第46回 お米は稲架(はざ)掛け、野菜は部屋の日差しで追熟

2020.11.30
映像の持つ力

畑がクリスマス飾りになっている!?

こちらは自然生えしたヘチマ。夏の盛りを過ぎてから実をつけたので、束子に出来るほど繊維が固くなるまで実が成熟しないかも知れません。支柱を近くのグミの木にしたら夜に黄色い花が咲きまるでクリスマス飾りみたいです。

 

小さな森のある畑では、柿に変わり、枸杞(クコ)が赤い小さな実をたくさんつけています。太陽に透けてキラキラ。寒風をうけながらの野良作業でも、クコの小さな赤い粒を見ていると気持ちが華やぎます。

 

カボスに続き今年はクコも大豊作。紫唐辛子、ピーマン、クコ。ナス科も三兄弟が揃いました。

 

太陽の恵みを余すところなく

田んぼでは、早生種の「あきさかり」が何とも早生の登熟期に天候不順の影響を受けてしまい、実りが遅く心配でしたが、何とか刈り取れるまでに籾が充実してくれました。

わたしたちのお米は、稲架掛け天日干しです。手で刈り取り、3-5束を稲わらで結わえ、稲架に逆さに掛けて太陽の光で天日乾燥させます。

太陽の力を借りた天日干しは、干し野菜ではうま味が凝縮されたり栄養価が高まること、洗濯では殺菌や漂白効果もあり、見直されていますね。

稲も同様ですが、何と言ってもポイントは逆さにして掛けること。稲束を逆さにすることで、茎や葉に残る栄養分を余すところなく籾の中のお米に注ぎ込ませます。

食べる事への効果だけでなく、稲わらは土にすき込み土の肥料になりますが、天日干しにした稲わらは機械で乾燥させたものより肥料成分が良いというのですから、一石二鳥どころではない!。

霜よけに藁をかける

 

 

まだ居た!驚きの繁殖力で増えています

これはホースラディッシュ、西洋わさび。名前がラディッシュの通りアブラナ科。
始まりはお店で買った1本の欠片から。

 

ベランダだけではなく台所も里山に

お米が稲刈りの後に、天日干し、脱穀、籾摺りと作業が続くように、食べるまでが大変。
畑仕事は、採れたての野菜が食べられることが有難いのですが、また、収穫した野菜は来年に蒔く種にもなるため、種採り作業が必要になります。こうして作業待ちの野菜が、段々畑状に重なってゆきます。

 

太陽と土の間で三万年

太陽、風、土が相手の野良作業。淡々と続く手作業は小さな工程が結果に大きく影響します。お米作りの稲架掛けだけではなく、先人が連綿と続ける中で工夫を重ねた技術は質が違うなぁ、そんなことを実感します。

冬の野良しごとは寒風が体にこたえます。次第に何かと騒がしいわたしは省エネで口数が少なくなり、相棒クンはエンジンに勢いつけるのしょうね、独り言が増えます。これも寒さを乗り切る工夫かな?。

そして、寒空の下で体が冷え切っても作業を終えて畑を見渡すと疲れはとぶ。

 

野生の種を蒔き始まった日本列島での米作り。石器時代とすると約三万年前・・。

田んぼは生物多様性の宝庫となっていますが、里山は、手数をかけて、人を含めた生物全体の自然摂理が少なくとも三万年の時を経て獲得した居場所。生態に沿っていれさえすれば、人が生きて行くために必要なものは次々生まれる。この時間の積み重ねや奥行きをどこまで実感できるかしら?

稲が乾くまであと2週間。籾摺りを終えたら藁で正月飾りづくり。縄をなう手にも稲が蓄えた太陽の力が注がれているかしら。
人間も自然の一部ですものね。

(中川美帆)

映像の持つ力