釜飯仲間

第24回 釜飯仲間・おこげのお話

2010.10.26
神奈川・緑の劇場

大岡川の右岸に二人はいるという。朝の10時から手づくりの釣竿でハゼ釣りに向かった二人は、大きな、少しでも大きなハゼを求めて、蒔田公園・お三の宮あたりから、さらに下流に向かったという。

約束した昼飯のおむすび弁当は、すっかり遅くなってしまった。思いがけず弁当づくりは時間がかかるものだ、と思う。作ってもらったことのほうが何百倍も多いから、いまさらながら作ってくれた人への感謝の気持ちが起こったけれど、そんな感慨にふけっているヒマはない。腹をすかせている二人に早く、早くおむすび弁当を!

ところが、二人には会えないまま、気が付けば、野毛の都橋ではないか!大岡川に飛来するという白鳥と、大岡川を悠然と泳ぐエイをモチーフにしたビアグラスの店がオープンしたのは、この夏だったっけ。記録的な猛暑の夏だ、キンキンに冷えたビールが旨い!と思ったら、冷やしすぎない10度前後が旨いビールを、特にヨーロッパの、を飲ませる店だという。そして、この店のカウンターごしに見える大岡川の風景は絶景らしい。白鳥もエイも知る人ぞ知る、少なくない市民に目撃されているようだ。

黄金町から都橋あたりでは、平日の昼間でも釣り糸を垂れる人が何人もいた。急げ!おむすび弁当!

松茸が送られてきた。高野町富貴にいった、アキちゃんが季節々々の産物を送ってくれる。グリーンピースはたっぷりと、炊き込みご飯でいただいた。みょうがは、今年は猛暑で出来が悪いとのことだったが、とてもしっかりしたおいしいものだった。そして、今度は松茸である。緊張して、フタを開ける。ああ!脳細胞を刺激する香り!近在の釜飯仲間に声をかけた。今夜、食うぞ、と。

「小松菜を全国一作っているのは横浜市」横浜市の農業は、意外と頑張っているのだ、と、市民に知ってもらうための象徴に、小松菜はなっている。で、「第1回・濱の鉄人・料理コンテスト」が開催された。アマチュア部門の課題は、小松菜料理だ。そして、このコンテストの事務局を、担ってのは、われらが「釜飯仲間」なのだ。なんとしても盛り上げようではないか!

おむすび弁当は、無事に届けることができた。そして、釣果は60尾のハゼ!その夜の「神奈川野菜の食事会」で25名の食卓を盛り上げた。ちなみにエサ代は千円。二人の丸一日をかけた思いもまた、深い味わいに添えられている。

松茸が届いたその晩に、まさか!?14名が「はまどま」に集った。松茸は300gだ。いや、量の問題ではない。一人当たりの量などどうでもいい、と思う。突然の連絡にもかかわらず、まるでいつもの「食事会」のように、できるかぎりの力を出し合って準備し食卓を楽しみ、そして片付けをしてくれた。このコラムを読んだ「釜飯仲間」諸氏よ。私には、俺には、連絡がなかった、と悲しまないで下さい。そもそも、300gを独り占めにはできなかった、というのが発端なのですから。

小松菜料理のコンテストに出品する料理を「はまどま」で作った。

「はまどま」から発信された、小松菜料理の数は6品ぐらいだったろうか?なんと、その中の一品が、特別賞を受賞した。11月7日(日)よこはま地産地消フォーラム2010が、アートフォーラムあざみ野 男女共同参画センター横浜北で開催され、そこで披露される予定だ。だが、一足早く、わが「神奈川野菜の食事会」の献立に入れさせていただくことは、言うまでもない。

気が付けば、ますます「食欲の秋」満喫の「はまどま」でありました。

(おもろ童子)