神奈川・緑の劇場 vol.14

2022.8.28
神奈川・緑の劇場

50年未来づくりプロジェクト

新型コロナウイルスの感染が始まって3年目の夏が過ぎようとしている。中止されてきた様々な「集い」が復活している。規模の縮小など感染予防対策に主催者は神経を使いながらも、今年こそ開催したいという強い思いが各地から伝わってくる。私たちは、当たり前に開いていた催しが、けっして当たり前ではなかったのだと気が付いた。もちろん、今年も中止を決断したところの方が多いのだろうと思う。日本のコロナの感染人数の世界最多が何週間も続いている。亡くなった方の人数も、日本はアメリカに次いで多いという。第七波となって、私の身近な方々や、ご家族の感染も頻発している。

3年という月日は、子どもたちにとってどれほど重たい年月かと思う。人は、だいたい3歳くらいから記憶が残るだろうか?だとすると、来年の春、小学校1年生に入学する子どもたちよりも幼い子どもたちは、コロナの無い世の中の記憶が、ほとんど無いことになる。

そんな中、私も、この夏は、コロナ以来久々に、紙芝居や民話の語りを演じさせてもらう機会をいただいた。子どもたちだけではない。一緒に観て、聴いてくれる大人たちも、集中して楽しんでくれている。

7月24日日曜日の『みんなみ~な広場』(フォーラム南太田)にて、民話は〝猫の踊り場〟紙芝居は〝裸の王様〟でした。

この子たちの50年後の世の中には、どんな景色が広がっているのだろうか?と思う。日本列島で暮らす人々の数は今の半分になっているという。50年前の自らを振りかえれば、50年など瞬く間に経ってしまうと思う。

子どもたちに手渡したい50年後の世の中は、今から始まっている。命ある限り、50年後の未来づくりのために力を尽くしたい。「50年未来づくりプロジェクト」だ。

「戦争体験を語りつぐ集い」が、私が暮らす金沢区冨岡・能見台・並木9条の会主催で開かれた。(8月22日)40名の参加で4人の方のお話と、お一人の証言記録の朗読があった。皆さん、戦時中は10歳にも満たない幼い子どもたちだった。体験はもちろん、彼ら、彼女らの80有余年の歳月を思う。

そして、2022年8月18日木曜日午後2時前、愛川町の“山十邸”で、子どもたちに紙芝居を演じていたころ、大切な仲間が一人!

(2022年8月28日記 三好 豊)

↑富岡・能見台・並木9条の会の「戦争体験を語り継ぐ」つどいの記事が東京新聞に掲載されました。

三好 豊(みよしゆたか)
1954年に生まれ父親の転勤により各地で育ちました。 1975年10月、杉並区阿佐ヶ谷南の劇団展望に入団。1982年退団して横浜に戻り演劇活動に参加してきました。1987年5月、(有)神奈川農畜産物供給センターに入職し、県内各地、各部門の生産者に指導を受けることができました。2004年に退職し「神奈川・緑の劇場」と称して県内生産者限定の野菜の移動販売を始めました。NPO法人よこはま里山研究所・NORAの支援はたいへんに大きく、これからも都市の暮らしに里山を活かす活動の一環として生産者との関わりを大切にしたいと考えています。また(株)ファボリとその仲間たちとの繋がりには、心躍るものが生まれています。