
そりゃ、よく考えてよ。
・谷っ戸ん田に参加していた子どもたちはそれなりの経験ができていたよ。
それも、昔話じゃん。
・ううむ。でも、恩田の谷戸FCがある。他にも自然にかかわるグループ、いろいろ。
そうだね。そういうとこにフルしかないね。
・いや、俺んとこの畑もある。
結局、農業の話になる?
・我田引水か?
まさに。
・でも、青葉区の自然の大半は農業・農家があって今があることは話したい。
うん。
・リスペクトが必要だよ。
でも、農家もいろいろでしょ。
・そうだね。そうかぁ。開発に積極的に協力してきた農家もたくさんある。
自然が破壊されたのも農家の、、、
・そもそも農家ばっかりだったんだ、青葉区は。
もう少しよく考えてから話をした方ががいいんじゃない。
・メンボクない。
しっかりしてください。
・でもね、結局、俺の身近な話をするのがイチバンなんだよ。
そうだとしても、みなさんの興味がわくように工夫しなきゃ。
・そりゃあ、そうだ。
うん。
・子どものときの体験から、今現在進行していることを、
個人的経験から、
・少しは社会的な話に広げて、
農業の話へ持って行って、
・市民が耕す農の話へ、「自給権」の話に持って行きたいね。
あんまり自己主張が過ぎても引かれちゃうかもよ。
・いやぁ、明峯さんみたいにガンガン主張してみたいね。
無理無理。キャラがチガウでしょ。
・そうだけど、チャレンジしてみたい。
大江さんのお話はどうなんですか?恵泉で聞いたんでしょ。
・うん。大江さんもいい感じでグイグイしゃべる。場数も踏んでいるしね。
石ちゃんはまだまだ経験不足。
・まぁ、その自覚もあるけど。大江さんの本には横浜の農業のことが出てくる。
そうなんだ。
・しかも、その章のタイトルは「市民皆農」だぜ。
それは興味を持ってくれるかも、
・くれないかも、、、とにかく俺のペースでしゃべる。
どうぞ、どうぞ。
・自然に触れる切り口はいろいろあっていい。俺のしゃべり以外は外に出るんだし。
いろいろありあり多様性でしょ。
・農、自然観察、ウォーキング、それぞれその人らしい自然へのアプローチでいい。
それだけのキャパがある。青葉区には。
・そう。今はね。
これからは?
・自然を守るならやっぱり農だよ。田んぼだよ。
そう来るわけ、だね、やっぱり。
・みんなで自分の食べるお米を作る。ヤットンダの紹介はするよ。
もう、過去の話なのに?
・また、新たなチャレンジをすると宣言する。
どうぞ、どうぞ。
・みんなでお米を作ることを「集団的自給権」という。
またまた、そこそこホドホドにしておいたら。
・いや、明峰さんや大江さんにはかなわないが、俺には俺の、、、
はいはい。
・自然は社会的なものだということだよ。
グッドラック。

(石田周一)