01月23日 (月)|森ボラ体験会(継続編第4回) in 上川井市民の森_報告

上川井市民の森は、瀬谷市民の森と追分市民の森に接するスギ、ヒノキなどの針葉樹を主体とした森で、林内にはせせらぎや湿地なども見られます。
この森は活動する市民ボランティア団体がないため、林内には夏に育った下草や常緑樹が侵入し風通しの悪い暗い森になりつつあります。

森づくり活動では、10 年から20 年先の森の姿を見据え、季節に対応した保全活動を計画的に行う必要があります。
森ボラ体験会「継続編」は、体験会に参加経験のある方を対象に、年間を通して一つの森に関わることで
森づくりの知識や技術のスキルアップを行っていただくことを一つの目標とした4回シリーズの体験会です。

今回は第4回、5月に始まったシリーズの最終回です。
常緑樹中低木の除伐を行い中下層空間を確保する作業を行います。

第1回の様子は こちら
第2回の様子は こちら
第3回の様子は こちら

~活動概要~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日  時:令和5年1月21日(土)9:00~12:00
場  所:上川井市民の森(横浜市旭区)
参 加 者:ボランティア8名、横浜市みどりアップ推進課3名、スタッフ4名(NORA)
作  業:ロープを用いた常緑樹中低木の除伐


継続編は上川井市民の森現地集合。各自道具を装着します。



作業エリアへ林内を移動中、園路そばの樹木上空に掛かり木があり
上空の強風で落ちる危険性を確認しました。


作業エリアに到着。オリエンテーションで今回の作業内容を確認しました。
第3回に引き続き、同エリアで危険木の整備等を行われる三橋緑化興業より一名参加して下さいました。


体験会継続編の活動趣旨、このエリアでの落葉広葉樹林の目標像、目標へ向けた今回作業内容の位置付け等を説明。


危険予知(KY)活動では伐倒作業を行う際のコミュニケーションが重要である事等を共有しました。
今回も安全第一ケガ無しを目標に作業します。


前回学んだ木をゆっくり倒すための伐木方法の原理を資料を用いておさらい。


2班に分かれて作業開始。
先ずは樹木を観察し倒す方向や周囲の状況を確認します。


倒す方向に対して直角に「受け口」を、次に反対側から受け口に対し平行に「追い口」を入れます


「受け口」は三角切り、水平面は重力に対し直角に刃を入れます。


伐倒者以外は、園路の来園者等周囲に気を配り安全な位置で見守ります


倒した木は後処理をしやすいように解体します


幹部分は輪切りにしてコースターづくり等で活用する予定です。


三橋緑化興業さんにノコギリの刃の使い方を丁寧に教えていただきました。


別班では、もう少し太く高い常緑樹を伐倒します。
木をよく観察し木の重心と周囲の状況から倒す目標位置を定めます。


安全に伐倒するためにロープシステムを組みます。
先ず伐倒木の高い位置にロープを掛け


滑車を用いてロープの先を折り返します


ロープシステム完成。今回は3倍の力で引く事ができる「3倍力システム」を組んでいます。


幹の直径から「受け口」に必要な大きさを割り出します


「受け口」を全員で観察。斜めの切り口の始点と終点を水平に保つのが難しい。


「追い口」を入れ伐倒者が安全な位置に退避後、
木が倒れるきっかけをつくるために伐倒者の合図でロープの先を引きます


見事に倒す事ができました。
ゆっくり倒すための蝶番の機能を果たす「折れ曲り線」がきれいに残っています。


倒した常緑樹を解体し集積します。



2時間強の作業で園路際の見通しもよくなりました
(上:before 下:after)



常緑樹中低木を伐採した事により上空の空間が空き林床に陽が入るようになりました。
(上:before 下:after)

第1回からの経過を見てみます。


第1回作業前(5月28日)

第1回作業後(5月28日)

第4回作業後(今回、1月21日)
皆さんの活動のお陰で藪のように暗かった森が明るい森になりました。今後どのような植物が見られるか楽しみです。


全員で森を観察し4回分の感想を共有して今年度継続編の活動は終了です。
ご参加いただいた皆さまありがとうございました。

【横浜市受託事業】森づくりボランティア体験会 | 報告