石田のおじさんの田園都市生活

第72回 暑さは過ぎて

2014.8.31
いしだのおじさんの田園都市生活

夏も終わりですね。
・そうかなぁ。
急に涼しくなって、、、しまいましたね。
・おセンチになるね。身体は楽だけれど、、、
どんな夏でしたか?
・なんで?敬語?
たまには、よろしいじゃあないですか。いかがな夏でしたでしょうか?
・田んぼの草取りをしなかった。主体的にかかわる田んぼが今は無い。

・何年振りだろう?

・25年くらいかな。改めて考えると、、、
ずいぶん長く田んぼの草取りをされてきたんですね。
・まぁ、林くんの1年分のほうが多いかもしれないけれど、ね。
林さんはスゴイですね。エライですね。子どもさんもかわいいし。
・うん。
林さんの手伝いをすればいいじゃないですか。
・手伝わせてもらえる田んぼはいくつかあるよね。ありがたいことだよ。
山梨は?
・うん、初心者たちとの田植えは楽しかった。
ベテランぶりを発揮できたのではないですか?
・いやぁ、ロートル、ですよ。

・田植えだけして、草取りをしていないというのも、ちょっとウシロメタイ。
そうなんですか?
・ま、しょうがないか、、、(溜息)
でも、畑は頑張っている。じゃないですか。
・うん。ま、ね。春からの新しい畑、形にしないとね。
ゴクロウサマです。
・でも、ここのところ草刈りの仕事が入って、その分最低限の作業しかしていない。
どういうこと、ですか?
・事業所として草刈りの仕事を契約したんだ。そこに労力をかけている。
その間に畑の草が伸びたりしませんか?
・それはあるけど、いくつか工夫していて、なんとか、、、
工夫で草が伸びなくなる?はずないですよね。
・段取りの工夫だよ。早め早めに対処すればずいぶんと違うんだ。
そうなんですか?へぇ?
・とりあえず、草刈りのほうがお金になるから、そっちに労力をかけている。
はい。
・でも、去年より、その前の年より、畑にいる時間、けっこう増えたな。
土曜日に行っていましたね。
・うん。毎週の谷っ戸ん田はなくなったけどね。
その分、自由になったでしょ。ですよね。
・うん。おかげで長瀞のカヤックツーリングにも参加できたし、和歌山にも行けた。
良かったですね。で、どうでしたか?土曜日の野良仕事は?
・このあいだは、また、新しい展開ができて、楽しかった。
よかったですね。
・午前は雨だったけど、その時間も森の中を歩いて、メダカの池を見て、楽しかった。
よかったですね。
・雨の中でサツマイモを掘って、怪我しちゃって、、、情けなかった。
よくなかったですね。
・初心者の皆さんに「怪我だけは気を付けよう」って、言っておきながら、、、
駄目ですねぇ。
・でも、サツマイモ、ちゃんとできていた。
あれ、家にはもって帰ってないじゃん、、、ですね。なんで~、ですか?
・小学生にあげちゃった。気前よく。
家にも小学生いるじゃない、、、ですかぁ。
・ちゃんと作業に参加したら、あげるよ。その子はなかなかの参加ぶりだったよ。
どういうことぉ?ですかっ?
・畑や野菜に興味があって、いろいろ聞いてくるんだけど、その質問力がすごい。
へぇー、例えばぁ?何ですか?
・イモは種から作るのか?とか、説明すると、また、そこに質問でつっこんでくる。
イモって、つるみたいな苗を植えるんでしょ、ですよね。
・そう。そう答えると、そのつるはどうやって作るのか?という次の質問になる。
スゴイッ!家の小学生、そういう発想無いもんね、ですよね。
・それを自分の家の庭でできないか、とか、それは本当にやりたそうに聞いてくる。
なんて、答えたの?ですか?
・家でもできるかもしれないけど、畑でやろうよ、ここにおいでよ、って。
来てくれる、って?言っていましたか?
・うん。
それは、よかったですね。
・で、ね。そうしたらこの畑はいくらで借りているんだ、という質問も出てくる。
将来、自分でも借りてみたいのかな?でしょうか?
・かもね。サツマイモの苗は1本いくらかも聞いていたよ。
センスがいいですね。
・そう。俺としても教え甲斐がある。楽しい。
サツマイモあげたくなっちゃうんですね。
・そうだよ。
ほかの参加者は?どんな方ですか?
・50~60代のおじさんが3人と若者2人。
若者がいいですね。
・そりゃ、もちろん。我が社の若い衆だよ。20代前半かな?
石ちゃん、おじさんじゃん。ですね。
・おじさん、若い子に技術指導だよ。後継者育成。
先輩後輩というより親子ほど年の差があるじゃないですか?
・うん。それはそれで楽しいけど、組織としては、ちょっと、ね。
でも、彼らは頑張ってくれたんだ?ですか?
・うん。「楽しい楽しい」って、機械を動かす女子とかね。
いいですねぇ。
・草取りでも作物にかかわれて「気分がいい」っていう男子とか、ね。
今後も楽しみですね。
・うん。仕事の非番の日に自主的な技術研修だから、ね。
ビールくらいおごってあげなきゃ。
・いや、野良ビールは無理だけど、次回は農家カフェにでも行こうかな。
そんなのがあるんだ。
・あるんだよ。横浜は、いろいろ。
おじさんたちの方は?どちらの方?
・それがね、このコラムの読者さんだったりしてね。
それは、よかったですね。
・いや。こっちが照れちゃったけどね。
ははは。
・コラムを読んで2年、やっとお会いできた、なんてね。
そうなんだ。読んでくれるなんて、お礼しなきゃ。
・うん。
農に興味のある人はつながれるね。ますね。
・そうだよ。いいつながりをこれからも増やしたい。
ところで、畑の様子はどうなんですか?
・オクラとモロヘイヤ、美味しく食べているでしょ。
そうですね。オクラは小さいのも大きめのもそれぞれに美味しかったですね。
・まぁまぁの収穫だったね。そして、大豆がこんもりと繁ってきている。
期待できる?すか?
・これから実がしっかり入ってくれるかどうか?
どういうことですか?
・蔓ボケとか木ボケ、って言ってね、繁っているのに実が太らないことがある。
それは、心配ですね。何かいい方法は?
・少し追肥したけどね。ドキドキしながら、まずは枝豆収穫が楽しみ。
枝豆って、初夏の味覚じゃないの?
・ほらほら、またまた出ましたね。シロウトのアカサカミツケ。枝豆は秋の季語です。
そうなんだぁ、、、ですかぁ?
・この話の続きは、またにしようか。
食べながら、美味しくいただきながら聞くことにしましょうか?
・そうだね。
いい秋になるといいですね。
・とりあえず、猛暑と戦いが終わっただけでも気持ちに余裕ができるよ。
でも、日が短くなるでしょ。
・そうなんだよね。やっぱ、おセンチになる。
おセンチなおじさん、、、ちょっと不気味なんですけど。

石田周一

 

いしだのおじさんの田園都市生活