第52回 釜飯仲間・おこげのお話
2013.3.1神奈川・緑の劇場
3月1日は、陰暦では正月20日。様々な正月行事を締めくくり、飾り物を片付ける日だそうです。
今年は、2月10日が陰暦の元日でした。
そして、ちょうどそのころ、小田原・曽我の梅林などの梅の名所を始め、神奈川各地では、平年より若干遅れた梅の開花となり、3月に入って、いよいよ見頃を迎えています。
陰暦の正月の日々を飾る梅の花は、月の光にも似た優しさ、清々しさを感じます。
ところが、雪国ではどうでしょう?雪国の2月ともなれば、積雪も寒さも最も厳しい季節になります。
その中での正月行事の数々。陰暦時代にはどのように行っていたのでしょう?
西暦になった現代の雪国の正月。様々な行事には、いよいよこれからやってくる本格的な厳しい冬を、無事に乗り越えられるように、との祈りも込められていると聞きました。
多様な季節の変化を衣食住に取り入れてきた日本の暮らしは、今でも陰暦によって彩られていることがたくさんあるようです。
そして、必ずしもお金をかけたものではなく、自然の恵みを生かしながら心の豊かさや安らぎを得たり、仲間との絆を強くすることにもつながっているようです。
近ごろ、月の満ち欠けの早さを感じます。
毎日、確実に一定の変化を繰り返しているのですから、早いも遅いもないのだとは思うけれども。
月日の経つ早さを、月の満ち欠けに思うようになったのでしょう。
西暦1954年3月1日。アメリカがビキニ環礁で水爆実験が行いました。日本のマグロ漁船、第五福竜丸は死の灰を浴びながら焼津に帰港しました。
杉並区から始まったという原水爆禁止を求める署名運動は、無関心と決別し、自分の意思を表すことが社会を変えるために大切なこと、という考え方とともに世界に広がっていきました。
来年で60年になります。十二支が一巡りする還暦です。
3月10日は、東京大空襲から68年。3月11日は、東日本大震災から2年。
そして、今年は?
日本の固有の文化、暮らし方を認めない、ごく一部の支配者の利益のために、すべてを捧げさせようとするTPPへの参加元年にしてしまうのでしょうか?
若者の二人に一人しか正規雇用させない政策の先は、《国防軍》と《徴兵制》です。《集団的自衛権》という名の戦闘行為への参加、参戦です。
私たちが”里山の暮らしに”学ぼうと思うこととは、無縁であり、全く逆方向の流れです。
“あまりの美味しさに、カブが夢に出てきた”と、野菜市のお客様。
このささやかな出来事は、里山から学ぶ暮らし方を目指す日々からしか出会えないのだ、と思います。
おもろ童子