第57回 釜飯仲間・おこげのお話
2013.7.30神奈川・緑の劇場
先月につづいて”田んぼオブザワールド”です。
2013年7月27日(土)第2回”田んぼオブザワールド”in筒香は、暑すぎず、雨もなく、穏やかに風が稲穂を揺らす天候に恵まれて、無事開催できました。
同じ時に、中国地方をはじめ、各地で「命を守ることを全力で行ってください」という最高警報レベルの集中豪雨があったことは、神奈川・横浜に戻った後に知りました。
2011年の夏には、紀伊半島に甚大な被害をもたらした集中豪雨があったことも記憶にあたらしく、まずは、おだやかな天候のもとに開催できた幸運に心から感謝しなければなりません。
この催しを支えてきた皆さんを紹介したいと思います。
共催 筒香寄合会/富貴・筒香田んぼつくりタイ/筒香さとやま保全会/株式会社ツキオン・エンターテイメント
後援;筒香区 協力;やどり温泉いやしの湯
2011年から、毎年、伺うようになって、顔見知りとの再会も嬉しいし、お名前だけだったり、スカイプ(テレビ電話)でお顔は知っていても直接おめにかかるのは初めての方とも握手を交わせた幸せ。そんな皆さんのイベントが”田んぼオブザワールド”です。
そして、NORAは、組織としてこの催しに直接的な関わりを持っているわけではありません。が、今回もNORAの様々な活動が出会いのきっかけとなった、紛れもない仲間たちが十数名参加しました。
一人ひとりは、それぞれの思いを胸に、ことさらそれを言い立てることもなく筒香に向かいました。
参加のしかた、担い方がバラバラと言えばバラバラ、多様といえば多様なのが、あえて言えば”NORA仲間”っぽいと思えて、私には愉快なのです。
そして、その多様の中身を少しだけ披露すれば、初めての参加をしたS氏は、地域振興の筋書きを真剣に考え、そのためにどこに重点を置いて何をアッピールしたら良いかを筒香をはじめ、高野町全体に目を凝らせていました。日本に限らず世界に出て実践されてきただけに勇気づけられます。
山に囲まれ清流に洗われた水田の生き物調査をすること、そのために、地域の皆さんと相談しながら年4回は通わなければならない、ということまで帰路の中で思い描いているようでした。
同じく初参加のK氏は、NORAとの出会い、Chojiさんとの出会いは最近にも関わらず、7月初旬に単身、筒香に入り、会場の下見をしながら、やどり温泉を訪ねます。
さらに和歌山県立図書館に行き、民話や民謡、やっちょんまかせに関わる資料を限られた時間の中で精一杯見つけだしてくれました。あとに触れる、やっちょんまかせの歌と踊りの練習を順調に重ねられたのも彼の尽力のおかげでした。
NORAや、Chojiさんとの出会いは、日が浅くとも、Chojiさんの音楽とNORAの様々な活動の記録(ホームページを見れば相当の情報を得ることができますから)に触れ、自身のテーマと重なればこその関わり方なのだろう、と思っています。
やはり初参加の小田原の果樹・柑橘生産者は、車窓から見える紀伊半島の森林の植生、植樹されている木々の様子、急傾斜地でありながら豊かな水にも恵まれた筒香のみようがの栽培、水田の様子・・・・一切の目に入る”情報”についてコメントしてくれました。そうして、どんどんと厳しい状況に追い込まれていく農業者の立場から、一層厳しい筒香の様子に強く胸を痛めてしまったようでした。
Uさんは、25日には筒香に入り、スタッフの食事や、当日の参加者への「みょうがごご飯」づくりなど、もうすっかりおなじみになって、縁の下をささえています。
同じくすてきな宣伝チラシを製作しながら、自身は、一番地味ながら大切な受付に徹するSさんも先乗りしていました。
埼玉から来ているのにすっかり筒香の娘さん、と思わる動きのNちゃんも今年も元気でした。
そうして、今回のハイライトにもなった”やっちょんまかせ”数十年昔の、かつて賑やかに踊られていた当時の録音で歌を覚え、昨年の”まつり”の時に踊って下さった時の記録映像で踊りの練習を重ねて、”楽しんで歌い踊れる!”ところまで横浜で身につけて筒香に入ったのは、YOさん、YMさん、MAさん、私。
かつての音頭取り、元さんの音頭で筒香の皆さんと踊れた喜び!
筒香婦人会の、特に、昔、踊り子として踊った方々、あの練習の時に、映像の中の姿を食い入って見つめてきた方々が、目の前で踊ってくれている、一緒に踊れている感動!
筒香の皆さんと、都会から来た私たちが、声を合わせて”田んぼオブザワールド”を歌ったラストシーンはそれぞれの胸に熱い記憶となってとどまるでしょう。
誰かが背景の田んぼのあぜに、燈ろうにロウソクを灯して並べて、日が暮れて。ピッタリのタイミングをはかって打ち上げてくれた花火。みんなが力を合わせた、筒香の皆さんのための、筒香の皆さんによる企画”田んぼオブザワールド”なのだけれど、多様な思いで参加した一人ひとり。みな自分のための、大切な”田んぼオブザワールド”の灯を心に灯して帰路についたことだろうと思います。
さらに、今年、参加したい思いを、旅立つ私たちに向けて「いってらっしゃーい!」の言葉に代えて、見送ってくれた多くの仲間たちがいることも、ここに留めておきたいと思います。
皆さん、ありがとうございました。
(おもろ童子 2013.7.30記)