釜飯仲間

第80回・釜飯仲間・おこげのお話

2015.6.29
神奈川・緑の劇場

「はまどま」の8年目、NORAの会計年度の6月末、最後に間に合うように、「郷土映像ラボラトリー=郷映ラボ=」の、上映会を「はまどま」で開催することになりました。

あいにく、多くの参加は見込めませんが(と言っても定員15名なのですが)、実現に向けて尽力してくれた、川上友之さん、そして「郷映ラボ」の中川美帆さんに感謝します。

上映作品は、①「茂庭の暮らし=狩猟・漁労・採集」②「奄美の豊年祭」➂「奄美の泥染め」・・。いずれも、民族文化映像研究所製作の作品です。

《郷土映像ラボラトリー》は、「人が長い時間をかけて暮らしの中で構築した知恵を記録した”映像”をきっかけに、人が出会い語らう場を」つくる活動をしています。

「人が出会い語らう場」それこそ、フリースペース「はまどま」の大切な役割です。そして、”里山”も、人が長い時間をかけて構築した知恵のありかに違いありません。
この一年を振り返るとき、何人もの新しい力を得て、「はまどま」での企画を開催することができました。8年の歳月を重ねてたどり着いた、画期的なことだと思います。
しかし、「人が出会い語らう場」としての役割を活かすことができたか、というと、ごく一部の例外はあれども、力及ばずと言わざるをえません。

今、私たちの暮らしは、根底から崩されようとしている、いや、すでに崩されている、と思います。目を背けることができないことのひとつは、憲法の解釈改憲・”戦争法案”をめぐる攻防であり、ひとつは、生涯派遣の働き方をさせられ、ますます格差を広げる労働法制であり、そして、神奈川に代表される、と、あえて言いたい、多種多様な食糧生産を困難にする(もちろん、それだけではありませんが)TPP交渉の妥結への動きです。

一方で私たちは、どのような時代になろうとも、社会になろうとも、「人が長い時間をかけて暮らしの中で構築した知恵」こそが、私たちを健康にし、心豊かな暮らしを支え、大切な仲間との絆を育むことに気づいています。

普遍的な価値に身をゆだねようとする、ひとりひとりと出会い、語らう機会が、これからは、ますます大切になるに違いないと思うのです。

新年度の最大の課題になるかもしれません。

(2015年6月28日記 おもろ童子)