神奈川・緑の劇場 vol.13
2022.7.6神奈川・緑の劇場
Chojiとひーさんがニワトリやヤギと暮らす『美杉里山音楽舎』はディズニーランド?!
私はディズニーランドを知らない。若い仲間たちが案内してくれる!と言ってから15年以上たった。こういう話は先送りしてはいけない。
NORAとも関わりの深い大阪のT女史は、大のディズニーランドファンだという。その彼女が『美杉里山音楽舎』をしてディズニーランドのようだと!?理由は、すべてが完璧に整っているところが同じだという。なるほど、それには、私も大賛成する。横浜時代からのつながりのある父の日コンサートに、コロナ以来の参加をした。名付けて『田の声コンサート』。もう年に一度だけの参加では済まなくなってしまった。
これから先、どのように関わっていけるのか?どこまでも若返る思いがしてならない。
横浜・洋光台から、松坂を数年経て、津市美杉町に移住して5年がたった。
今では、田んぼと茶畑の複合農業で、ときに仲間たちと共に風を浴び、汗を流す暮らし。そして音楽のある町づくり。地域とのつながりも確実に進めている。
NORAを仲立ちに出会った仲間たち、再会できた仲間たち。たとえ居住地が遠く離れてしまっても、かけがえのない仲間たち。
Chojiの歌は、そのひとりひとりを繋げてくれる。Chojiの歌に違いないのに、やがて自分の歌になっていく。
最新アルバム『ノアガリヒマチ』によって、以前からの思いが明確に姿を現した。Chojiの歌は、民話に通じるのだ。人々の歌に昇華するのだ。
農業経営体の数が97万5100になったと発表された。(2022年2月1日現在)2005年には200万9380。
日本茶インストラクター、井上香織さんとともに、お茶生産者のこと、お茶にまつわる情報を発信してお茶生産者の応援団を増やしたい。
私は、食料自給率が37パーセントになる現状で、今さら自給率向上は手遅れだと言ってきた。ますます、そう思う。自給率向上=食糧安全保障論には危険な胸騒ぎを感じる。
大切なことは、1000年後にこの列島に暮らす人々のために現代人が何をするのかだ。そういう視点で農林水産(業)を見る考え方が必要だ。NORAの、里山を守り活かそうとする活動も、まさにそういうことに違いない。目先の経済性を考えて里山保全など出来る時代ではなかった。
自給率向上よりも、耕作率向上を!と強く訴えたい。
最大600万ヘクタールまで先人たちが切り開き、繋げてくれた耕作地が400万ヘクタールに減少し耕作放棄され荒廃している。
お茶畑は、水田と共に、都市住民に、何が大切か、よく見えるかたちだと思う。田や畑で風を浴びよう。仲間たちと一緒に汗を流そう。
飢餓に襲われれば、誰でも食糧を求める。自分で作り始めるし、採取を始めるだろう。
こども食堂や学生食糧支援、かつてやった100円でのお楽しみセットも、いよいよ食糧危機がやってきた中での取り組みだ。
食糧安全保障を言い始めるその先にシーレーン防衛がある。軍事力増強。国を守るときれいごとを言って稼ごうとする軍需産業の影が迫る。若者同士の命のやりとりをさせる国の指導者を私は嫌悪する。
今だけ、金だけ、自分だけの思考は恐ろしく根深く、他国を思いやる心など微塵も無い。
より貧しい国に食糧を作らせて輸入すれば良いと、儲けぐちを考える。
あるいは自立、自主独立を放棄して、アメリカの属国として言うがままに輸入しても、金になればよしということだ。
スマート農業、AI活用で効率的、合理的な食糧生産が推奨される。食糧を作ることだけが目的となり、雇用される従業員が増えても、自然とともにある営みや、生産の喜びや心の豊さはかえりみられない。環境への配慮や、本来の味、あるべき栄養、安全性など命を育み、健康を守る役割は後回しだ。
その先にあるのは、人と共にあった自然は疲弊し、気候危機は激しさを増し、災害に怯え続ける人々は、自分で作物を作り自給することすらできなくなる絶望的な未来となる。
60歳以上はそのような未来になる前に(あらゆる暮らしの疲弊・貧困からの)逃げ切り世代と言われている。
自分にできることは何か?命が尽きるまでは、思うことをやりたい。
(2022年6月30日記三好豊)