石田のおじさんの田園都市生活

第42回 自給権

2012.2.29
いしだのおじさんの田園都市生活

「スポーツ権」って聞いたことある?
ええっ、なに?
やっぱ、知らない?「スポーツ権」
剣道かフェンシングみたいなもの?
いやいや、確かにスポーツチャンバラってあるけどね。
えー、知らないけど・・・
スポーツをする権利のことだよ。
スポーツが嫌いな人はどうするの?
そういう問題じゃあなくて・・・
誰もがスポーツを楽しむことができる社会を、という主張だよ。
うちの子も楽しんでいるけど・・・
うん、でも、月謝が高いよねぇ。
そうそう。プロになってもらって贅沢させてもらわなきゃ。
いや、そういう問題じゃなくて。
Jリーガーの可能性あるかなぁ?
いや、それは俺も期待したいけど。
すぐケガするから向いていないのかも?
それも心配だけど、今はスポーツ権の話。
・・・
スポーツを楽しめる機会が普通に保障されること。
ふーん、じゃあ、月謝をただにしてもらわなきゃ。
そういう問題でもないけど。
市民が使えるグランドとかが十分にあること?
まぁ、そういうことだよね。
それはなかなか厳しいかも。
まぁ、何を持って十分かは何とも言えない。
都会じゃあ場所が無い。
でも、学校開放を積極的にするとかはできる。
先生方も忙しいって。
夏休みのプール開放はあるよね。
先生はボランティア。
いや、あれは手当てが出ているとか・・・
えーっ!出てるのぉ?
いや、真相は知らない。
聞いてみようかな?
いやいや、スポーツ権の話。すぐ、それるから・・・
ははは。
まず、そういう権利があるんだと認められることが大事。
誰が認めるの?
ユネスコに「体育・スポーツ憲章」があるそうだ。
ふうん。
「スポーツは万人の基本的権利」って書いてあるそうだ。
そうなんだぁ?
昔はスポーツは特権的なものだったんだって。
どういうこと?
一部の金と時間に余裕のある人しかできなかった。
今でもそうじゃない。
いや、程度が違うと思うけどなぁ・・・
最近、ぜんぜんジムに行けていない。
いや、それは家庭内の問題というか・・・
金と時間に余裕がぁ・・・
あらららー、俺を責めているワケ?
金と時間・・・
ま、だからそういう余裕を作り出すことも含めて、
(早く金と時間。ブツブツ)
誰もがスポーツを楽しめるように、
(まず、私が・・・ブツブツ)
そういう世の中にしていこうという、
(世の中をアテにできない)
そのための「権利」を宣言するということだよ。
じゃぁ、義務もあるの?
い、いや、ど、どうだろう?
権利があれば義務もあるでしょ。
まぁ、それはそうだけど・・・
グランド整備とか?
そりゃ、グランドを借りて使ったら整備はしなきゃ。
重いコンダラを引いて?
がはは、そのギャグ、今の子どもには通用しないよね。
へへへ。
いや、そういう問題じゃなくて、
(なんだ、まだ、続くんだ。この話)
俺が言いたいのは、ね、
(しゃべっているより、スポーツすればいいじゃん)
「自給権」って、宣言できないかな、ってこと。
(何を言い出すんだ?この人)
誰もが農を楽しんで自給することができる、
(またまたぁ(苦笑))
そういう世の中にしていこうと、権利を宣言する。
いやいや、聞いたことの無い斬新な発想。
だろう。
でも、荒唐無稽。
そうかぁ?
農家は迷惑するでしょ。
どうして?
みんな自給しちゃったら、米も野菜も売れない。
まぁ、そこまではいかないでしょ。
極論で考えよ、とか言っているくせに。
いや、自給をサポートするのが農業になるかも。
またまた、極論ですね。
いや、練馬の体験農園なんかその例でしょ。
そう?
白石さんは農業はサービス業だ、って言うことあるよ。
なるほど。
楽しんでもらって、野菜を自給してもらい。
いい感じですね。
コミニティができて、という要素もある。
そうなんだ?
まぁ、都会のオアシスだよね。
横浜のこと言わなくてもいいの?
もちろん横浜だよ。本家は横浜。
谷っ戸ん田はその先駆的存在?
そうそう。練馬には田んぼはないし。
自慢だね。
それに横浜でもあんなにいいところはない。
カブトムシも取れるし。
そうだよ。
でも、自給としては?どうなの?
もちろん、自給自足ではない。
そうでしょ。
でも、足りない分を園主から買えば
生協やスーパーで買わなくてもいい。
というか、つながりのあるお米だから。
手伝いもしているんでしょ。
うん、だから半自給といえるかもね。
まあ、言えないこともない。
栽培収穫体験ファームという制度そのものが自給権の保障かも?
役所がコーディネートしているし?
そうだよ。
お金と時間の余裕のある人だけでなく、全ての人に・・・
そこがスポーツとは違うところで、
農家は特権的に農をしていたわけではない。
そうだよ。むしろ、農家は大変な思いをしてきた。
それを農地を市民に明け渡せとは言えない。
そうなんだ。農地は農家という人様の財産だから、
権利を主張して使わせろと言うわけにはいかない。
でも、農家も市民が土に親しむことは歓迎してくれる。
農を理解させたいという思いもあるはずだよ。
開放的な農家。
学校農園とかで地域貢献してくれる。
ボランティアでね。
だから、市民の権利と農家の活動を矛盾させずに「自給権」を主張したい。
あまり「権利」って言わないほうがいいんじゃない。
うん、権利主張が農家に対してだと誤解されたらヤバイよね。
でも、誰かに主張しなきゃ、権利ならば。
農家と共闘できるといいんだよね。
共闘?
「農地を守ろう」ということで、市民と農家が手を組むんだよ。
そうかぁ?
そうだよ。市民も利用させてもらいながら、農家の財産を共に守る。
なるほど。
農地は地域の財産でもある。
そうだね。
横浜では、事実上そうなっているようにも思えるよ。
谷っ戸ん田もそうなっている?
そうしていくんだよ。
そうかそうか。
ま、頑張ります、よ。
「自給権」っていう発想、悪くないかも?
だろう?
でも、なんか、「野球拳」とカンチガイしそうだけど。
なぬ?

(いしだのおじさん)

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