第20回 稲の花が咲いた。1粒から1000粒のお米へ!

2018.10.1
映像の持つ力

「稲の花が咲いてるよ」教えてもらったのに、どれが咲いてるか分からなーい。だって、ひとつの穂には100個ほどつぶつぶが並んでいる。このつぶつぶ、出穂(しゅっすい)と言うのですね。茎から米になる穂が出てくる。この青い穂が、1本の茎から80-100粒も出ています。

これは観察用にベランダで育てている稲(9月23日)

 

網かけ前の田んぼ(9月2日)

スズメ除けの網をかけた田んぼの稲。(9月9日)

田んぼの稲は、もうスズメよけの網をかけているため中には入れません。

稲の花は、穂先の上から下に開花する。しかも、1つの花が咲くのは1時間ほどって言うじゃありませんか。電話でも出ようものなら見逃してしまう。

100粒ぐらいの穂を上から下までくまなく観るけど、開花して籾の先にちょこんと白い雄しべを出している穂もあるし、どれか分からなーい。ちょうど手の話せない用事があり落ち着いて見られない。うーん、この日は諦め観察は来週に延期。

上の方はすでに花が咲き終わっている

開花の1時間を逃すわけにはいかない。予習をすることに。そんなときにお助けなのが本。絵と写真がふんだんに使われ、初心者のわたしでも分かりやすい。

農文協の「写真でわかるぼくらのイネつくり第3巻」が、とても参考になりました!!


(本のリンクはこちらを(農文協サイトへ移動します))

 

10時過ぎて・・・「花が咲いているよ」と報告あり!!2〜3粒、2つの穂に花が咲いているのを確認。

赤丸のところ、稲の花が咲いた!
出穂が一粒、チューリップみたいにぱかっと真ん中が開いている!これが稲の花が咲いたとこ。
時間は10:52分。

今度は、スマホで写真を撮るのだけど、なかなかピントが合わない。ミラーレスでマクロ撮影すべきでした。(T ^ T)。

そして50分後…。11:40分ごろに確認すると、もう花が閉じている。ほんと、稲が咲くのは1時間ほどなんですね! 下の出穂が咲いたから、この穂全体が開花、受粉、受精を繰り返した証拠。後は花の中の胚にお米が充満してゆくのを待つばかり・・。

さらに1週間後・・
ずいぶん胚にデンプンが満ちてきたようです。穂の先が重くなり垂れている。

 

これは田んぼの稲。奥の背が高い稲が昔の品種の稲。むかしは稲わらは大事な道具づくりの材料でもありました。

「お米より稲わらが欲しくて稲を育てる」と言われるほど。
手前の背の低いのが最近の品種。少なくとも現在では、道具として使う稲わらの需要が減っていることが分かりますね。

こちらの網かけ前の田で写真で紹介した写真でいうと、ちょうど、真ん中で実っているのが背丈の低い最近の品種です。

1粒のお米が1000粒になる。この収量がとれるまで、一体どれぐらいの改良が行われてきたことでしょう。手作業だけの家庭菜園でも、来年の豊作になるよう、よく実った穂を選んだり、成熟する時期がいつのなのか、自分たちとって都合のよいものを選び、種もみとして残します。

1粒のお米が1000粒になるまで、とことん田植えをコントロールしてきたのでしょう。田んぼや畑って自然に拠るところが大きいから、受け身っておもいがちだけど、主体的な仕事が1000倍を可能にしたのですよね。ほんと、わたしは良いとこ取りさせてもらっています。

オマケ❤️❤️❤️
田んぼの脇のマコモ。イネ科だから根っこの分蘖(ぶんけつ)が稲に似ていますね!!
根元でふくらんでいるのがマコモダケ。9月末、マコモは旬を迎えました!!

稲の渡来よりも古い縄文中期の遺跡から発見されているマコモ。何も手を入れていないのに今年もマコモタケが採れた。マコモは豊作の象徴。よしよし、このままお米も無事、刈り取りできますように・・。

 

❤️ 続報 ❤️ なんと稲わらが手に入りました!!
そこで、「稲ワラの恵み」を観る & ワラ細工ワークも行います!!
縄ないして正月飾り。超かんたん、エコ・タワシなど作りましょう。

10月28日(日)、はまどまシアター、里山の恵み上映会では・・
「稲ワラの恵み」を上映。& ワラ細工ワークも行います。

「稲ワラの恵み」は、ワラで暮らしてきた。ワラから身の回りのあらゆるものを作り出した先人の知恵の記録です。

食べ物以上に、生活を助ける道具だった「稲」。ワラから縄をつくり様々な道具に変えて行きました。

ワラ縄、ムシロ 、ツブラ、バンドリ、ユキワラジ、ワラジ 、アシナカ・・。
今で言うと、お米の袋、雨のマント、ブーツ、玄関マット、レジャーシートでしょうか。

柔らかく中が空洞のため保温にも優れている稲わらを利用した、身の回りの自然を生かす暮らし、その知恵をぜひ一緒に観ましょう!!。

タワシも亀の子束子が開発される前は稲わらから作りました。タワシって自分で作れるのですね!! みなさんのご参加お待ちしています。

(中川美帆)

 

『 稲ワラの恵み 』(1977年制作・ 56分・撮影地:岐阜県大野郡白川村荻町・馬狩(57分)

<作品紹介> 雪深い山国、飛騨白川郷のワラ細工。 ワラ縄、ムシロ 、ツブラ、バンドリ、そして足まわりを保護するユキワラジ、ワラジ 、アシナカなど。 白川の方が「ワラで暮らしてきた」と語るワラの恵みを再現した

ワラから身の回りのあらゆるものを作り出した先人の知恵と、その材質を活かしてつくられたワラ細工の数々。稲ワラは、日本の雪国においてもっとも多彩に、その素質のもっている働きを開花させたといえるであろう。

<日時>2018年10月28日(日)15:30~、18:30~(開場30分前、各回入替制)

[昼の部 ] 15:00開場、15:30上映開始~17:30終了
[夜の部 ] 18:00開場、18:30上映開始~20:30終了

<場所>はまどま(横浜市南区宿町 2-40 大和ビル 119)

<参加費>会員・一般共通2000円/当日2300円

上映会の詳細、お申し込みは→こちらのページまで

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