第122回 釜飯仲間・おこげのお話

2019.2.24
神奈川・緑の劇場

『釜飯仲間』=おこげのお話=

~神奈川の農業のこと、食べ物のこと。生産者に寄り添って31年~

 神奈川県内産の農産物限定「野菜市」を各地で開催して15年が経ちました。1987年5月25日付で(有)神奈川農畜産物供給センター(以下、センター)に就職したことが県内生産者の皆さんと出会いの始まりでした。センターは、1978年に「神奈川農業の砦を作ろう!」との思いで県内生産者が出資して設立したものです。翌年には2121名の消費者の参加を得て、生産者と消費者がともに運営する産直団体「生産者と消費者が手をつなぐ会」(以下、手をつなぐ会)を立ち上げ、センターが事務局を担うこととなりました。

 やがて手をつなぐ会は、NHKとJAが主催する日本農業賞・特別賞を受賞します。消費者が加わった団体が同賞を受賞するのは史上初めてとのことでした。NHKはもちろん、テレビ神奈川を始め、各マスコミにも取り上げられました。

 手をつなぐ会は、「地場生産・地場消費」を基本に、身近な生産者と消費者の交流を大切にしていました。私は、手をつなぐ会の理念から多くのことを学びました。しかし、2004年9月に退職してしまいます。

 退職前から交流のあったNORAに退職の挨拶に立ち寄ったのがきっかけで、「NORA野菜市」を始めることができました。もちろん、NORAが入居している大和(ダイワ)ビルの支援なくしてNORA野菜市はあり得ません。また、NORA野菜市から繋がって、「フォーラム南太田マルシェ」(第三金曜日11~14時)そして「たすけあい ゆい野菜市」(毎週金曜日16時~19時)へと野菜市を催すことができました。なにより、センターの生産者の皆さんが退職後も私を支えてくれたからこそ、今につなげることができたのです。

 ※手をつなぐ会の消費者の皆様の支援で藤沢市・鎌倉市でも野菜市を続けることができました。水曜日(藤沢市)木曜日(鎌倉市)です。

 そして、センターの生産者も参加して運営する伊勢原市の「高部屋直売所」は、私にとっても拠点の一つですが、40年の歴史を持つ直売所です。3月5日(火)から、リニューアルオープンするのです。生産者の皆さん、販売スタッフの皆さんが新しい時代に向かって頑張って下さることに大感謝です。私も一心同体となって、この地域の生産者の皆さんの作物を紹介したいと思います。

 あえて、神奈川県内の生産者限定を基本にしてきました。そのことで、見えてくること気が付くことが次々と現れてきました。神奈川は、生産者と消費者が直接結びつく「産直」は先進地の一つです。そして、国連が奨励する「家族農業」(国連は2019年~2028年を家族農業の10年にした。)・「小農宣言」に合致する、その意味では世界最先端の農業を実践しているのも神奈川の農業です。

 期せずして、「はまどま」もリニューアルです。おいしくて楽しい「野菜市」を目指して、

何度でも気持ちを新たにしたいと思います。よろしくお願いします。

(2019年2月24日記 三好  豊)