石田のおじさんの田園都市生活

第55回 谷っ戸ん田の魅力

2013.3.31
いしだのおじさんの田園都市生活

・またまた山梨行ってきたね。どうだった?
運転で疲れた。2日間で10時間近く運転していたからね。
・で、夜はノンダクレでしょ。
メンボクない。いや、打ち合わせだよ。
・何話したか忘れちゃってるんじゃない?
いやいや、話の内容だけが大事なわけじゃない。
・また、イミフメイをのたまう・・・
ハートが通じればいいんだよ。
・帰ってきたとき、かなりグロッキーだったね。
あの、その・・・複雑な気分だったんだよ。
・どーゆーこと?
限界集落、耕作放棄地、後継者不足、中山間地、tpp・・・
・うーん。
ことばは知っていたけど、現実を理解していなかったことを目の当たりにした。
・そうなんだ・・・
八ヶ岳はきれいだった。目の前にあって。
・そんな山奥じゃない?
インターまで30分足らず、15分くらいで清里。
・それでも?
お話を聞いた働き者のおじさんは、すごいステキな方。
・田んぼ、やっている人?
20町歩くらい?請負も多いから機械もそろっているし・・・
・大きな機械?
田んぼだって1枚2反とか・・・
・中間山地でしょ?
いや、そこはイメージが違ったよ。
・どう?
中山間地の限界集落といっても、そんな人里離れたところじゃない。
・深山幽谷ではない?
田んぼは大きく造りなおしてある。
・大型機械も入る。
そう、あの「阿賀に生きる」のイメージとはチガウ。
・それでも後継者がいないの?
みんな、やめたがっているような話だったよ。
・悲しいね。なんとかしなきゃ・・・
うん、そうなんだけど・・・どうすればいいんだろう。
・また、行くんでしょ。行って何するの?
何をするか考えに行くんだよ。
・そうですか?なんか、頼りないですねぇ(タメイキ)
ゴメン・・・
・・・・
(タメイキ)
・そうこうするうちに、春ですね。
お彼岸に桜が満開。でも、冬の気温も。
・谷っ戸ん田はどうなるの?
どうなる、って、春になればまた始まる、輪廻転生だよ。
・なんか、ことばの意味が違うみたいだけど・・・
とにかくみんなで春を味わうよ。
・子どもたちも?
そうだよ。こどもたちはどう感じるか・・・
・ヒデもいい感じのときもあるしね。
うん。Uさんちの3兄弟も、先週とかよく働いていたよ。
・そうなんだ。
遊び半分にも見えるけど、子どもが農作業をする姿はウレシイよ。
・ヤリガイあるね。
いや、子どもたちのためでなく、自分のためがイチバンだよ。
・それでも・・・コウケイシャ、必要でしょ、ここでも・・・
うん、子どもたちが学んだり感じたりして、何かを引き継いで行けたらいいね。
・いつまで続くかわからないけど、まずは今が大事。
谷っ戸ん田を続けていくことが大事。
・どうなの?
うん、ちょっと会員が減っているんだ。
・困るでしょ?どーすんの?
宣伝するよ。この前も、某NORAで宣伝した。
・反応は?
いや、それが・・・
・どんな宣伝だったの?見せてよ。
えーとねぇ、
谷っ戸ん田には自然がいっぱい、
農作業はより本格的な内容、
そして仲間といっしょに楽しめる・・・
と、その3点をまずはアピールしたんだけどね。
・もう一度、ここで語ってみたら。
そうだね。まずは、自然がいっぱいだけどね。
ホタルがいる田んぼでの米作りの体験、ってスゴイよね。
そして、そのお米を食べられるんだよ。
・ホタルとお米と関係あるの?
そこは、感じ方の、いわば感性の問題だけど・・・
・ほかの生き物もいろいろたくさんだよね。
子どもの好きなカブトムシやクワガタにカエルやトンボも
・ヒデもコーフンするもんね。
俺のガキのころみたいで、ウレシイよ。
・子どもが子どもらしいっていいよね。
「正しい子ども」って言うんだ。
・椎名誠風?
ま、谷っ戸ん田は「正しい谷戸」だよ。
・そーですか?
横浜市のやった生き物調査でもとても高い評価だったよ。
・わかる人にはわかる?
うん、Kさんのブログとかをじっくり見てほしいな。
・次の魅力は、本格的な作業?
そうだね。よくある体験水田は、米作りのハイライトだけ。
・でも、谷っ戸ん田はチガウ?
うん、セブンスターもショートホープも・・・
・やめなさい。
Kさんはキャスターだよ。
・だから!
つまり、田植えと稲刈りを手作業でやるのがよくある体験水田。
・でも、谷っ戸ん田では、
田起こし、しろかき、くろつけ、種まきもするし・・・
・より多くの作業を体験できる?
うん、機械もいろいろ使うし、将来独立して田んぼをやる人にも対応できる。
・そんな人いるの?
Tさんはいずれ里帰りして百姓暮らしをするつもりらしいよ。
・もう一人でできるレベルになっている?
まぁ、そう簡単ではないけどね。でも、この6年でいろいろ学んだはずだよ。
・後継者の育成、ですね。
いや、そういう方針があるわけじゃない。機械をいじるのって楽しいんだよ。
・そう。
トラクター、耕耘機、田植え機、稲刈り機、脱穀も籾摺りも、草刈りも・・・
・気をつけてよ。
はい。でも、この6年、けが人は出していない。
・それはスバラシイ。
今後もそこは大切にするよ。
・そして、最後は仲間がいる楽しさ、ですね。
うん。会の目的には「親睦を深め」とある。まぁ、雛形通りだけど。
・大事ですね。
うん、田んぼではね、作業中は下を向いていることが多いんだけど、
・そうですね。
でも、草取りとか、いわゆる「辛い作業」も、大勢だと、「辛い」が「楽しい」に変わる。
・不思議ですね。
うん、化学反応が起きるのかね。下を向いて黙々とやっているのに、ね。
・親睦行事もある。
うん、最近少し勢いが落ちたけど、以前は屋形船とかバスでの研修旅行とか・・・
・へぇ、呑み会は聞いたことあるけど。
うん。またやるよ。
・農作業は大勢でやると楽しいね。
うん、メンドークサイこともあるけど、ね。
・それは、言わないほうがいい。
そうだね。宣伝の後に言うことじゃないね。
・トリケシトリケシ
しかし、まだ谷っ戸ん田の魅力を表現しきれていない。
・言葉には限界があるでしょ。
そうだね。でも、なんかもう少し言葉を足したい。
・石ちゃんにとっての魅力は?
うーん。フルサトで土に触れている感覚かなぁ・・・
・フルサトね。
それに、あそこに田んぼがあること、あり続けるには、耕すしかない。
・ふうん。
責任を果たしている感覚かなぁ。
・わかりにくいね。
それにもう一つの責任として「自分の食べるものは自分で作る」ということもあるよ。
・ますます、わかりにくい。
いや、わかってもらいにくいかもしれないけど。これが一番の魅力だな。俺には・・・
・・・(つづく)

(いしだのおじさん)

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