神奈川・緑の劇場 vol.21

2023.3.29
神奈川・緑の劇場

80万満たぬ子らにも初節句

兵役義務の無い国、日本の、大軍拡予算成立

国会では2023年度予算が自民党・公明党・与党の賛成多数で成立した。大軍拡予算だ。ところで、現代の戦争には、“兵隊”は必要無いのだろうか?無人機やミサイルが攻撃し合うから?“兵隊”の姿が見えてこない。今どきはやりの“兵隊”ファーストしないのか?

岸田首相の何事にも曖昧な国会答弁の中で、珍しくキッパリと言ったことが印象深い。

「徴兵制はいたしません」他国を挑発するだけしておいて?

岸田首相「徴兵制はいたしません。」もちろん、徴兵制の必要は無い。そして軍拡の必要も無い。兵役義務も無く、徴兵制もない日本。他国を挑発だけしておいて、誰に戦わせるつもりなのか?

復員兵だった教師たち

 私が子どもだったころ、親たちも、学校の教師たちも復員兵が多かった。満州(中国東北部)から逃れてきたり、シベリア抑留からの帰還兵だったり、朝鮮半島や中国で暴れてきた連中だったかもしれない。南方で餓死寸前から帰国できた兵もいた。

「先生!古典の河本先生は、戦時中は中国で活躍され、中国語もお出来になります。荒井先生は、特に活躍されたことは無いんですよねえ?」意地の悪い生徒が尋ねた。

「なにい?ふん、お前たちはトカゲを食ったことがあるか?蛇の味は知らんだろう?南方から帰って来た時の俺の体重は・・・」穏やかな小太りの先生だったが、アルコール中毒との噂があって、よく手が震えていた。釣りが好きで、野島で出会った時には授業では見せない優しい笑顔だった。

数学の著作があることを鼻にかけていた教師は野沢と言っただろうか?「釜山から日本への船が離れる時に追いすがってきた○○人(差別用語)をピストルで撃ち殺してやった。」と言って笑った。55年経っても、あの教師の不気味さは忘れられない。

無口な英語の教師は、英語の歌を教えてくれた。あとでそれが“反戦歌”だとわかった。

誰のために?何のために?・・・戦いますか?

「天皇陛下の赤子として生まれたからには、天皇陛下の御為に命を捧げ、軍神となって靖国神社で会おう!」と軍国教育を受け“洗脳”されて・・・そこまでしなければ戦争などできない。“生めよ増やせよ”戦場に送るために子どもを、今から増やすのですか?今度は、アメリカのために戦う子どもたちを。

(2023年3月29日記 三好 豊)

三好 豊(みよしゆたか)

“50年未来づくりプロジェクト”を提唱します。
“もりびと”が木を植えて育てるように、子どもたちが社会の真ん中で活躍する時代のために、今日できることを一つずつ。老いも若きも一緒になって50年のちの日本の景色を想い描きたい。
1954年に生まれ父親の転勤により各地で育ちました。 1975年10月、杉並区阿佐ヶ谷南の劇団展望に入団。1982年退団して横浜に戻り演劇活動に参加してきました。1987年5月、(有)神奈川農畜産物供給センターに入職し、県内各地、各部門の生産者に指導を受けることができました。2004年に退職し「神奈川・緑の劇場」と称して県内生産者限定の野菜の移動販売を始めました。NPO法人よこはま里山研究所・NORAの支援はたいへんに大きく、これからも都市の暮らしに里山を活かす活動の一環として生産者との関わりを大切にしたいと考えています。また(株)ファボリとその仲間たちとの繋がりには、心躍るものが生まれています。