神奈川・緑の劇場 vol.34
2024.4.30神奈川・緑の劇場
神奈川・緑の劇場
=『地産地消の野菜市』のその先に。=
日本の食料自給率の低さが、今ほど話題になったことがあっただろうか?
1961年に最初の農業基本法ができて以来、日本の食料自給率は下がり続けてきた。
農基法の二度目の改定案が自民・公明・維新の賛成多数で、衆院通過した。
私は、食糧自給率向上はすでに間に合わない、今の政府はまったくやる気は無いし、手遅れと10年以上前から言い続けてきた。
60年以上、食料自給率向上のために力を尽くしてきた人たちの、本音だと私は思う。言わないだけ、言えないだけだと思う。
人口が急減する時代、基幹的農業従事者激減の時代となり、すでに自給率向上のための担い手は?どこにいるのだ?仮に生産量を維持したとしたら単純に自給率は上がる訳で、すでに自給率を物差しにする意味はない。むしろシーレーン防衛論、軍備増強のために、自給率の低さがその理由に使われる。
健全な地方コミュニティと国土保全なく〝食糧安保〟と言うならば、輸入に頼り軍事力増強で世界から収奪するという愚かな道しかない。
鈴木宣弘教授が衆院の意見陳述で、日本は年に1200万トンの米生産ができる。日本列島の自然に適した水田を保全して米生産を増やし、今後、世界を襲ってくる食料危機から救う手だてに貢献するべきだと発言。私は全く同感だ。
日本の米消費は年700万トンを下回り2050年には290万トンに減少すると予測されている。120万人の農業従事者は目前の2030年には30万人へ減少する。
米を余らせているならば、水田を畑に変えて、足りない作物を作って稼げと言う。工業製品と市場経済の発想。そんな価値観しか持てなくなった人間は、〝万物に神々が宿る日本列島〟では生きてゆかれない。残念ながら、私の人生では見届けられないが、こどもたちのみらいに自然の摂理に添った豊かな暮らしが広がることを願う。
〝里山のある暮らし〟である。
(2024/4/29記三好豊)
・京都で振り売り(伝統的な農産物の移動販売)をする角谷香織さん→★★
・日本の農産物流通に3つの提案 神奈川野菜を届けて36年 三好 豊→■■三好 豊(みよしゆたか)
“50年未来づくりプロジェクト”を提唱します。
“もりびと”が木を植えて育てるように、子どもたちが社会の真ん中で活躍する時代のために、今日できることを一つずつ。老いも若きも一緒になって50年のちの日本の景色を想い描きたい。
1954年に生まれ父親の転勤により各地で育ちました。 1975年10月、杉並区阿佐ヶ谷南の劇団展望に入団。1982年退団して横浜に戻り演劇活動に参加してきました。1987年5月、(有)神奈川農畜産物供給センターに入職し、県内各地、各部門の生産者に指導を受けることができました。2004年に退職し「神奈川・緑の劇場」と称して県内生産者限定の野菜の移動販売を始めました。NPO法人よこはま里山研究所・NORAの支援はたいへんに大きく、これからも都市の暮らしに里山を活かす活動の一環として生産者との関わりを大切にしたいと考えています。また(株)ファボリとその仲間たちとの繋がりには、心躍るものが生まれています。