第35回 今年の注連飾り、新穂はあきさかりで藁は緑米

2020.1.1
映像の持つ力

今年も新穂のある注連飾りを作り、新年を迎えることができました。念願のじぶんで育てたお米での注連縄づくりも二年目に入りました。12月中旬に最後の稲の脱穀、唐箕がけを終えました。稲藁は保管用と注連縄用とに分けて保管し、残りの藁は田んぼに敷き田んぼ納めです。

足踏み脱穀機

2020年の注連飾り。藁は緑米、飾る新穂は脱粒しにくい品種の「あきさかり」を選びました。玄関や神棚を自作の正月飾りで新年を迎えるために、週末ノラ暮らしに増して、年の暮れはただただ忙しいですが、稲を通し人間も自然の一部だなってことを改めて実感する時間でもあります。自作の正月飾りを作る喜びは代え難いなぁ。

糯米の緑米の藁、ピカピカ光りきれい。

2019年度の田んぼは台風が何度か来た割にはありがたいことに例年並みの収量でした。そして、お楽しみ新米のご飯!!。どれにする?緑米、チベット黒米、初霜、朝日、あきさかり、籾がらから育った1本の陸稲がタネ籾のおかぽ、など6種類つくりましたが、いちばん多く採れた品種「朝日」に決定。

食べるごとの精米はもちろんのこと、ご飯を炊く前に籾すりをする、今摺り米でご飯をいただきます。なんと贅沢な・・。炊き上がった白米をかみしめるごとに、じぶんで作ったお米だから田んぼで成長する稲の様子や穂の数や形が思い出されます。

「朝日」は人工交配していないお米でコシヒカリやササニシキの祖先。(希少種なんだとか)主流のもっちり甘いコシヒカリでなく、今や幻となりつつあるササニシキのようなさっぱりした味。かむごとにお米の味が広がります。口じゅうに甘さが取りまかず、もっと噛みたくなる。おかずが美味しく感じます。(餅米と交配していない証かしら?)

わたしはおかずを食べる時はごはんと一緒に楽しみたいのですが、そんな方にはぴったりなのでは? 献立の一体感をより楽しめる気がします。残りご飯はおにぎりにして翌日に。冷えても美味しいお米です。(「朝日」は育てるのに手間暇がかかるため生産者が減り、幻のお米と呼ばれているんですって)

牛蒡締めを輪にしたもの、 三重の縄は締めがしっかりしていますね! 左は相棒クンの締め、ていねいな手仕事は出来上がりがきれい。

左は三重の牛蒡締め。 右は二本の二重の縄の組み合わせ。

それにしても、お米って収穫量は一粒万倍ですが、食べるまで何かと手間がかるのでしょう。学校でベランダ稲栽培をしている横浜の小学生が、「自分で育てたお米は絶対残さないよーっ」と言う通り、ベランダでいいから自分でお米や野菜を育てる人が増えたら、その大変さが身に浸みているから、食べ散らかしたり捨てる発想にはならないよね。問題になっている食物廃棄が減るんじゃないのかな。

こうして、田の神さまに収穫の感謝をし、新年の幸せをもたらず年神様を迎える準備までが本当の田んぼ納めかも知れませんね。2020年はノラ仕事に欠かせない道具にも、箕に鏡餅や新米を飾りノラ道具に感謝する道具寝かせもしよっと。

玄関に飾り新年をむかえる準備が整う

 

ポップコーン用の玉蜀黍

初めて出来たアスパラの実。タネは出来ているかな・・・

(中川美帆)

2020年新春 里山の恵み・伝統文化に出会う上映会は1/27(月)

銀鏡神楽「山に生きるまつり」豊作豊漁を願う行事「青海竹のからかい」2作品を観ますよ。映画を観て暮らしの知恵 ☆ 昔の日本を楽しもう!

年末年始は一年の折り目のとき、人は何を行事にたくしどんな思いで続けてきたのでしょうか。ご参加をお待ちしています。

 ①「山に生きるまつり」1970年/38分 撮影地:宮崎県西都市銀鏡
 ②「青梅竹のからかい」1990年/40分 撮影地:新潟県西頸城郡青梅町

日 時

 2020年 1月27日(月) 19~21時 [夜の部 ]のみ開催。(開場30分前)

・上映会の前は・・> 藁から縄づくり「縄ない」自主練を行います。
・映画上映の後は・・> 神奈川お野菜の軽食を囲み懇親会(参加自由です)

お申し込み、詳細はこちらを。

▷NORA上映会のページ

NORA上映会の都合が合わない方は、郷土映像ラボラトリーでは、東京・川崎でも上映会を行っていますので、郷土映像ラボFBを参照くださいね。みなさまのご参加をお待ちしています!

▷ 郷土映像ラボ上映会のページ

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