第29回 釜飯仲間・おこげのお話
2011.3.27神奈川・緑の劇場
春は名のみの風の寒さよ・・・。お彼岸を過ぎたというのに、この寒さは何!?
2011年3月11日14時46分。この時を境に、以前の暮らしは、もう戻りません。私たちは、各々が新しい暮らし方、生き方を探さなければならなくなりました。
もちろん、普段どおりの日常を取り戻そうとすることも大切です。そうして、かつての普段も、日常も、どこにも無いことに気がついて、未来に向かって歩みはじめるのでしょう。でも、私たちは一人ではない。NORA仲間・釜飯仲間と、一緒に歩みをすすめられたら、と願います。
「はまどま」で、「元気をだそうぜ!食事会」を開きました。毎月、定例で開いている「神奈川野菜の食事会」の臨時開催です。ことの発端は、これも毎月開催している「Marc朝市」の時に、イタリアンレストランMarc(マール)のオーナーシェフ、丸山さんが、「みんな沈んじゃってんだよなぁ。臨時の食事会をやって、顔を合わせて話をするといいんじゃないかな」と言ってくれました。
仲間のひとことって、ありがたいですね。そこで、さっそく日程探しです。料理ができる食いしん坊イラストレーターの勝野真美(まさみ)さんが、パリでの書画グループ展に向けて出発する前々日にもかかわらず、「やろう!」と深~く頷いてくれました。たまたま野菜を買いにきていた町内会のNさんが「詳しいことが決まったら教えてね!」
「信頼できる、本音で話せる仲間がいて本当に良かった。今回、どれだけ救われたことか。」
野菜市を利用されている方のひとことです。
食事会は、まさにそんな場になりました。今回の料理はほとんど勝野さんが作ってくれました。いつもの神奈川の野菜をふんだんに使った料理は、やさしい美味しさに満ちていて、例えば「薄味だけど濃いんだよね!」という声も。目にはみえないけれど、私たちの食事会には、神奈川の生産者たちの思い、エネルギーが詰まっています。料理のひと品、ひと品から力がみなぎります。
そうして、蛍光灯のヒモが揺れるのを、一人で眺める不安な夜を続けていたというAさん、Eさんは、みんなと話しながらの食事で、心のマッサージがみるみる表情に表れて。いつもの「食事会」でも感じる、みんなの笑顔の素敵さって、こういうことなんだ。
遠く江戸川区から参加の環境問題研究者のYさんは阪神・淡路大震災の経験者。台東区から来てくれたTさんは、被災地のNPOを支援するために情報収集中。「はまどま」での初対面ながら、さっそく情報、意見交換を。
NORAとして、町内会に参加して一年。今回は町内会や地域の仲間も多く参加してくれました。子育てしながら、様々な活動の先頭に立ってくれている人、子ども会活動に長く携わってくれている人、地域で生まれ育った人・・・。「はまどま」は、地域の皆さんが関わってくださることで、少しずつ、町づくりに役立つ場に育っていきそうです。
3月12日に朗読と歌のライブ「STORY」を予定していたChojiさん。ライブは7月22日(金)夜7時開場、8時開演に延期になりました。今、様々なイベントが中止になって、そのことで、関係者は、営業や生活に深刻な事態を迎えています。
大切な、お一人、おひとりの命と暮らしを犠牲にした今回の災害とその影響は、一過性ではなく3週間を経ようとする今でも進行しています。
今日を大切に。みなさまの健康と元気をお祈りします。
(おもろ童子 2011年3月27日記)