第62回  春の風物詩、果樹の開花、ミツバチは来ているかな?

2022.4.1
映像の持つ力

果樹と野草とともに春のおとづれを楽しむ

関東は3月末には、どの桜も満開です。
桜の木を見つけると、みごとに咲きほこる桜の木からだだよう、あわい桃色の気配にさそわれ、知らない道を通ってみたくなります。
こんなところに立派な桜の木があったのね、一面に咲きほこる春の開花は人を引きつける力がありますね。

春の開花は、人よりもっと、ミツバチなど蜜や花粉を求める虫たちの方が、一心にお花を求めて大忙しです。
うちの “小さな森のある畑” は、2月の梅に続き、3月に入り、アンズ、スモモ、ユスラウメと、満開になりました。

お楽しみは畑のお花見。
代わる代わる花が開く果樹の木の下で花見をすることができます。
畑に生える野草、よもぎ、ノビル、からし菜などを茹でて、野草とともに春のおとづれを楽しみます。

美味しかったなぁ。畑では、年々、生態系ができているのを感じます。

うれしいことに、今年は、畑の際に密集していたヨモギが、畑の中にも繁茂しはじめました。

ツクシは芽出し時期に勢いがなく、今年は少ないかしらと思ってたら、気づくと一面にひろがり大賑わいです。

ツクシの摘み取りは、ツクシの胞子穂が開く前、半分開いた頃、胞子穂が開く前で背丈が伸びた頃の3段階に分け、佃煮やお浸しにしました。

 

あまねく命をいただく里山のある暮らし

食が薬になる。

春は野草の苦味が美味しいですね。

先人たちが、地域がもつ自然環境から学び利用してつくりあげた、衣食住を通し、あまねく命をいただく里山のある暮らし。

そこから食が薬になる食べ方や、季節に合わせて人が必要な作物が育つ環境が構築され、後に生まれる世代にも継がれるよう、手入れされてきました。

温暖湿潤の日本列島は、水源が豊か、田畑、土手、プランターでも、季節に合わせ必要な食べ物が自生したり育てることができます。

ツクシは摘み取ってからがたいへん。食べるまでに永遠とハカマ取りが続きます。

それでもやめられない。美味しいことは言うまでもなく、今年も春が来て、変わらずツクシが芽ぶいてくれた。このことにどれだけのいのちと月日が関わっていることか。

野良しごとを始め、ほんの少しでもその一員になれたことの、ありがたさがみにしみる。

 

我が家は、マンション暮らしのため、ベランダは自家採種や育苗といった大事な野良作業の場になっています。

住まいを含め、足元に田んぼや畑があり、あまねく命をいただく暮らしを循環させていきたなぁ。

人も生態系の一部。

(中川美帆)

映像の持つ力