第87回 果樹の下は、小さな里山

2024.5.1
映像の持つ力

うちの、小さな森のある畑は、小さな里山が点在しています。

ポポーの樹下にあるホダ木の間から、白キクラゲの芽が出てきました。

ポポーの横にはソルダム(スモモ)とアンズが並び、隣りに2本の梅の木があります。

白キクラゲが出たポポーの隣にある、ソルダムの樹下では、小グモが団居(マドイ)をつくっていました。

目を凝らして見ると、赤ちゃんクモがうじゃうじゃ動いています。

団居からは、草の茎に向かい、1本の糸が張られています。小グモが一匹一匹と、糸をつたい、すーすーっと草から草へ、移動してゆきます。

ソルダムの樹下、直径20センチぐらいのできごと。

4月末、卵嚢から出た小グモは、ソルダムの樹下から、小さな里山の密林へ飛び出してゆきました。

 

コガネグモも健在。姫リンゴ、雪柳、クコの木と、下草取りをするたびに、幼体コガネグモが現れます。

 

小グモが団居をつくったソルダムを中心にアンズ、梅、グミと果樹が続きます。

今年の梅は様子が違う。たわわに実がつく枝は、カイガラムシがびっしり付いています。こんな様子は初めて見ます。梅はまだ成熟途中。大丈夫なのかしら?

翌日には、さらに、カイガラムシでびっしりの梅の枝に、アカホシテントウの幼虫がひしめいています。(ぎょぎょっ。)

なんと、このアカホシテントウムシの幼虫は、カイガラムシをムシャムシャとひたすら食べている!!。

枝からカイガラムシが減ってゆくではないですか。

 

ホダ木から出た白キクラゲは、翌日には、市販されている乾燥白キクラゲのように小さくなっている。

きのう見た白キクラゲは、まぼろし?

そうか、4月だというのに30度を超える真夏日だもの、干からびたのね。

 

いったい、みんな、どこから出てきたの?

今日も、うちの小さな森のある畑は、生きものがひしめき、行き交っています。

15年前、糸のようなミミズしかいなかった畑に、今年は、サツマイモを植えつけた地中から、小指の太さもあるミミズが出てきました。

 

減ることもなく、増すこともなく。

小さな里山をかたちづくる森林生態系。

捕食関係がいのちを作用し合う全体の仕組み。

その不思議さに関心しきり。

 

5月を迎えると、いよいよ、お米づくりが始まります。

2日前に、お米の種下ろしが完了。今年は、水田と畑にあるミニ田んぼの2か所に苗代をつくりました。

田んぼに水が入ると、いきものが、かえってきます。

人も、自然の一部ですね。

(中川美帆)

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